導師サマ、こんばんは~
2011年度の始業式は荒島岳とは、深田先生に敬意を表しての100名山詣ででありましたか。
とはいってもこのルートは…。さすがに通り一遍の人生行路は歩まないのが奇行師の矜持ってもんなんでしょうか?
真名川ダム湖の水面は曇り空を映して鈍く光っていた。下流方向の高みには真っ白な三角がわずかに頭を出している。目指す荒島岳の山頂だ。
ひと汗かいて尾根に乗れば後は広い雪尾根を辿るだけである。雪は完璧に締まって、ビブラムの跡がわずかに残る程度。今日はスノーシューも背中の重しで終わりそうな予感である。
この日は、美濃俣丸~笹ヶ峰の稜線を歩いてたんですが、荒島岳は釈迦嶺や冠山の陰に隠れたのか見えなかったような…?
確かに雪はしっかり締まっていて、背負ったスノ―シューは「無用の長物」になりかねなかったですね。
クラストした急斜面を登山靴のエッジを利かせて上がれば持篭谷山頂だ。風が強く寒いのでアウターを着込んだ。
ここまで2時間強。まずまずのペースだ。荒島岳~縫ヶ原山ジャンクションの1209mピークまで3時間で行ければなんとか行けると踏んでいたが、この分なら十分周回できそうだ。
縫ヶ原山というのはモッカ平のガケップチの△1317.0のことでしょうか?
このあたり、雪が融けてから林道を上ってみても楽しそうだ~♪
1209mピークに立つ。ダムからジャスト3時間。OKだ。
昨日までの暖かさから一転して今朝は冷え込んだ。冷え込みと風のおかげで霧氷の出迎えを受ける。
青空がないのが残念だが、予報ではもう少し経てば晴れるはずだ。
そうそう、待てば回路の山日和~ってことです。
11時前くらいには青空が広がってきましたね~♪
今日は縫ヶ原山に背を向けて、荒島岳へ初めての雪尾根を辿る。目の前には延々と伸びる雪稜。東側は落ちた雪庇の跡が雪壁となって切れている。
膨大な積雪が形作る雪堤も、そろそろ本来の尾根芯と仮想尾根の境界あたりに割れ目が入り始めて、迂闊に足を運ぶとボソッと雪穴にはまり込んでしまうので注意が必要である。
ロボットピークの手前で、うっかりして割れ目に足を取られてしまいました。危ない危ない!
雪は相変わらずよく締まってストレス知らず。あまりに快調過ぎて、早く通過するのがもったいない。それに青空がなかなか戻って来ず、この尾根を陽の光を浴びて歩けないのはあまりに残念過ぎるので、1265mピークの手前で時間調整の休憩を取る。1209mJPからまだ1時間あまりしか経っていない。
もったいない、もったいない! せっかくのご馳走です。じっくり味わわないとね~。(^O^)/
ここで急登に備えてアイゼンを装着した。遠くから見た荒島岳山頂直下の登りは壁のように映ったからだ。
本当にこの日の午前中ははアイゼンが最適でした。凍った美濃俣丸の最後の急斜面をアイゼン無しで登りながらヒヤヒヤでした。(><)
なんとも贅沢な景観に360度取り巻かれた。
白山、槍・穂高、乗鞍、御岳から経ヶ岳、大日岳と石徹白の山々、木無山、能郷白山・屏風山を始めとする越美国境の山々、姥ヶ岳、銀杏峰、部子山、越前甲。浄法寺山や高平山といった1000mばかりの山々でもまだ真っ白なのは驚きだ。
奥越の山は雪が多いです。特に今年はどこも真っ白ですね。うちの近所から見える湖北の山もまだ白いままです。
小さな雪壁の下でピッケルで雪を削ってランチ場所を設営する。晴れてはきたが相変わらず風が強く寒いのだ。
白山を眺めながらビールを煽る。実に美味い。これを至福と言わずしてなんと言えばいいのだろう。普通に生活して山に登れる幸せを噛み締めるひと時だ。
美味しさと至福のひとときに酔いながら、ちょっと罪悪感にもさいなまれるのは小市民的小心の悲しさなのカモ?
これまで荒島岳はやや敬遠していたきらいがあった。何故ならば日本100名山だからである。しかし登ってみれば文句なしにいい山だ。特に今日辿ってきた南からの尾根は、どんどん近付いてくる荒島岳を真正面に見ながら歩けるベストコースではないだろうか。もちろん道がないので積雪期限定なのだが。
ヤマケイあたりに「山ガと行く100名山の裏道」とかの連載でも売り込みますか?
東に伸びる雪尾根が魅力的だったのですこし歩いてみた。こちらには「大ナベ」「小ナベ」と呼ばれるピークがある。
「大カマ」「小カマ」とかの鞍部はないの?
今日の登山者はほとんどが勝原スキー場跡からの往復のようだ。こちらは小荒島岳(コアラ島岳と呼ぶ人もいる)を経由して北西へ向かう中出コースである。この登山口の手前にDOCをデポしているのだ。
従って、下山してもまだ今日の行程は終わらないのだ。国道へ出てから真名川ダムまでは登り一辺倒なのである。
おお!DOCの出番ですか。充電バッチリなら登り一辺倒もなんのその~!
快調に下り、「モチガ壁」と呼ばれる雪壁もうまく左側を巻くトレースが付けられていた。
18年前はどこをどう歩いたのかあまり覚えていない。ただあの頃は山頂にまだ測候所の建物があり、中で風を避けて食事をした記憶が残っている。大きな反射板もあった。
遠い記憶を辿りながら、当時と比べて体力の衰えに不安が募るのでありりました。
シャクナゲ平の手前からここまでなかなかのブナ林が続いていた。鞍部のあたりは実にいい雰囲気である。やや沈み始めたので本日初めてスノーシューを装着した。
小荒島からの下りは尻セードを誘ういい斜面が広がる。今日は遊び尽くそう。
シューを履いたのは源平谷山を下って林道に出てからでした。
中出コース登山口の標識のあるところが林道の除雪終了点となっていた。そこからわずかでDOCデポ地。真名川ダムまで30分というところか。
麓へ下りて、大野盆地の南端にあたる佐開の集落あたりを転がしていると、すっかり春の日差しが戻ってきていた。
ダムまであとひと頑張りだ。
傾いた陽射しを浴びながら、ペダルを漕ぐ帰り道。安ど感と達成感で心地よい疲れを楽しむひとときだったでしょうか。
お疲れさんでした。
~biwaco