【日付】2018年7月15日(日)~16日(月・祝)
【山域】丹後半島一帯
【天候】晴れ、猛暑
【同行者】単独
【ルート】徳良山224m~(泊)~依遅ヶ尾山540.2m~太鼓山683.2m~高山702m~上世屋~日置
小学校の同窓会をやるので来られるか? という連絡がきた。おやまあ、懐かしい。いつの間にか還暦を過ぎて10年。今年は(あまり望まないけれど)「古希」のお祝いの歳なんだ。そうだ、幼なじみとの邂逅を楽しんだあと、故郷の山巡りでもしてこようか…。
「海の日」がくっついた3連休。「丹後へ行く」といえば、「海水浴か釣りですね♪」と誰でも思うだろう。このクソ暑いさなかに、1000mにも満たない低山へ、わざわざ汗かきに行かんでも…(?_?)
確かにその通りなんだけど、もう地図を広げてオリエンテーリングのルート調べを始めている。
15日(日) 徳良山
同窓会が終わった16時前。酔いざましと明日のウォーミングアップを兼ねて裏山の「徳良(とくら)山」(224m)へ足を向ける。三津集落からも登り道があるはずだが、地元の級友に聞くと隣村(砂方)から登山路が整備されているらしい。子どもの頃に登った道にも未練が残るが、ここは安全第一でと忠告に従おう。
村はずれのリサイクルセンターと墓地の近くに登山口の標示板がある。足元のササがきれいに刈ってある。大きな金属製の檻を過ぎ、どんどん進むと柿の木畑。あれ? 刈り込みはここまでだ。どこで間違えたのか思いつかない。仕方なく注意しながら引き返すと、鉄檻のところで分岐らしい草の窪みを発見。こちらが登山路やがな!
ススキの若葉で覆われた道型はやがてハッキリした山道になり、急な斜面を登りきると間人・砂方方面の海岸線が一望できる展望地へ出る。あとは巡視路のによくあるプラ階段を登ると山頂へ。
- 間人方面の海岸線
山頂には、三津、間人、徳光の3村が共同で祀る祠がある。創立は「不詳」とあるが、1938年(昭和13)に新築、2008年改築なので、建物はまだ新しい。祭神は「白山比女命」。ここも白山信仰の地なんだ。神社名「徳楽神社」が正しいようだ。
山頂からは南西方面の海岸線も望める。祠前の番いの狛犬をゲット。球を銜えた右手の狛犬は赤ん坊を抱いている。
登ってきた道を引き返す。展望地のところから左へ下る分岐がある。行きたい気もするが、どこへ連れて行かれるやら…? おとなしく往路を辿り、登山口へ。登り45分、下り25分。
そのまま、海水浴帰りのファミリーで賑わう宇川の吉野の里温泉へ。ゆっくり汗を流し、一休みしてから今夜の宿泊地探しへ。
16日(月・祝) 依遅ヶ尾山540.2m
前夜は宿泊地を探した結果、買い物、トイレと、なにかと便利なコンビニ車中泊に落ち着く。夜明け前に起きて食料買い出し、洗面・トイレを済ませて登山口へ向かう。
依遅ヶ尾山へは何年振りだろう。記憶通り矢畑集落跡からの舗装道路を登ると登山口の広場に出る。「矢畑 依遅ヶ尾の郷」の看板が出迎え。R大学Mゼミの記名がある。平成21年だからそんなに年月は食っていない。それでも前に来た時はなかった。
- 登山口の表札?
5:55 アジサイの花に見送られて廃林道の登山道へ。ここも伸びた草が覆いかぶさる。左へカーブしたところに竪穴式住居のようなモニュメントが出現。入り口の板に「ありが棟」と書いてある。
その先から登山道になりやや急な斜面を登りきると「ここでいっぷく」のプレートが木にぶら下がっていて、左を向くと海岸線の眺望が開けている。
さらに10分ほどで「あと500m」表示。気持ちのいい林間を過ぎると山頂の祠に出る。
山頂 6:50~7:10
山頂には石仏が安置された岩窟と朱塗りの祠が立つが、蔓延る草に埋もれている。案内板もないので由来や御神体については知るすべもない。
辺りは平らな台地状。トラノオが白い花穂を垂らしている。春霞ならぬ夏霞で遠望はきかない。眼下の半島海岸線の立岩や犬ヶ岬が霞んでいる。
ここも往路を引き返し、駐車地に戻るしかない。
登山口 7:35
朝から汗でぐっしょり。「ありが棟」の横にでも、「おつかれsummer」も建てておいてほしいなあ(^_-)
太鼓山683.2m
次のターゲットは風力発電で知られる太鼓山。いまや京都府内唯一のスキー場?となったスイス村のエリア内にあり、リフトの山頂降り場の横に三角点がある。
問題はアクセス。依遅ヶ尾山登山口から最短ルートをと、府道を左へ進み鞍内集落へ。T字路を右へ進んで山越えすれば太鼓山へはいちばん近い。ところが集落を過ぎるといきなり道幅が狭くなり、すれ違い不可どころか行き止まりではないかと心配になる。路肩に注意しながら進み、小脇発電所の近くの分岐へ。ここを左へ進めばいいはずだ。
が、しかし、なんと「この先 完全通行止め」の看板!
