【日 付】2018年12月08日(土)
【山 域】鈴鹿
【天 候】曇り
【メンバ】kasaya
【コース】甲津畑登山口7:55---8:31タイジョウ登山口—9:55タイジョウ---10:44佐目子谷---11:47熊の戸平---
12:52イブネ---13:15杉峠---13:45雨乞岳---15:15大峠---16:01千種街道出合---16:38甲津畑登山口
今週末は結構冷えそうだ。奥美濃も考えたがどうも天気が今一つ。それでは鈴鹿が良かろうと思った時に以前紹介
のあったタイジョウの池と佐目子谷が気になった。まだ見ていないタイジョウの池を訪れ、その後佐目子谷から直
接熊の戸平にあがったら、面白いコースになりそう。陽の短い時期だがこのぐらいならば大丈夫だろう。
甲津畑の駐車地には車が3台ある。皆さんもう出かけたようだ。自分も手早く準備して出発する。このコースは
長い林道歩きから始まる。ただ車の入らないこの道は林道歩きの感じがあまりせずちょうど良いウォーミングアッ
プだ。桜地蔵でお参りをして避難小屋の手前の橋を渡るとすぐにタイジョウを示す立派な道標のある場所に着く。
普通これだけの道標があれば道は明瞭と思うのだが以前同じように歩いて途中で道を外している。多分その時と状
況は変わっていないだろう。ただ今日はタイジョウの南尾根に取り付くので道の明瞭さはあまり関係がない。
自分の取り付きたい尾根の付近に来るが、赤テープはそのまま谷を進んで行くようだ。そこで道から外れ登りや
すそうな尾根に取り付く。藪も無いので普通に登っていける。そこを黙々と行けばタイジョウが見える位置までや
ってきた。見上げれば頂上が真っ白になっている。霧氷だ!寒いと思っていたが上はきれいな霧氷ができている。
今日のこの寒さではおそらくすぐに溶けることはあるまい。これで頂上にいく楽しみが増えた。ただその分、風が
冷たい。今シーズン初めて冬用の帽子にしたが耳当てがあって助かる。手袋も薄手のものでは役に立たないので厚
手のものに取り替える。
- タイジョウの霧氷
尾根はいつの間にか東向きから北向きに変わってくる。そうすると気になるのが池の存在。タイジョウの南にあ
るらしいが正確な位置は知らない。見落としたら嫌だなあときょろきょろしながら行く。しかしそれは全くの杞憂。
稜線上の鞍部にそれはあった。二重稜線に近い形になっているので池もできたのだろうか。池の周りはドロドロで
うっかり近づくと嵌まりそう。そして動物の足跡がいくつも残っていた。この位置で水が得られるのは有り難いだ
ろう。
- タイジョウの池
その後すぐにタイジョウに到着する。周りはすっかり霧氷で真っ白だ。ここで初めて休憩をする。北の方を見
れば御池岳は雲の中。でもかなり白い感じ。近くの雨乞いも真っ白だ。今日は霧氷三昧になるかも。
さてこの後は佐目子谷だ。まだ訪れたことの無い場所。タイジョウから北東に延びる尾根を選択し下っていく。道
はいつもの鈴鹿の道で普通に歩いて行ける。時々シャクナゲの藪に出会うがそんな時はちょっと脇にずれればすぐ
に抜けられる。たまには人も歩くのだろうか。踏み跡のようなものも時々見つける。そして思ったより大きな水音のする佐目子谷に到着。想像よりもちょっと水量が多いが、その脇には歩くに支障のない広がりがある。
- 佐目子谷
谷は最初南に進むが大きく東に回るあたりで広々とした平地に出た。水の流れているところからは10m以上高くなっているあたりに展開する台地。普段来る人はほとんどいないだろうがどこでも歩けるいい場所である。これなら熊の戸平までそのまま詰めあがれるかな。
谷道が東から北に向かうあたりから脇道がなくなり谷芯を行くようになる。ただもう水の流れはわずかであり
足場の豊富な石の上を快適に進んで行ける。途中で大きな氷柱のある場所にでる。寒いんだろうなあ。そして更に上がると以前熊の戸平から降りてきた場所まで来た。途中で滝のような場所があったら困るなあと思っていたが、もうこれで大丈夫。この先も歩きやすい場所だ。そしてほどなく熊の戸平に到着。
