先週、自宅近くの山に行こうとしていたら娘の陣痛が始まったということで、外出禁止令が出た。翌日無事に出産。いろいろバタバタしていて山行が1週ぬけた。まあ、おめでたい話なので悪いことではない。
仕事でも(無給なのだが)いろいろな用事が重なって、退職して1年も経つにも関わらず身辺多忙である。とても雪山を求めて長距離を出かけられる状況ではない。しばらくご無沙汰している台高に出かけることにした。例年であれば雪山が終われば即沢初めなのだが、今年は沢の回数を減らそうと思っている。決して沢が嫌いになったわけではなくて、沢も含めて複合的に山を楽しもうと思っている。時間が許す限り、今年はテント泊をしたい。
台高といっても行きたいところはたくさんあるのだが、道子碑もハカノ谷の大ブナも御神木も行ったことがないので、まずはそこらへんから始めてみよう。先日のあめちゃんの後追いになるし、行程の半分以上は林道歩きだが、早春の山をのんびり歩くのも悪くない。
【 日 付 】2019年3月12日(火)
【 山 域 】台高北部
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ、上はガス
【 ルート 】菅谷出会い駐車地 8:03 --- 8:35マナコ谷登山口 --- 8:43 万歳橋 --- 9:54 道子碑 --- 10:39 ハカノ谷大ブナ --- 11:38 赤ゾレ池(昼食)12:43 --- 13:41 道子碑 --- 14:30 万歳橋 --- 15:02 駐車地
青田の雨子庵を通りかかるが、車がない。庵主は不在のようだ。いれば挨拶していくところなのだが。そのまま通り過ぎる。菅谷出会い駐車場に車を置き歩き始める。眼下の木屋谷川は雪解け水のせいか水量が多い。何年か前の4月の山菜闇天の後にSさん、わりばしさんの3人で奥の平谷へ行ったのだが、この時も雪解け水で増水していて予想外に苦労したことを思い出した。雪解け時期に本流の沢へ行くもんじゃない。
- 千秋林道
すぐに取水堰堤に差し掛かる。実は今年木屋谷川の万歳橋より下流域を遡行しようと思っていて、入渓地点を探しているのだ。取水堰堤から入れるかと思ったがなかなか難しそう。取水堰堤の少し上流部に滝があるが、ここは登れるのだろうか。一度のぞいてみたい気がする。ここ以外の部分は普通に歩くことができそうだ。
- 県境稜線はガス
マナコ谷登山口を過ぎ、万歳橋から木屋谷川を眺める。やっぱり水量が多い。これより上の林道には行ったことがないので、念の為ここで水を汲んで行くことにする。実際には林道のかなり上まで水があった。林道を歩いていると小鳥のさえずりがよく聞こえる。春だねえ。わしたかさんなら鳴き声で種類を判別できるのだろうが、私には全くわからない。
木屋谷川を挟んで向こう側には私の好きな桧塚東尾根が見えている。ここは何度か歩いたことがある。アップダウンがそれほどきつくなく、桧塚のピークを見ながらゆるゆる登っていく尾根は気持ちがいい。つづ田原谷の右岸、左岸尾根の様子もよく見ることができる。確かに登り一辺倒で疲れそうだが、一度経験してみるのも悪くはなさそうだ。帰りに取り付きを確認していこう。
- 木屋谷川
天気予報は1日晴れの予報なのだが、県境稜線にはずっとガスがかかっている。林道終点まで来ると道子さんの遭難碑。「中川道子 享年25歳」。昭和48年とあるので、私よりわずか5歳年上だ。生きていれば70歳前後になる。お初にお目にかかるので丁寧に拝んで行く。ここまで来ると木屋谷川本流がすぐ下まで上がってきている。いい場所だ。
- 道子碑
ここからは約200mの標高差を直登。登山道はないが、テープはあるし、歩きやすい斜面だ。登っていくとブナ、ナラ、ヒメシャラの混交林になる。
- ハカノ谷の大ブナ
登りつめると広い杣道に出る。杣道を少し歩くと林道。この辺りまで来るといかにも台高という感じののっぺりした台地状になる。林道を外れ、ハカノ谷源頭部へ大ブナを探しにいく。稜線近くというわりばしさんの情報もあり、あっさりと見つかった。まるで私を待っていてくれたようだ。
- ブナ、ナラ、ヒメシャラ混交林
大枝が何本か折れて痛々しい。1年ほど前の写真を見るとまだ枝は折れていないので、去年の台風で折れたものだろうか。いかにも年を経た老木の佇まいだ。
