おはようございます、山日和さん。
早朝、用を足そうと川上の道の駅に入ると、1台の車が近付いてきた。こんな時間にこんなところで誰かいなと顔を見ると、piccolo
さんとケルトさんだった。これからキノコ狩りにご出勤らしい。先週もキノコ狩りで、お宝をなんと23キロもゲットしたそうだ。
持って帰るのにさぞ苦労したことだろう。
私も珍しくドッコイショが2回ありました。ラッキー
それにしても23キロはすごい。
谷の名前の由来になったのであろうワサビ田跡を過ぎると道は踏み跡にレベルダウンした。
ワサビ田跡ってワサビは多少残っていましたか?
地獄谷の二俣まで来たところで迷ってしまった。事前学習をしているとはいえ、このあたりまで来るとハッキリした道ではなくなり、
進むべき方向がわからない。左俣の踏み跡を辿っていくと正面に連瀑が見え、左の支流にはワイドスクリーンのような岩壁に滝が掛か
っている。連瀑の両側にも岩壁が立ち、巻くのも一筋縄で行かないようだ。
なかなか見応えのある風景だが、ここからは抜けられそうもない。二俣まで戻って中間尾根を上がるとすぐに岩場に阻まれた。引き返
して右俣の左岸尾根を上がってみたがどうも違うようだ。
久々の元祖ヤブのバリ歩きって感じです。
再び二俣へ戻って右俣に見える滝に近付くと、滝身の右側にレポで見た残置ロープがあった。やれやれ、ここに来るまで1時間半も
ロスしてしまった。ロープを頼りに滝を越えるとゴルジュの真っただ中。左のガケにロープがぶら下がっているが、これに全体重をか
ける気にはならず、ナメ滝を突破してから斜面を上がった。
このロープは氷瀑用のです?
やがて傾斜が緩んでちょっとしたコバに出た。前方を探ると岩壁が行く手を阻んでいる。ここでルートは左手の谷へ下って行くのだ
が、知らなければまったくわからないだろう。獣道のような踏み跡をトラバースして谷へ下りると20mほどの滝の前に立った。下流に
も滝が続いており、ここだけが谷の両岸を行き来できる弱点になっている。
滝の両岸は高い岩壁で護られているので左に伸びるザレたルンゼを上がるが、足を置く度にザラザラと足元が崩れて歩きにくいこと
この上ない。見た目は簡単そうだったが意外に消耗を強いられた。
登り着いた小尾根からすぐに隣の谷へトラバースしながら下降。これもかなり足場が悪くバランスが必要だ。下り立った谷の上流には
ナメ滝がかかり、トチの大木などもあるいいところだが、続くルートがわからない。
踏み跡らしきものがあったので急斜面を左へ左へとトラバース。次の尾根に乗ったところで谷を見下ろした。この谷が大普賢岳と小普
賢岳のコルへ突き上げる谷であり、最初に迷い込んで突き当たった滝の上流である。しかし谷の中にはかなりの滝が続いていそうで、
今乗っている尾根の上方も岩壁で遮られているようだ。地形図を見てもわかるように、なにせこのあたりは岩壁だらけなのだ。
これは違うと判断して先ほどの谷まで戻り、ナメ滝横のガレたルンゼを登る。足が重い。時々立ち止まって呼吸を整えながら小尾根に
到達すると、やっとコルが視界に入った。
これは何に使われていたルートなんです?
杣道なのか修験の道なのか・・・
登山道はここから笙の窟の方へ下って行くのだが、尾根通しに進むのがマイコース。ここは17年前の冬に歩いたことがある。遠目に
見ると杉の繁ったこんもりした尾根だが、実際には岩場が連続する気の抜けない道である。
コルから登り詰めたピークが日本岳(孫普賢岳)だが、地図には次の1505mピークを日本岳としているものがある。
ここからの下りがかなり嫌らしい。尾根芯は小さいながらも岩壁が立ち、ロープ無しでは下れないので、左側の急斜面を立ち木を頼り
に下りてトラバース。同じような場面がもう一度出てくる。
1505m手前のコルは数本のブナが立ち、南側の展望が開けるいいところだ。最後の核心部通過に備えてひと息入れよう。
またまた、そんな所に行く~
ここから1505mへの登りは逃げ場のないゴジラの背ビレのような岩稜の通過がポイントだ。
左右はスッパリ切れ落ちており。残置ロープがぶら下がっているものの、これに頼れば体が宙ぶらりんになってしまうだけだ。
岩は硬くしっかりしているので、ホールドを信じて体を持ち上げる。ほんの短い区間だが、結構しびれる登りだ。
昔は使われていたって事か。
今日のコースの前半、地獄谷へ入ってからのルートは予備知識がなければまず辿ることは不可能だろう。氷瀑地帯への分岐を過ぎる
とテープは一切ない。単に尾根や谷を辿るだけでなく、岩壁の隙間を縫うように尾根と谷を組み合わせてルートを組み立てるのはまる
でパズルを解くようだ。このルートを開拓した先人に敬意を表したい。
久し振りにバリハイの神髄を味わったような充実の一日だった。
お疲れ様でした。
久々にバリルート歩きの感覚を楽しませてもらいました。
ありがとうございます。
わりばし