梅雨明け以来猛暑が続いている。単独でも行ける沢,行ってみたい沢はいくつもあるが,今回は木屋谷川でちゃぷちゃぷ泳いで遊ぶことにした。要するに沢登りじゃなくて単なる水遊びである。ついでに寄り道の予定も。一つは,発電所取水堰堤の上流の大滝のチェック。林道から見る限りとても登ることができないように思われるが実際にはどうなんだろうか。どうせ見るだけで恐れをなして撤退ということになるだろうが,チェックだけでもしておきたい。二つ目は,千秋社の事務所あとのチェック。先週,ナズナさんに場所を教えてもらったので,行き掛けの駄賃で寄っていこう。
【 日 付 】2019年7月31日(水)
【 山 域 】台高
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 菅谷出会い駐車地 9:00 --- 9:16 木屋谷川 --- 10:21 誉橋下 --- 11:43 万歳橋 13:03 --- 14:03 ワサビ谷出会い近く大釜4m滝(遡行打ち切り)--- 14:18 右岸登山道 --- 14:36 万歳橋 --- 15:21 駐車地
このところ沢登りで頑張ろうという気が全くないので,緩んだ気持ちそのままに遅い出勤である。菅谷出会い駐車地を出発したのが朝9時。すでに暑い。少し歩いて取水堰堤へ至る階段を降りる。川に降りるホッチキスがあるのだが,水が綺麗すぎて水深がいまいちつかめない。万が一流されると堰堤の下に落ちてしまう。上流を見るとおりられそうなところがあるので,そっちの方から降りることにする。要するに臆病なだけである。
一旦林道に上がり,すぐ近くのカーブミラーのところからおりていく。このルート,意外にスリリングで,やっぱ取水堰堤を素直に降りるべきだったと反省。なんとか降りて,一安心。すぐ上流部にあの大きな滝が豪快に落ちている。水量が多いので大きく見えるのだが,高さは10m程度だろう。近くで眺めてみると,左のルンゼから上がっていけそう。実際に取り付いてみるとフリーで上がれてしまった。もっとも,今回はロープを持ってきていないので,フリーでなければ上がれないんだけど。
- 取水堰堤上流の大滝
本当は見るだけ見て戻るつもりだったのだが,上がってしまうと戻るわけにはいかない。結局,ここから遡行を開始することになった。単なる水遊びのつもりが,やっぱり本気遡行になってしまった。大抵いつもこうなる運命なので,しょうがない。
- 緑の豊かな渓
林道から見下ろす限りでは結構きびしそうな感じだったのだが,歩いてみると意外に遡行ルートがあるものだ。本流で水量が多いので,流されることだけ気をつければそんなに危ないこともない。沢登りというのは大抵こういうもんなんだけど。一見とても登れそうにない滝でも,すぐ下まで行って眺めてみると,意外にルートが見えてくるものである。澄んだ流れと,広葉樹の緑。どこまで行かなければという縛りもないので,楽しみながらのんびり歩いていると楽しくなってきた。蓮周辺の沢は堆積岩で構成されているのだが,この岩が実にフリクションがいいのである。フリクションがいいと安心して歩くことができる。
一箇所,どうしても直登できない滝があったので,高巻きすると谷に戻れなくなってしまった。谷に降りるトラロープ(おそらく釣り師用)があるが,ほぼ垂直の斜面で下が見えないので降りる気にならない。今日はロープも持っていない(脱出用の補助ロープは持っているが)ので,懸垂もできない。降りるのはやめて,一旦林道に上がることにする。面白そうなところだったので残念。次回は絶対に歩いてみよう。
谷が林道の近くに上がってきたあたりで再度入渓する。渓中はミストがいっぱいで全然暑さを感じない。快適だ。岩のホールドに手をかけるとプニっという感触。やっぱあいつだ。手で押さえつけられたのに身動きもしない。まだ半分寝ているようだ。おやすみ中お邪魔してすみません。
- 驚かしてごめん
さらに進むとくぼみから何かが飛び出した。子ジカだった。おぼつかない足取りで必死に逃げていく。シカの寝床だったのかいな。「おどかしてごめんな。怪我をしないようにね」。