ハカノ谷は2015年に遡行したことがある。滝はないが、大木が茂り、雰囲気のいい谷だ。この辺り一帯は千秋社の私有地だろうが、よくこのような森を残してくれたものだと思う。ついでにすぐ隣のアンペラ谷の源頭部も覗いてこよう。2015年にアンペラ谷と間違えて菅谷の本谷を降りてしまったことがある。今年はちゃんとアンペラ谷を下って、ハカノ谷を遡行しようと思っている。ハカノ谷の出会いでテント泊をしてみたい。
- 赤ゾレ池
稜線に戻り、馬駆ヶ辻に向かう。この辺りもいかにも台高といういい雰囲気だ。道子さんが台高主稜線を縦走していたのだとしたら、馬駆ヶ辻あたりで木梶山方面に迷い込んだのだろう。雪がある時はいかにも迷い込みやすいところだ。今だったらGPSですぐに修正できるのだろうが。
赤ゾレ池で昼食休憩。今日のメニューは焼肉と焼き野菜とビール。ビールを持っててくるのは私としては珍しいのだが、先週使えなかった食材をそのまま持ってきた。1週間前の肉だが、ずっと冷凍しておいたので大丈夫だろう。・・・と思ったら、フライパンを持ってくるのを忘れた。しょうがないので、コッヘルで野菜と一緒に煮込むことにする。肉と野菜のごった煮になったが、まあ味は悪くない。最後はいつもの甘酒で仕上げ。
- 馬駆が辻へ
県境稜線上は相変わらずガスったままだ。それでも徐々にガスは晴れつつある。風は奈良県側から吹いている。おそらく奈良県から吹いてきた上昇気流が稜線上でガスとなっているのだろう。だんだん体が冷えてきたので、そろそろ退散することにしよう。
元来た道をそのまま戻る。道子碑に挨拶をして、あとは林道歩きだ。林道に入ると風はなくなり、青空になった。万歳橋へは林道からショートカット。道はないが、植林なのでどこでも歩くことができる。
久しぶりの早春の台高そぞろ歩き。楽しかった。挑戦的な山歩きや沢登りではないが、のんびりした山歩きをする年齢になってきているし。これからはこういう山歩きが増えてくるだろう。
先週、自宅近くの山に行こうとしていたら娘の陣痛が始まったということで、外出禁止令が出た。翌日無事に出産。いろいろバタバタしていて山行が1週ぬけた。まあ、おめでたい話なので悪いことではない。
仕事でも(無給なのだが)いろいろな用事が重なって、退職して1年も経つにも関わらず身辺多忙である。とても雪山を求めて長距離を出かけられる状況ではない。しばらくご無沙汰している台高に出かけることにした。例年であれば雪山が終われば即沢初めなのだが、今年は沢の回数を減らそうと思っている。決して沢が嫌いになったわけではなくて、沢も含めて複合的に山を楽しもうと思っている。時間が許す限り、今年はテント泊をしたい。
台高といっても行きたいところはたくさんあるのだが、道子碑もハカノ谷の大ブナも御神木も行ったことがないので、まずはそこらへんから始めてみよう。先日のあめちゃんの後追いになるし、行程の半分以上は林道歩きだが、早春の山をのんびり歩くのも悪くない。
【 日 付 】2019年3月12日(火)
【 山 域 】台高北部
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ、上はガス
【 ルート 】菅谷出会い駐車地 8:03 --- 8:35マナコ谷登山口 --- 8:43 万歳橋 --- 9:54 道子碑 --- 10:39 ハカノ谷大ブナ --- 11:38 赤ゾレ池(昼食)12:43 --- 13:41 道子碑 --- 14:30 万歳橋 --- 15:02 駐車地
青田の雨子庵を通りかかるが、車がない。庵主は不在のようだ。いれば挨拶していくところなのだが。そのまま通り過ぎる。菅谷出会い駐車場に車を置き歩き始める。眼下の木屋谷川は雪解け水のせいか水量が多い。何年か前の4月の山菜闇天の後にSさん、わりばしさんの3人で奥の平谷へ行ったのだが、この時も雪解け水で増水していて予想外に苦労したことを思い出した。雪解け時期に本流の沢へ行くもんじゃない。
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すぐに取水堰堤に差し掛かる。実は今年木屋谷川の万歳橋より下流域を遡行しようと思っていて、入渓地点を探しているのだ。取水堰堤から入れるかと思ったがなかなか難しそう。取水堰堤の少し上流部に滝があるが、ここは登れるのだろうか。一度のぞいてみたい気がする。ここ以外の部分は普通に歩くことができそうだ。
