「明日の夕方は家族で外食だからね、だから山は日曜日にしときな」
私を除き皆で密約がかわされていたようだ。
TW「そんなのいやだ~、土曜の方がいい天気だから絶対行くよ!」
「じゃ~、5時には食べに行ける様にかえってね、ワンコの散歩も終えてね」
TW「そんな・・・(^^;」
今日の行先メモはこんなかんじ
「布引滝か風折滝の氷瀑
喜平大滝に行くかも
奥峰、明神周辺になるかも」
結局どこに行くか判らないというのが正直な所だ、なんて優柔不断な私なのだろう。
【 日 付 】 平成24年2月4日(土)
【 山 域 】 台高
【 天 候 】 曇り 時々 晴れ
【 ルート 】 太良羅谷出合手前P8:30―宮の谷登山口9:00―水越谷出合小屋9:55~10:30―胎内潜り岩付近10:50~11:40―水越谷出合12:10―高滝12:40~13:10―宮の谷登山口14:00―太良羅谷出合手前P14:35
【 メンバー 】 単独
朝起きるといい天気だ、やはり今日は雪原歩きがいいかなぁ、奥峰に上がってみようかなの気になってくる。
雪もほとんどなく蓮ダムに到着、県道蓮峡線はこの先土砂崩れで通行止めになっている、ダムを渡り右岸に有る湖周道路を行く、日陰や橋の上には雪が残っていて滑りそうだ。
中間橋を渡り蓮峡線に復帰、雪は少ないのでけっこう行けそうだと思ったが絵馬小屋谷出合手前でアイスバーン状態になっている、滑りながらも出合の広場に着いたが、これから先はやばそうだ。
予定の蓮集落跡まで行けそうにないし、歩いて行くのも遠い、この分だと上がって降りてくるだけで終わりそうだし、喜平大滝だと殆どが林道歩きに終わりそう。
そうだ!三峰に行こう、と引き返すと、前方からzippさんの車がやってきた。
「あれ?この先行けなかったの、私チェーン持ってるから、ふ、ふ、ふ、ふっー」と行先を聞く暇もなく行ってしまった
。
三峰の福本口に向かう、三峰方面にはガスが掛かってきたと思ってたら雪が降ってきた、なんだ今日は青空じゃなかったの? 林道を上がっていくと途中に軽4駆が停まっている、こんな下に登山者かと思ったとき「バーン」と銃声がした、ハンターだったのだ、その先でまたもや雪にはばまれた。無理をしてここは切り抜けてもだんだん標高は上がるので状況は悪くなることは明らかだ、しかしまだ標高200m位だ遠回りな林道を歩いて登山口までが遠すぎる、ましてや猟場のなかを歩くのは危なそうだとUターン。
さて、こちらも駄目となるともう氷瀑しかないな。布引滝・・・う~ん丸太橋が滑りそうな所があるな、喜平大滝・・・時間ロスも有ったしやはり遠い、もう風折滝にいくしかないなと再び向かう、なんやってんだろう、1時間のロスタイム。
今度は絵馬小屋出会いまで入らず太良羅谷出合手前の道のふくらみに車を停めた。今日は谷歩きなので長靴を履いていく。
歩き出すと三軒家の先はかまぼこ型の狭い道に雪が残っているではないか、入ってこないでよかったよ、谷側に滑れば転落だもんね。宮の谷線に入るこちらにはまだ新しい轍が残っている、あれれzippさんこちらに入ったのかしらん?
途中緩いカーブでタイヤ痕は直進してるよ、やっぱりコンクリート壁にぶつかったんだ、痕跡があるよ、横向いて片輪側溝にはまりそうになったみたい。よかったよな谷に落ちなくて、狭い道路で横になったら戻すのえらかったろうな、他人事ながら心配してしまう、こんな所まで入って来るからだよ!