ありゃー!
仕方なく引き返す。鞍内の村で出会った女性に道路事情を聴く。やはり国道へ出て高嶋から丹後半島縦貫林道に入るしかなさそうだ。
縦貫林道は2車線の立派な舗装道路。快調に碇高原牧場をめざす。右手には早朝登った依遅ヶ尾山がクッキリ。
碇牧場は観光客の姿も無く休業中の様子。連休なんだから当たり前か?
素通りしてスイス村方面へ。太鼓山の風力発電機が異様な姿を曝している。
9:10 スイス村スキー場のレストハウスの横に車を止め、太鼓山三角点へ行ってみる。人っ子ひとりいない。昨夕の宇川温泉は海水浴客で溢れていたのに…。やはり今日は「海の日」なんだ。
ゲレンデの2本のリフトの右側リフト終点に三角点があるはずだが、とりあえず左側リフトの下を登り、右へ迂回して山頂へ向かう。ススキが腰まで伸びるなか、なぜか足元の三角点柱は地面スレスレまで埋めてある。
- 埋もれた三角点柱
登山者のいない山もさみしいものだが、夏のスキー場はいっそう味気ない。
高山702m
9:40
丹後半島の屋根に南北に延びる縦貫林道を南下し上世屋へ。角突山629.1m、汐霧山647mへの登山口を探してみるが、見当たらない。
世屋高原家族村の交差点を直進。木子との分岐も直進。
めざしているのは丹後半島最高点の「高山」702m。宮津市と京丹後市(旧大宮町五十河)の市境。近くに府内No1と言われる「内山のブナ」がある。
「道路崩壊 通り抜けできません」の注意書きがあるが、入れるところまで入ってみよう。左側にあるはずの登山口を探しながら進む。結果、行き止まり!道が崩壊して無くなっている。どうやら、右への分岐を見落としたみたいだ。なぜか納得して引き返す。
10:40
分岐には「ブナ林自然観察道 約1.3km」のプレートがあった。狭いダートの林道は荒れて草に覆われ、デコボコ、落石、倒木のひどい道だ。4駆モードに切り替えスローで進む。10分余り走ると左手に数台の駐車スペースがあり、案内板とバイオトイレがある。
- 登山口のバイオトイレ
11:20
「自然観察道」と銘打つだけに整備された遊歩道。とはいえ、予報
通りの灼熱天気だ。時間はあるし、無理せずゆっくり参りましょう。
いきなり・599への急登。木の階段を登りきると緩やかに下る。ブナ林が売り物だが、それほど密生しているわけではない。ミズナラ、コナラ、リョウブなどの間にポツポツとブナが混じる程度。
駐車地から1時間足らずで山頂。眺望はイマイチ。ベンチに座ってランチにする。
「内山の大ブナ」
12:40
30分ほど休んで、「内山のブナ」を見に行く。散策路に従って進むとすぐ市境稜線へ出る。左へ進むと案内板。右手に下った斜面に「内山の大ブナ」があった。京丹後市教育委員会名の案内板には幹周3.65m、樹高23m、樹齢350年と記載。
- 内山の大ブナ
芦生かどこかで、もっと大きなブナを見た気もするが、根元近くから幹が分かれているのは雪との格闘のせいだろうか。周りに同じような巨木が見当たらないだけに、谷筋の斜面でただ一人、ひっそりと今を迎えるブナにエールを送りたくなる。
とてもハグできる太さではないので、あいさつ代わりに幹にタッチだけして引き返す。
稜線をさらに0.7km進めば「浅谷ブナ林」があるらしい。せっかくだから見てこようか…、と歩きだしたが、刈り込みはここまで。いきなり両側からササが覆いかぶさる。や~めた!即、中断。
駐車地に13:40
林道をそのまま進めば味土野方面へ出られるはずだ。相変わらずの悪路を進むが状況はいっそうひどくなる。草ヤブの中に車を無理やり突っ込む。
ついに土砂崩れで道が塞がれている。さすがにこれは通れない。
またもUターンを強いられる。来た悪路を慎重に引き返し、上世屋から日置へ下る。
府内最高峰の「高山」や府内最大の「内山の大ブナ」をPRするなら、もう少しアクセスの整備を考えたら?と思ってしまった。大宮町五十河方面からなら比較的入りやすいのかもしれないが、あの林道は普通乗用車ではほとんど無理だろう。
徳良山はプロローグとして、翌日の「海の日」は「山の日」になり、念願の丹後半島の名峰?めぐりができた。
味土野の金剛童子山、西部の磯砂山、高竜寺ヶ岳、最北の権現山などは今回は行けなかった。機会があればいつかチャレンジしてみたい。
~biwaco