[attachment=6]P3120139.jpg[/attachment]
マナコ谷登山口を過ぎ、万歳橋から木屋谷川を眺める。やっぱり水量が多い。これより上の林道には行ったことがないので、念の為ここで水を汲んで行くことにする。実際には林道のかなり上まで水があった。林道を歩いていると小鳥のさえずりがよく聞こえる。春だねえ。わしたかさんなら鳴き声で種類を判別できるのだろうが、私には全くわからない。
木屋谷川を挟んで向こう側には私の好きな桧塚東尾根が見えている。ここは何度か歩いたことがある。アップダウンがそれほどきつくなく、桧塚のピークを見ながらゆるゆる登っていく尾根は気持ちがいい。つづ田原谷の右岸、左岸尾根の様子もよく見ることができる。確かに登り一辺倒で疲れそうだが、一度経験してみるのも悪くはなさそうだ。帰りに取り付きを確認していこう。
[attachment=5]P3120145.jpg[/attachment]
天気予報は1日晴れの予報なのだが、県境稜線にはずっとガスがかかっている。林道終点まで来ると道子さんの遭難碑。「中川道子 享年25歳」。昭和48年とあるので、私よりわずか5歳年上だ。生きていれば70歳前後になる。お初にお目にかかるので丁寧に拝んで行く。ここまで来ると木屋谷川本流がすぐ下まで上がってきている。いい場所だ。
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ここからは約200mの標高差を直登。登山道はないが、テープはあるし、歩きやすい斜面だ。登っていくとブナ、ナラ、ヒメシャラの混交林になる。
[attachment=3]P3120149.jpg[/attachment]
登りつめると広い杣道に出る。杣道を少し歩くと林道。この辺りまで来るといかにも台高という感じののっぺりした台地状になる。林道を外れ、ハカノ谷源頭部へ大ブナを探しにいく。稜線近くというわりばしさんの情報もあり、あっさりと見つかった。まるで私を待っていてくれたようだ。[attachment=2]P3120154.jpg[/attachment]
大枝が何本か折れて痛々しい。1年ほど前の写真を見るとまだ枝は折れていないので、去年の台風で折れたものだろうか。いかにも年を経た老木の佇まいだ。
ハカノ谷は2015年に遡行したことがある。滝はないが、大木が茂り、雰囲気のいい谷だ。この辺り一帯は千秋社の私有地だろうが、よくこのような森を残してくれたものだと思う。ついでにすぐ隣のアンペラ谷の源頭部も覗いてこよう。2015年にアンペラ谷と間違えて菅谷の本谷を降りてしまったことがある。今年はちゃんとアンペラ谷を下って、ハカノ谷を遡行しようと思っている。ハカノ谷の出会いでテント泊をしてみたい。
[attachment=1]P3120160.jpg[/attachment]
稜線に戻り、馬駆ヶ辻に向かう。この辺りもいかにも台高といういい雰囲気だ。道子さんが台高主稜線を縦走していたのだとしたら、馬駆ヶ辻あたりで木梶山方面に迷い込んだのだろう。雪がある時はいかにも迷い込みやすいところだ。今だったらGPSですぐに修正できるのだろうが。
赤ゾレ池で昼食休憩。今日のメニューは焼肉と焼き野菜とビール。ビールを持っててくるのは私としては珍しいのだが、先週使えなかった食材をそのまま持ってきた。1週間前の肉だが、ずっと冷凍しておいたので大丈夫だろう。・・・と思ったら、フライパンを持ってくるのを忘れた。しょうがないので、コッヘルで野菜と一緒に煮込むことにする。肉と野菜のごった煮になったが、まあ味は悪くない。最後はいつもの甘酒で仕上げ。
[attachment=0]P3120166.jpg[/attachment]
県境稜線上は相変わらずガスったままだ。それでも徐々にガスは晴れつつある。風は奈良県側から吹いている。おそらく奈良県から吹いてきた上昇気流が稜線上でガスとなっているのだろう。だんだん体が冷えてきたので、そろそろ退散することにしよう。
元来た道をそのまま戻る。道子碑に挨拶をして、あとは林道歩きだ。林道に入ると風はなくなり、青空になった。万歳橋へは林道からショートカット。道はないが、植林なのでどこでも歩くことができる。
久しぶりの早春の台高そぞろ歩き。楽しかった。挑戦的な山歩きや沢登りではないが、のんびりした山歩きをする年齢になってきているし。これからはこういう山歩きが増えてくるだろう。