【日時】2011年8月6日(土)
【山域】白山
【天候】曇り一時雨
【メンバー】とっちゃん、ふ~さん、たんぽぽ
【コース】
大白川 6:10 --- ゾロ谷出合8:10 --- 雪渓末端(1,700m) 9:30---雪渓最上部(2,050m)11:00
---14:20登山道崩落地点(2,310m)--- 14:40 ゾロ谷源頭上部(2,400m) 15:40 ---大白川18:20
ゾロゾロと続けば次もゾロしかないだろう、といことで3週間ぶりのゾロ谷に入った。
そろそろ雪渓はズタズタになってかなり面白くなっているはずだ。
ならばそんな面白いところへ一人で入るにはもったいない、今回はとっちゃんにふ~さんも加わってもらった。
焼滑や南白山へそれぞれ二人で歩いた林道を今日は仲良く三人で歩けるのがいい。
草刈りされたばかりの道は歩きやすく、気持ちよくすっと地獄谷の河原へ出る。
賽の河原まで来るといつもの心地よい芳香が漂っている。
ふ~さんはこの硫黄臭と噴気にかなり興奮気味のご様子だ。
先が長いのでここはあっさりと通り過ぎてゾロ谷出合いを目指すとしよう。
- 崩落ブロックの中を行く
ゾロ谷の入り口には小滝が待ち構えている。
突貫娘の異名を持つとっちゃんに正面突破の手本をお願いするが、遠慮気味の様子なのでいつもどおりの巻きでスルーした。
続く小滝は水量が少ないので正面から攻めても濡れずに済んだ。
寒々とした雪渓の崩落ブロックの中を進んでいくことになるので、なるべく体は濡らしたくないのだ。
3週間前の雪渓末端地点を通過するとすぐに雪のブロックが転がるようになり、周囲は温度差でガスに包まれるようになった。
ほどなくして最初の雪渓に到達、いつもはすんなりと登ってしまう雪渓だが今日は勝手が違った。
谷と雪渓の隙間に入り込み、チムニーを抜けるようにして上がっていく、雪渓の上に立つと三人ともみごとに泥まみれだ。
- この辺りが一番美しい
やっとのことで登った雪渓もまたすぐに降りなければならない。
胎内くぐりを得意とするふ~さんが手本を見せて雪渓の下に潜ると二人が後に続いた。
河原に下りるとここからはゾロ谷一番の見せ場となるきれいな滝が続く。
三条の滝は水量不足で二条の滝になっているのが残念、ふ~さんが直登しようとしたが岩が脆いので右岸から巻くことになる。
雪渓末端が近づくと崩落ブロックが激しくなり、涼しさを通り越して寒さで身震いするようになる。
このブロック帯を抜けると雪渓末端の上に出ることができ、暖かさが戻ってホッとする。
これよりしばらくはのんびりと雪渓歩きといきたいところだが生憎の雨が降り出してしまった。
- さあ草付に取付いて尾根に上がろう
標高2,000mゾロ谷のオアシスまで来ると雨は止んできた。
自称晴れオンナというとっちゃんのおかげだろうか、カッパを脱いでいると青空も垣間見れるようになった。
ここから先はA、B、Cの3コースを用意していたが、天候が気になるので一番安全なAコースを進むことにした。
Aコースとは昨年自分がヘマをして血まみれになったルートだが、今日は安全第一で登っていきたい。
草付の急斜面は相変わらずいやらしい、ワシ掴みした草が抜けるとズルッズルッ、後続のふ~さんとの距離が縮まってしまう。
するとふ~さんが呟く「一歩進んで二歩戻る、人生と一緒だね」
さすがはふ~さん、後戻りをしたことのない人間なんて信用できないのだ。
尾根筋まで出るとナナカマドやダケカンバに助けられホットする。
しかし、ホットするのも束の間で、この潅木たちとの激闘が待ち受けているのだ。
- マツムシソウと白水湖と美女?
昨年の自分のヘマを教訓にし、今回は尾根の下部へ出たため潅木と格闘する距離も長くなった。
オオカメノキ、ナナカマド、ダケカンバ、ハイマツと入れ替わり立ち代りでアタックしてくる。
足が前に出たと思えばザックがイヤイヤと後ろ髪を引く、ピッケルはやっぱり小次郎挿しがいい。
手強いハイマツが出てくるとふ~さんがトップに躍り出た。
彼は一筋縄ではいかないモンスターを前にするとムラムラと込み上げるものがあるのだろう。
格闘がひと息つくとそこにはお待ちかねの花園が広がる。
クガイソウ、オタカラコウ、イブキトラノオ、マツムシソウ、ハクサンフウロ・・・
ガスの切れ間からは遥か白水湖がコバルトブルーに光っている。
三人で喜び合って撮影会となる、たんぽぽ平はもう眼下の眺めだ。
登山道を行き交う人の姿を見上げながら再び登高が続く。
潅木バトルを避けてガレ地に逃げ込むと今度は尾根に戻れなくなる。
そんな危なっかしい歩きをしてる我々を登山道のギャラリーさんたちが見下ろしている。
「あれはなんだ、サルか?いや声がするぞ、遭難者か?ここから堕ちたのかなあ」
そんな会話があったかどうかは知らないが、ひとつ間違えば通報モノになるかもしれない。
このルートは登山道から見え過ぎるのがちょっと問題だ。
お花畑を登っていれば楽しいが、ハイマツバトルにはもう辟易してくる。
嫌気がさしてきて左手に逃げるとイブキトラノオの群生地、ここまで来れば平瀬道はすぐ目の前だ、お二人さんお疲れさん!
- お疲れさん! バックは登った尾根とたんぽぽ平
平瀬道をもう少し登って標高2,400m、ゾロ谷源頭部のお花畑を本日の行動終了点とした。
盛りを過ぎたお花畑ではあるがコバイケイソウ、アオノツガザクラ、クロユリ、コイワカガミ、ミヤマダイコンソウが咲いている。
遅めのランチはとっちゃんがあたたかヌードル、ふ~さんとたんぽぽは焼き物にアワワで乾杯だ。
花に囲まれた楽しいランチタイムに雷神さまがそろそろ下りなさいと言わんばかりにゴロゴロと鳴り出した。
さあ靴を履き替えて夕立が来るまでに大白川まで戻るとしよう。