【 日 付 】11年9月8日(木)
【 山 域 】奥美濃
【メンバー】kasaya
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】池の又林道終点7:54---8:45幽幻の滝---9:17夜叉ヶ池---10:50三周ヶ岳---12:10夜叉ヶ池
---12:45 1206ピーク---13:37夜叉ヶ池---14:52駐車地
久しぶりに天気予報が好天を告げている。どこへ行こうかなあ。ご無沙汰している御池岳にも行きたいが306号は7月以降
がけ崩れとかでずっと通行止め。コグルミ谷へ入ることもままならない状況。ならばと北に目を向けたときに夜叉ヶ池と
三周ヶ岳が目に留まる。30年前に夜叉ヶ池を訪問した際、三周ヶ岳はヤブがひどくて途中で断念している。夜叉ヶ池は
近年随分整備されたと聞いているが三周ヶ岳も歩きやすくなったかなあ。鈴鹿ばかりでは能が無い。ここは一つ重い腰を
あげて行ってみようか。
台風12号の影響で林道がやられていないか心配だったが、池の又林道は何の影響もなさそう。ただすこぶる細い道だ。
慎重に車を進めると最後で急に広くなってそこに40台は停められるという立派な駐車場に着いた。前回は福井県側から
入ったので岐阜県川からは初めてということになる。初めての場所は山もそうだがその前段のアプローチがすごく気になる。
最近はネットで割りと簡単に調べられるが、やはり行って見ないと分からないことも多い。予定通りたどり着けて
今回の山登りは半分終わったような気になる。
広い駐車地に車は自分の1台だけ。この広さからすると週末は結構来るんだろうな。平日休みのありがたさを感じる。
そそくさと支度して出発すると道の脇に太陽電池で動作するカウンターのようなものが設置されていることに気づく。
最近尾瀬で見たものと似ている。やっぱり人がたくさん来るんだ。駐車地からは一旦、谷に下る。最近の天気の所為だろう。
谷筋は豊富な水が流れている。そしてこの時期の花がたくさん咲いている。ツリフネソウがアチコチで大きな口をあけている。
道は明瞭過ぎるほど明瞭で何の心配もない。最初の急登を過ぎた後はタラタラと行くので非常に楽。天気は快晴だが夏の
様な暑さはなく、いかにも秋の山に来ているといった風情だ。こうなると体調も良くなる。最近フーフー言いつつ、登って
いたのだが、やっぱりあれは暑さの所為だったか。途中で幽幻の滝という小振りながら感じのいい滝に出会ったので小休止と
する。立て看板によると、夜叉ヶ姫がこの滝で肌を清めてから聖域に入ったということだが、この場所は長らく所在不明で
幻の滝だったが、遊歩道を整備する段になって偶然発見されたと書いてある。ホンマかなあ。
ここを過ぎると夜叉壁と書かれた看板が目に入る。おそらく右手に見える岩場のことだろう。結構威圧感のある壁である。
そして道はというとこの辺りからガレ場にロープが張ってあり、この道では一番の難所となる。といっても足場が豊富にあり
ロープに頼らなくても普通に登れるのだが。
そして登りきったところが夜叉ヶ池だった。ちょっと高台にのって池全体を見渡す。30年ぶりのご対面。しかしである。
あれー? きれいな砂浜になんとも無粋な木道とテラスが作られている。池には貴重な生物もいて近づかないようにしているのは
分かるが何であのテラスが必要なの。しかも砂浜をつぶして。よっぽどここは人が来るんだろうか?30年前はこの砂浜に
テントを張って一夜を過ごしひっそりとした風情に浸っていたのだが、もうこれではアカンなあ。寂しい限りだ。
- テラスのできた砂地
- 何もなかった砂地(1981年晩秋)
池の周囲に作られた木道を歩きそのテラスに座ってみる。きれいに澄んだ水にオタマジャクシやイモリがいるのがわかる。
ここにしかいないというヤシャゲンゴロウはちょっと分からない。数も少ないのかな。
変わってしまった池を嘆いてもしょうがない。本日の次の目的である三周ヶ岳を目指す。今までの道が明瞭で三周ヶ岳を示す道標も
立派なのがついている。今までの道の状態からしてルンルン気分でいけると思いきや甘かった。ここはやっぱり奥美濃。
稜線の道は笹で覆いかぶさっており足元が見えない状態が続く。時には枝を掻き分けることも強いられる。やっぱりこうなってるんだ。
でもまだ足で探れば道のありかが分かるので、ここはしっかり道があるというべきなんだろう。そう思って歩いていくが、途中で
見えない石につまずき転倒。石だからつまづくだけだが穴ぼこだったら怖いなあ。足先に目が欲しい。それでも、いつしか三周ヶ岳の
頂上に着いた。ウーン、周りのヤブが深くてどうも展望が悪い。ちょっと背伸びをすれば見られるのだが、いささか期待はずれ。
ここで座り込んでランチにすると何も見えないので、ちょっと戻ってもう少し展望のあるピークでランチとする。
空は晴れているが今日は遠方の山はよく見えない。近くの山は奥美濃の山々、地図を持って山座同定を試みるが、どうも心
もとない。結局どれがどれやらよく分からず。
時間的にはまだ早い。これなら三国岳も行ってこられるのでは。ふとそう思い、夜叉ヶ池に降りる。上から見ると人がいるのがわかる。
平日でもやっぱり人は来るようだ。そして夜叉ヶ池からは休まずそのまま三国に向かって登り始める。途中で振り返ると夜叉ヶ池が
きれいに見える。こんな頂上近くに豊富な水を湛えた池がある。最初見たときはその美しさとともに非常に感動したものだが、
今でもその感じは変わらない。それだけにあのテラスがなんとも悔やまれる
- 上から見ると美しい
池の見えるピーク(夜叉ヶ丸)を過ぎると道はとたんにヤブっぽくなる。こちらは地図に破線路もあるし、いい道だと思っていたが
どうもそうではないらしい。先ほどの三周ヶ岳よりも悪い感じだ。奥美濃の登山道というのは皆こうなんだろうか。そう思いつつ
1206ピークまでやってきた。ここで進路を南南西に変えるのだが少し入ってみるといっそう藪が深くなってくる。堪りません。
最初から三国が目的なら何のこともないのだが、行きがけの駄賃程度に考えていた三国で予定以上のヤブコギをすることに
気持ちが萎えてきた。行ってどうなる?ヤブをずっと歩き続けるだけだよという声が聞こえてくる。そしてあっさりと「やーめた」
宣言を出す。またいつか機会もあるわさと自分に言い聞かす
そして今度は夜叉ヶ丸付近まで戻ってコーヒータイム。天気のいい頂上でノンビリとコーヒーを飲む。やっぱりこのスタイルが
いいなあ。空は相変わらず青い。ティータイムを終え下って行くと途中で池から登ってくる人に出会う。三国ですかと聞くと
単に池を眺めるだけらしい。福井県側から登ってきたというその人と少し話をする。福井県側もアプローチも山道もすごく整備
されているらしい。以前は道もガタガタでタイヤがパンクしたことを思い出した。相当変わったなあ。
その人に別れをつげ来た道を戻ればる。感覚的に下りばかりと思っていた道はところ所登りもあり、余計な汗も出るが、
特に苦労することもなく歩けば直に駐車地だった。車はこの時点で3台。その中の一台はすぐに出発して行ったので後は途中で
追い越した人の車だろう。平日登山はやっぱりいいね。
Kasaya