楽しみながら歩いていると万歳橋に着く。もう12時だ。3時間も歩いたことになる。万歳橋のたもとの日陰で昼食休憩と昼寝。虫は全然いなくて,涼しくて気持ちがいい。下界が猛暑地獄なんて想像もできない。寝そべって上を眺めるとオニヤンマが悠々と飛んでいる。子供の頃,オニヤンマやギンヤンマが家の前の道を悠々と飛んでいたっけ。今はそんな風景を見たくても見られないだろうな。
もう十分に楽しんだのでここから下山しようかという甘い誘惑に駆られるが,幾ら何でもここから降りると30分で降りてしまう。せっかくなんでもう少し楽しんでいこうと腰をあげる。万歳橋以降はさすがに水量も減ってきて,おとなし目の沢になってくる。周りの森はより豊かになり,岩の苔もきれいな緑色をしている。これは先週の菅谷川と同じだ。
- 万歳橋上流の芳醇な森
- 美しい流れ
- 3条の滝
ワサビ谷出合い手前の大釜を持つ4m滝。ここで泳いで遊ぼうとおもっていたのだが,いつもより水量が多く,白く泡立っている。いつもは泳いで突破するところなのだが,泳ぐ気になれない。奥山谷出会いまで行こうかとも思うが,これ以上行っても渓の雰囲気は変わらないだろう。この先は次回つなぐことにして,ここで遡行終了する。右岸を少し上がるとそこが登山道だった。この登山道,荒れていると聞いていたのだが,意外に歩きやすい道だった。
- 大釜を持つ4m滝
帰りに千秋社の事務所あとを覗きに行く。建物はもう残っていないが,サクラと松の大木が残っている。コハウチワカエデやオオモミジ,イチョウ,ソテツなど,いずれも人の手によって植えられたものだろう。
駐車地に戻ると3時半。今回は早めに降りることができた。駐車場ももう涼しい風が吹き始めている。車でスメールまで降りると下界の熱風が押し寄せてきた。暑さを忘れて楽しんだ1日に感謝。
梅雨明け以来猛暑が続いている。単独でも行ける沢,行ってみたい沢はいくつもあるが,今回は木屋谷川でちゃぷちゃぷ泳いで遊ぶことにした。要するに沢登りじゃなくて単なる水遊びである。ついでに寄り道の予定も。一つは,発電所取水堰堤の上流の大滝のチェック。林道から見る限りとても登ることができないように思われるが実際にはどうなんだろうか。どうせ見るだけで恐れをなして撤退ということになるだろうが,チェックだけでもしておきたい。二つ目は,千秋社の事務所あとのチェック。先週,ナズナさんに場所を教えてもらったので,行き掛けの駄賃で寄っていこう。
【 日 付 】2019年7月31日(水)
【 山 域 】台高
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 菅谷出会い駐車地 9:00 --- 9:16 木屋谷川 --- 10:21 誉橋下 --- 11:43 万歳橋 13:03 --- 14:03 ワサビ谷出会い近く大釜4m滝(遡行打ち切り)--- 14:18 右岸登山道 --- 14:36 万歳橋 --- 15:21 駐車地
このところ沢登りで頑張ろうという気が全くないので,緩んだ気持ちそのままに遅い出勤である。菅谷出会い駐車地を出発したのが朝9時。すでに暑い。少し歩いて取水堰堤へ至る階段を降りる。川に降りるホッチキスがあるのだが,水が綺麗すぎて水深がいまいちつかめない。万が一流されると堰堤の下に落ちてしまう。上流を見るとおりられそうなところがあるので,そっちの方から降りることにする。要するに臆病なだけである。
一旦林道に上がり,すぐ近くのカーブミラーのところからおりていく。このルート,意外にスリリングで,やっぱ取水堰堤を素直に降りるべきだったと反省。なんとか降りて,一安心。すぐ上流部にあの大きな滝が豪快に落ちている。水量が多いので大きく見えるのだが,高さは10m程度だろう。近くで眺めてみると,左のルンゼから上がっていけそう。実際に取り付いてみるとフリーで上がれてしまった。もっとも,今回はロープを持ってきていないので,フリーでなければ上がれないんだけど。
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本当は見るだけ見て戻るつもりだったのだが,上がってしまうと戻るわけにはいかない。結局,ここから遡行を開始することになった。単なる水遊びのつもりが,やっぱり本気遡行になってしまった。大抵いつもこうなる運命なので,しょうがない。
