危機一髪 2題

世間話、雑談など
フォーラムルール
山行記などの味付け以外で単独のどうでもいい話、雑談などに使ってちょんまげ~
返信する
カッチャン
記事: 175
登録日時: 2011年11月25日(金) 07:56

危機一髪 2題

投稿記事 by カッチャン »

その1 あわや初めてのビバークか?

何年前だったか(3~4年前。認知症にかかわらず、記録、写真一切残していないので・・・)、残雪期のトガス。雑談コーナー「アントキノ藪屋」山日和さんへの返信で少し触れました。
土曜日、当日は風もなく絶好の日光浴日和(当時、単独をいいことに天気のいい1000m級の冬山の頂上で上半身裸になり、プライベートビーチ状態になることがお気に入りでした :lol: )。
夜明けとともに、川上の発電関係の導水管付近から急斜面を登ります。途中山の中腹にプレハブの工事事務所があり、このこともこの先の行動に少なからず影響を与えました。
天候、雪質、体調すべて完璧に近い状態で予定よりかなり早くトガストップに到着。(絶好調の時にこそ慎重さを求められるのが山行。もうすでに冷静さを欠いていたのかもしれません)。
時間も早いので少し先まで散策。
しばらくすると西の方に双耳峰のような山を発見。そう、夏山で壮絶な体験をさせていただいた烏帽子、高丸です。
冬は空気も澄んでいて思いの他近くに見え、時間も早いので一丁アタックしてみるか。
かんじきの調子もばっちり、どんどん進みます。快調に飛ばしますがなかなか近づきません。やはりそれなりの距離があるのですね。
ジャンクションピークから両山への振り子運動をして帰路に着く頃には13時を大きく回ってました。
それまでは、往路の時間+アルファで帰路時刻を設定し、日没前下山の鉄則は守ってきましたが、天候、雪明かり、ヘッドライト・ツェルト携帯、プレハブ小屋、土曜日・・・いろいろな要素、甘さがこの日の自分を危機に向かわせていました。
トガストップを越えたあたりで暗くなり始め、登山口までの中間くらい、山で迎える初めての日没です :o 。雪明かりで往路の雰囲気を感じるルートをたどり進みます。
あっ、見えた!プレハブです。しかもその辺りが明るい?なんで?
なんと工事関係者が帰り支度をして、今まさにトロッコ列車に乗りこまんとしていたタイミングでした。
そこそこ距離があったので、大声、熊ベル、ヘッドライトとにかくこちらに気づいてもらうのに必死。一方ではワカンをはいて進んでいるとは思えないスピード、全速力です。
人間土壇場になるとやるもんですね。ついにこちらに気づいてもらい最終便に乗せていただくことができました。
その時の工事関係者の方、本当にありがとうございました。
そして、教訓。日ごろの行いは大事。ちょっと違うか :mrgreen:
カッチャン
記事: 175
登録日時: 2011年11月25日(金) 07:56

Re: 危機一髪 2題

投稿記事 by カッチャン »

その2 半歩間違えば?

昨年残雪期横山岳にて。
雪塗れになりながら北海道トンネル上部へよじ登り、神々しいまでに純白に輝く余呉の盟主上谷山の雄姿に酔いながら、長大な北西尾根から北尾根へ。特に北尾根のあたりのブナは余呉の山々の中でも三指に入るほど豊かな自然林だ。
小さな山の住人たちの足跡しかない凛とした凍てつく早朝の雪上は、適度な締りでワカンの機能が十分発揮される。間近に見える安蔵山から左千方に続く稜線は夏場何度となく訪れているが、冬場は未体験。いつの日かあのバージンスノーロードを踏みしめたいものだ。
遠景や雪深きこの山のブナ林を楽しみながら歩を進めるうちに余呉頂上、西尾根との合流点だ。そして程なく横山頂上。小屋はすっぽり雪の中に。朝早いせいか誰一人いない。

休む間もなく東峰へアタックだ。最初の鞍部からの登り・・・。ない!アイゼンがない! :o しかし、高低差がそれほど無いこともあり2度3度カンジキのみで上へ這い上がろうと試みるがどうしても滑り落ちてしまう。
かくなる上は稜線雪庇が張り出した直下ルートを進むしかないか。ところどころデブリが姿を見せる。大きな塊を見る度におっかなびっくり雪庇を見上げながら、そーっと息を潜めながらささーっと進む。朝の雪が締まっている状態だからこそ若干のビビりを感じながらも進むことができた。ある程度進んだところで、高低差が少なくなりやっと稜線上へ立つことができた。

東峰に着き早めのランチを済ませ、帰路に就く。
魔物は危険を乗り越えた後のなんでもないところに転がっていた。
帰りは稜線上を進むのだが、小動物の足跡がここを進めば安全だよと教えてくれているように思えたのです。山を熟知している住人のいうことは素直に聞くのが私のモットーなだけに何の躊躇もなく足跡をトレースしました。20mも進んだ頃でしょうか、左足を雪上に置いた瞬間、ズーーンと腹に響く重低音、突然景色が変わってしまった :shock:
わけがわからぬまま左下をみると何トンもある大きな雪の塊が往路私が歩いてきたルート上に落下していたのです。なんとちょうど左足くるぶしから外側の雪庇がスパッと切れ落ちていたのです。

1000m級でも冬山はいつどこでどんな危険が待ちうけているか・・・。
ヤブの皆さま、ゆめゆめ油断めさるな。
返信する