今使っている沢たび(キャラバン・渓流)がそろそろ買い替え時期に来ているので、先日から代わりの沢靴を物色している。ラバーソールも一度履いてみたいと思ってアクアステルスのソールを物色していたのだが、製造中止で手に入りにくいという。代わりのラバーソールを探しているとハイパーVというソールがある事がわかってきた。このソールは日新ゴムという日本の会社が開発したもので、従来のラバーソールの2.5倍の滑りにくさだという。釣り人などの間ではかなり話題になっているらしい。沢登りでのレポも読んだが、アクアステルスと同程度の性能という高い評価だった。これは使って見ずばなるまい。早速ネット経由で取り寄せることにする。選んだのは#206という先芯が入ったタイプ。送料を入れても4000円以下という安さだった。
見た目、アッパーは合成樹脂製でいかにも安物のスニーカーといった感じ。こんなんで大丈夫かいな。とりあえず地池谷左俣支流の小谷で試してみた。残念ながら私はアクアステルスを履いたことがないので、アクアステルスとの比較はできない。フェルトソールとの比較になるのだが。
乾いた岩
すばらしい。吸いつくようにグリップし、滑る心配は全くなかった。このグリップ力はフェルトソールでは望むべくもない。
ぬめった岩
全く他愛なく滑り出す。グリップ力ゼロと言ってもいいかも。ソールの性能を試すためにわざとぬめった岩に乗ってみたのだが、そうでもなければ怖くて乗れない。
濡れた岩
この谷では濡れた岩はほとんどすべて藻が生えてぬめっているので、濡れてぬめっていない岩がほとんどなくてあまり試すことはできなかった。少数例の感覚ではグリップ力はありそうな感じだった。
高巻き、通常の山歩きなど
ラバーソールのいいところはアプローチシューズとしても使えることだろう。フェルトソールの場合はアプローチシューズでザックのかなりの容量が占められてしまい、これがかなりの負担になっていた。
今回、ミネコシ谷右岸尾根の下り、ミネコシ谷左岸尾根の登りなど高巻きに近い状況で使ってみたが、グリップ力は十分にありフェルトソールよりははるかに安心だった。登山道歩きでも岩や倒木上でのグリップ力は通常の登山靴よりも上で、安心て歩くことができた。
ただし、ソールが薄いのとアッパーがちゃちなので、長時間歩いていると足裏が疲れてくる。テン泊装備での縦走などには、使うことはまずないだろうが、おそらく足が痛くなってしまうだろう。
以上、使った感覚はアクアステルスとほぼ同じと言っていいのではないか。ぬめった岩での滑りやすさが気になる人には無理だろうが、それ以外の場面では明らかにフェルトソールよりは上であると思った。どこかのブログで書いてあったことだが、すべてにほどほどの性能を発揮するフェルトソールとある場面では素晴らしい性能を発揮するラバーソールと、どちらに魅力を感じるかの違いだろう。もうしばらくこのソールを使ってみようと思った。