[attachment=6]P7310038.jpg[/attachment]
林道から見下ろす限りでは結構きびしそうな感じだったのだが,歩いてみると意外に遡行ルートがあるものだ。本流で水量が多いので,流されることだけ気をつければそんなに危ないこともない。沢登りというのは大抵こういうもんなんだけど。一見とても登れそうにない滝でも,すぐ下まで行って眺めてみると,意外にルートが見えてくるものである。澄んだ流れと,広葉樹の緑。どこまで行かなければという縛りもないので,楽しみながらのんびり歩いていると楽しくなってきた。蓮周辺の沢は堆積岩で構成されているのだが,この岩が実にフリクションがいいのである。フリクションがいいと安心して歩くことができる。
一箇所,どうしても直登できない滝があったので,高巻きすると谷に戻れなくなってしまった。谷に降りるトラロープ(おそらく釣り師用)があるが,ほぼ垂直の斜面で下が見えないので降りる気にならない。今日はロープも持っていない(脱出用の補助ロープは持っているが)ので,懸垂もできない。降りるのはやめて,一旦林道に上がることにする。面白そうなところだったので残念。次回は絶対に歩いてみよう。
谷が林道の近くに上がってきたあたりで再度入渓する。渓中はミストがいっぱいで全然暑さを感じない。快適だ。岩のホールドに手をかけるとプニっという感触。やっぱあいつだ。手で押さえつけられたのに身動きもしない。まだ半分寝ているようだ。おやすみ中お邪魔してすみません。
[attachment=5]P7310070.jpg[/attachment]
さらに進むとくぼみから何かが飛び出した。子ジカだった。おぼつかない足取りで必死に逃げていく。シカの寝床だったのかいな。「おどかしてごめんな。怪我をしないようにね」。
[attachment=4]P7310114.jpg[/attachment]
楽しみながら歩いていると万歳橋に着く。もう12時だ。3時間も歩いたことになる。万歳橋のたもとの日陰で昼食休憩と昼寝。虫は全然いなくて,涼しくて気持ちがいい。下界が猛暑地獄なんて想像もできない。寝そべって上を眺めるとオニヤンマが悠々と飛んでいる。子供の頃,オニヤンマやギンヤンマが家の前の道を悠々と飛んでいたっけ。今はそんな風景を見たくても見られないだろうな。
もう十分に楽しんだのでここから下山しようかという甘い誘惑に駆られるが,幾ら何でもここから降りると30分で降りてしまう。せっかくなんでもう少し楽しんでいこうと腰をあげる。万歳橋以降はさすがに水量も減ってきて,おとなし目の沢になってくる。周りの森はより豊かになり,岩の苔もきれいな緑色をしている。これは先週の菅谷川と同じだ。
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[attachment=2]P7310155.jpg[/attachment]
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ワサビ谷出合い手前の大釜を持つ4m滝。ここで泳いで遊ぼうとおもっていたのだが,いつもより水量が多く,白く泡立っている。いつもは泳いで突破するところなのだが,泳ぐ気になれない。奥山谷出会いまで行こうかとも思うが,これ以上行っても渓の雰囲気は変わらないだろう。この先は次回つなぐことにして,ここで遡行終了する。右岸を少し上がるとそこが登山道だった。この登山道,荒れていると聞いていたのだが,意外に歩きやすい道だった。
[attachment=0]P7310187.jpg[/attachment]
帰りに千秋社の事務所あとを覗きに行く。建物はもう残っていないが,サクラと松の大木が残っている。コハウチワカエデやオオモミジ,イチョウ,ソテツなど,いずれも人の手によって植えられたものだろう。
駐車地に戻ると3時半。今回は早めに降りることができた。駐車場ももう涼しい風が吹き始めている。車でスメールまで降りると下界の熱風が押し寄せてきた。暑さを忘れて楽しんだ1日に感謝。