おはようございます、satoさん。
私も学生の頃から、鉱山の歴史に興味を持ち続けています。産業、文化、そして戦争の歴史とともにある鉱物。
むかしむかしから少し前の時代まで、日本のあちこちに鉱山が存在し、
周辺には仕事を求めやって来た人達が中心となった町や集落も存在したのですね。
山登りに出かけた先で鉱山跡に出会っては、あれこれ思いを巡らせています。
アルプスの山中にも鉱山跡がありますね。こんな別天地まで鉱物を求めに来たのですね。
山と鉱石との関係は切っても切り離せないです。
山伏にしても鉱脈を探すことが当初の目的だったように
深山に人を分け入らせた大きな理由のひとつです。
鈴鹿の鉱山は、関西に暮らし始めて知りました。
治田鉱山は、青川上流の南河内山、多志田川上流の多志田山、近江側の蛇谷山など藤原岳周辺の銀銅山の総称なのですね。
青川から治田峠へと、土砂崩れ、土石流でがらりと変わってしまった風景を眺め、
いろいろな思いに駆られながら歩いた日のことを思い出しました。孫太尾根の牛道?ドキドキしながら読ませていただきました。
銚子谷の崩壊で土石流が流れ込み風景が一変しました。
福岡野シリーズ番外3「治田鉱山遺跡が消える」に詳しく書いてあります。
江戸時代、治田鉱山は、鉱石製錬に使う木炭を得るために、江州の木立や木の根までも堀りつくしてしまうほど繁栄を極めていたのですね。
製錬出来なくなり、三日三夜で麓まで道をつけて鉱石を運び出したとは。福岡野は、大谷林道の溜池の手前でしょうか。
・202の先から取りつく尾根が桃ノ木尾でしょうか。九十九折の道が続いていくすばらしい道だったのですね。
昔の道は、地形を考え上手く利用して作られているなぁ、としみじみと感じます。標高500m付近の平地は牛の泊まり場ですか。なるほど。
福岡野は大谷林道の溜池の手前の平地で、桃ノ木尾は・202の先から取りつく尾根です。
溝道はしっかり残っていますし、牛道の始まりのオトシの場所もわかりますよ。
- 桃ノ木尾の牛道
「山林業者にとって溝道はジャマなようで伐採した木や枝のゴミ捨て場のようになっている」
山と人の関係の移り変わりというものを考えてしまいます。
孫太尾根との合流地点追分に張られたトラロープは、今は、登山道としての孫太尾根しか道ではありません、
という意味なのですね・・・。
白髪峠の牛道も同様にゴミ捨て場になっていました。
使われていない牛道の宿命のようです。
追分という地名があるのにもったいないと思ってしまいます。
- 追分
ツヅラ尾、孫太夫尾、孫太尾根から延びる尾根には、それぞれ名前が付いていたのですね。
人とのかかわりの深かった山域ですものね。そして、それぞれの名前に込められた意味がある。
でも、その意味は、時代の流れとともに、変化したり、消えてしまったり。
こうして書き記していただき、ひとつひとつの尾根に思いを馳せることができます。
県境稜線の近江側につけられた道も牛道だったのですね。
孫太尾根の孫太はどういう意味なのだろうと思いつつ、そのままでした。
麓の新町新田の創始者東松孫太夫という人物の名前が由来なのですね。
出口幸雄さんという方が地名を掘り起こされたので
治田鉱山の南河内山、多志田山、新町西北地域についてはすべての尾根と谷の地名がわかっています。
- ツヅラ尾
わりばしさんの孫太尾根探索記から、いろいろなことを考えさせられました。
孫太尾根は、お花の尾根という印象ですが、深い歴史が刻まれた尾根なのですね。
藤原岳一帯の山中には、数千人もの人々が、あちこちから生きるために集まり、様々な思いを胸に鉱山業に従事していたのですね。
産出された鉱物は、その時代の産業や文化の土台となったのですね。
ひとつのお山には、ほんとうにたくさんの物語があるのですね。
治田鉱山の登場人物はおもしろいですよ。
千姫(家康の孫で秀吉の子の嫁であった千姫が桑名藩に輿入れしたときの化粧代として治田鉱山が桑名藩に譲渡された。)
岡田家(イオングループの創業家。輿入れの際桑名藩の役人として治田に移り住む。)
大野郡右衛門(忠臣蔵の舞台の赤穂藩の家老の息子。藩取りつぶし後一攫千金を狙って山を掘ったが失敗。治田には浅野家の家宝が残されている。)
大岡越前(山田奉行所に赴任していた時に治田鉱山関連の山の訴訟を担当。)
五代アイ(大阪商工会議所初代会頭五代友厚の娘。)
いろんな人が鉱山の魔力に引き寄せられて登場します。
そう、「福岡野につづく道11」ということは、今回は、福岡野につづく道の11回目の探索なのでしょうか。
わりばしさんは、14年前に「福岡野につづく道1」をお書きになられ、ヤブこぎネットに初投稿されたのですね。
1から10も、とても興味があります。
レポのページの貼り付け、可能でしたら是非お願いいたします。
初めて調べなおしました。
番外を含めて13本のレポ書いてますねえ。
お暇なときに読んでみてください。
【 福岡野につづく道シリーズ 】
福岡野につづく道
http://old.yabukogi.net/forum/25771.html#25771
福岡野につづく道2
http://old.yabukogi.net/forum/26100.html#26100
福岡野につづく道3
http://old.yabukogi.net/forum/26474.html#26474
福岡野につづく道4 佐治兵衛鋪見つけたぞ
http://old.yabukogi.net/patio/read.cgi? ... past&no=62
福岡野につづく道5 新説多志田道と幻の多志田滝
http://old.yabukogi.net/patio/read.cgi? ... past&no=91
福岡野につづく道6 藤原岳羽瀬尾探索
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=4&t=230
福岡野につづく道7 藤原岳南東斜面「羽瀬尾」を探る
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=4&t=449
福岡野につづく道8 大谷道を発見
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=4&t=572
福岡野につづく道9 大谷道を結ぶ
viewtopic.php?f=4&t=907&sid=933d3ff2c50 ... 9a29ca6847
福岡野につづく道10多志田谷を探る
viewtopic.php?t=1514
番外1 牛道にみちびかれてオフ会へ
http://old.yabukogi.net/patio/read.cgi? ... ast&no=136
番外2 治田鉱山の名所めぐり
http://old.yabukogi.net/patio/read.cgi? ... ast&no=336
番外3 治田鉱山遺跡が消える
https://yabukogi.net/viewtopic.php?p=15486#p15486