登山口に着くが車は無いタイヤ痕は昨日のだったようだ。
足跡の残る宮の谷道を行く、犬飛びにも寄って行こう。積雪は3cm位ことのほか少ないのだが足元長靴なので冷えて来る、こちらにも雪雲がやってきたみたいでちらほらと雪も舞ってきた。
水越谷出合手前の小屋に入って朝食?いや昼食?、今日はどん兵衛と、焼き鳥缶詰・・あ~あとはワンパターンだわ(^^;。お湯を沸かすとどんどん蒸気が出て小屋の中はスチームサウナ状態になったがなぜか温かくはないのだ。
どん兵衛に天ぷら入れてっと、な~んか味薄いな、スープ入れるの忘れてた。焼き鳥缶詰も熱々だが・・・これは冷たい方がうまいや。ウメ酒も飲んで足もぬくもりが戻って来たよ。
さあ出発!、高滝に向かうか風折か迷う、高滝にはトレースは無い、昨日の足跡は水越谷に向かってる、やはり氷瀑は風折滝だよねと足跡を追った。
この辺りからは積雪も10cm程度と増えて来るが、谷の水は殆ど凍っていない、こんな感じで滝も氷瀑になってるのだろうかと心配になる。何か所か滑って登りにくい所で膝をついて登った。
ロープの有るターザンの様にぶら下がって淵を越え,胎内くぐり岩を抜ける難所にきたが、足場が雪で滑るのでドボンしそうな感じだ、ロープを出せば行けそうだが面倒だし、足跡はロープをそのまま登り上を越えているがとても追う自信は無いのだ。
しばし悩んだがこの先もフィックスロープの痛んだ所がある様なのでこの先行けるかどうかは不明だし、撤退することにした。が少し戻れば左岸側が上から巻けそうに見えたので上がってみることに。
ガラガラの斜面を登り小尾根にトラバース、雪の下は落ち葉でよく滑る、鹿の足跡を追うが滑れば滑り台、谷底まで落ちそうだ、足の裏に神経が行ってしまう、緊張しながら小尾根へ、乗り越した後は行けそうな気もするが急斜面だ。やはり戻ろう!
しかし上がって来たルート戻るのは滑って危険だ、ここでアイゼンを付ける事に、しかし柔らかい長靴に付けるとかなりきつく締め付けないとずれてしまうのだ。すぐに締め直し、長靴が変形する。
水越谷出合に戻り高滝に向かう、あちこちからツララが下がって綺麗だ。だんだん谷の水も凍った所が出て来る、左岸に岩嵓の迫る所で低周波のゴーッという音が聞こえてきた、これはやばい!地震じゃないのか?こんな所で岩場でも崩れたらお陀仏だよ、逃げ場がないよ。少し歩けばその音の原因が判明した、谷の水が表面の凍った氷の中に注ぎ込まれて行く音だった、それが岩壁に反射して増幅されていたようだ。
奥に高滝が見えた、完全には氷結してないが、周りには氷がいっぱいだよ、下にはブルーアイスも出来て、滝壺の水も流動体を流したようになっている。しかし高滝ってこんなに低かったかな?って感じでスケール感がないのだ。
しかし近着くに連れそれは大きくなってくる。もっと近付きたい、真下までいけないだろうか?池木屋の登山道に向けて渡渉、いきなり足元が抜けてドボン、シャーベットになった上に雪が積もっていったのだった。対岸に渡り雪の積もった岩の上を行く、滝壺からの流れは途中でシャーベットの中に吸い込まれて無くなっていく、伏流になる感じだ。淵の水も凍ってるのか恐る恐る歩いてみる。
近付けば流れはあるものの素晴らしい氷瀑だ、下から見上げれば迫力もあるよ、これなら早くここに来ておけばよかったよ。写真を沢山撮ればもう帰る時間だ、今日は青空予報だったが雲も多かったので氷瀑見物にしてよかったのかもしれない。雪原はやはり登山口までが近い鈴鹿の方が私には合ってるみたいだし、氷瀑と雪原歩きを天秤にかけると雪原が勝てしまうTWなのでした。