- 熊の戸平
熊の戸平は頂上近くにありながらいつも水が流れている不思議な場所。水は花崗岩の岩床の上を流れるように滑っていく。露出していない部分も皆花崗岩でできているんだろうか。ただ今日はその不思議さよりここから見あげる樹木の白さに目が奪われる。まさに霧氷の花だ。今日のランチはこのイブネ劇場と決めていたが、そこに白い花が咲いている。その全体を眺めるために銚子に向かうがそこまで上がると風が冷たい。風の来ないぎりぎりの線で腰を下ろして霧氷を眺めながらのランチとする。目の前に広がる霧氷の花。FBに載せようかと思いスマホを取り出すと寒さのせいか作動せず。あらら。復活するまで胸に抱いて温めながらランチ開始。冷たいビールであるがこの景色と今までの登りで喉が渇いているのでなかなかうまい。食後にはまた写真もパチリ。スマホも復活してきて何枚かの写真を撮りFBに投稿する。
- イブネと雨乞い
ひとしきり霧氷を堪能して出発だ。でも寒いなあ。休憩時に着たフリースを脱ぐのがためらわれるので着たまま歩く。真冬でもフリースを着ないのが普通だがまだ体が寒さに慣れていない。ゆっくりとイブネに向かって歩けば頂上近くで若い人が3名、寒さに震えながらも楽しそうに食事に最中だった。寒いですねと問いかけると寒いとの返事。でもみんな明るい。この景色を楽しみに来たのだろう。
今日の目標は達成したのでこの後は杉峠から降りようかなあと思っていたが、時間はまだ早い。どうしようかなあ。雨乞いまで行ってみようかなあとの思いが芽生える。杉峠の頭を過ぎ間近に雨乞い岳が臨めるようになると、その白さに目を惹かれる。この時期にこの条件で雨乞いに立てることはそうないかもしれない。そう思い直して
雨乞いに登ることにする。標高差200m余あるが急登で仕事が早く30分で到着した。やったね。
- 雨乞い岳
雨乞いには幸い誰もおらず静かなもんだ。ただ風は強いもののどうも霧氷の付きがいまいち。少し時間が遅かったのか。仕方がないね。ここからは今日は大峠経由で降りようと歩を進める。雨乞いの深い笹薮を抜けてひざ下の草地に出ると途端に気持ち良い尾根になる。振り返れば雨乞いも白く輝いている。ただ面白いことに鎌ヶ岳は真っ黒。近いところと思うが何故鎌ヶ岳に霧氷が着かなかったのか。
西方に延びる稜線からは奥の畑が見える。いつもなら奥の畑経由だが今日は珍しく大峠から降りよう。そう思って稜線を進んで行くが、この道は思いのほか楽でない。エアリアに道のあるルートなので楽勝と思っていたが
登り下りもあるし尾根の痩せた部分もある。何よりも大峠に着いたらそこから降りるべき道がなかった。地図を
よく見ると大峠よりさらに西に登ったところにある。てっきり大峠から降りるものと思っていただけに急に疲労が来る。さらにあるだろうと思っていた場所に道を見つけられなかった。しょうがないなあと思いつつ道の無い斜面を下ることとする。そして途中で赤テープのある道に合流。あれ?どこから来たのだろうと不思議に思うがもう確かめようもない。しかしこれであとは楽勝と思いきや意外とその後の道も不明瞭。こんなにはっきりしない道ならば勝手知ったる奥の畑の方が登り返しもなく楽だよなあと思いつつ歩くことに。そしてやっとの思いで千種街道に合流する。ヤレヤレだ。それにしても時刻は4時だ。思っていたより遅い。このままゆっくり歩くと駐車地に着く頃には陽が沈んでしまいそう。暗闇の中を歩くのは自分的には避けたい気があり、相当の速足で歩くことにする。結構遠いなあと思いつつ行き、桜地蔵に今日の山行が無事終わったことを感謝しさらに急ぐ。結局日没には何とか間に合う時間に駐車地に着いた。
当初予定通りタイジョウの池経由で佐目子谷から熊の戸平へ登り、霧氷の花を満喫した今回の山行は歩き甲斐もあり、短い冬の日の中で十分満足のいくものだった。
Kasaya