たろーさんから天瀬(アマセ)谷へ行きませんかとのお誘い。「天瀬谷?聞いたことありませんなあ。」調べてみたらさわナビで最近取り上げられた谷のようである。南紀の茗渓立間戸谷のひとつ上流側の谷で、あまり知られていないマイナー沢である。最近鈴ハイでの沢行参加者が少ないので、我々が駆り出されたようだが、いざ蓋を開けてみると女性4人が参加してきた。参加者が少ないと言っても計7名のパーティーである。なおちゃん、まるちゃんなど懐かしい顔馴染みのメンバーもおり、和気藹々とした沢行になった。
【 日 付 】2017年11月19日(月)
【 山 域 】南紀・熊野川支流 天瀬谷川天瀬谷
【メンバー】たろー、なお、まる、たばっち、北浜(以上、鈴ハイ)、michi、シュークリーム
【 天 候 】曇り時々晴れ、寒い
【 ルート 】 入渓口 8:36 --- 9:24 第二支流(左俣)出会い(第二支流へ)--- 9:37 15m滝 --- 11:10 20m滝 --- 昼食 12:40 --- 13:09 天瀬谷本谷 --- 13:40 最初の15m滝 --- 14:59 2番目の15m滝 --- 15:58 第二支流出会い --- 16:22 入渓口
朝7時過ぎに集合場所の熊野川道の駅に到着。前夜泊の鈴ハイメンバーはもちろん、michiさんも既に到着していた。michiさんも前の晩に別の場所で前泊していたらしい。michiさんとは土曜日に熊野の赤倉谷へ行く予定をしていたのだが、悪天候のため中止になった。なおちゃん、まるちゃんとは久しぶり。濃くはないが長い付き合いをしている。体験の北浜さんとはお初。
準備ができたらそれぞれの車で入渓口に向かう。熊野川を渡り、3キロほどのダートをこなすと入渓口だ。林道ヘアピンのところからガードレールを越えて入渓。しばらくはゴーロ帯だが、すぐに右岸から第一支流にかかる斜滝が落ちている。連瀑になっており、登ると気持ちよさそう。時間があれば登ってみたいものだ。この奥にはほしやわた滝という70mクラスの滝があるらしい。今回はそのまま素通りしたが、次回機会があれば是非見学に行きたいものだ。
- 最初の斜滝
右岸には100mはありそうな垂直の岩グラがせまり、いかにも南紀の谷らしい風情。なめ滝や大岩の滝などを乗り越えていくと第二支流出会い。今日は左俣の第二支流を遡行し、本谷を下降する予定なので、左折すると程なく15mスラブ滝だ。これもいかにも南紀の滝という風情。
- 15m滝
滝見物ののち左岸の岩嵓をたどり、壁が切れたところから棚に登って、岩嵓上の小尾根を降りると落ち口にピタリと降りることができた。その上のなめ斜滝などを越えながら進むと次は20mスラブ滝。スラブといってもこの滝は表面が少しザラザラしている。この滝は右岸から簡単に巻くことができた。
- フリクションがいいので登ることができる
- 20m滝
20m滝を越えてしばらく行った開けた場所で昼食休憩。まるちゃんが自慢の腕をふるってかぼちゃスープをふるまってくれる。まるちゃん美味しかったです。今度また一緒に行くことがあったらよろしくね。彼女は中国人で、日本にきてからもう15年経つが、相変わらず中国訛りが消えない。料理自慢で、山料理を研究している。背中に「百山百味」と書いた自分でデザインしたTシャツを着ている。女一人で日本へ来て、ちゃんとやっているのはすごい。気配りができ、顔つきがしっかりしているので、今後どうやって生きていくのか楽しみだ。
- 「百山百味」と書いたTシャツを着たまるちゃん
昼食後はこの谷自慢のなめが山頂近くまで続く。傾斜の強いなめだが、フリクションがいいのでフリクションを使って登ることができる。標高700mあたりで、右の尾根を乗り越して本谷の方に降りていく。本谷に降りたところに立派な炭焼き小屋跡があった。この辺りは備長炭の産地で、炭焼き小屋跡も立派なものが多い。しっかりとした石垣がそのまま残っている。昔はきっといい値で炭が売れたのだろう。
- 延々と続くなめ
本谷も第二支流と同じような傾斜の強いなめが続いている。なめの下りは怖い。こわごわ下っていくと最初の15m滝。傾斜がきつく、たろーさんは懸垂で降りるつもりのようだが、右岸を覗いてみると階段状になっており、懸垂しなくても下りられそうだ。下までおりてゴーサインを出したのだが、ついてきたのはなおちゃんだけ。なおちゃんが怖いと言っている。あれっ、これまで私が知っているなおちゃんはどんなところでも平気で突っ込んでいく突貫娘だったんだけど、なんか変わったなあ。
「なおちゃん怖がりになったねえ」と私。
「うん、ちょっと大人になったのよ」となおちゃん。
リーダーのたろーさんは懸垂下降を選んだようだ。まあ、どうやって降りるかはリーダーの決断事項なので、どっちでも構わないけど。下の2段の2m滝も巻き降りると左岸から綺麗な8m滝が落ちている。日当たりがいいので、みんなが下りてくるまで日向ぼっこ。暇なので、8m滝の上を見に行ったら美しいなめが続いていた。
15m滝を降りるとすぐその下にももう一つの15m滝。ここはクライムダウンできそうにないので、30mロープを2本繋いで懸垂で降りることにする。考えてみると懸垂するのは久しぶりだ。下りていくと着地点の岩の上に血が点々と落ちている。誰かが怪我をしたようだ。みるとまるちゃんが指を切ったようだ。まあ、切り傷だけのようなので、すぐに治るだろう。結構出血したので、本人は少しショックをうけたようだ。
- 懸垂下降した15m滝
手当てを終えて出発。しばらくはゴーロが続く。第二支流との合流地点が近くなると導水管が出てき、その導水管に沿って設置されたトラロープを持って斜滝を降りる。そのあとは導水管の巡視路をたどって林道まで降りることができた。
- 導水管を伝って降りる
天瀬谷はあまり知られていないマイナー沢だが、なめあり、滝ありでいかにも南紀の沢といった風情のあるいい谷だった。特にフリクションがいいので、スラブ滝も直登することができ、楽しかった。夏だったらシャワーでもう少し冒険ができるだろう。次回行くことがあったら、今回とは逆回りで行ってみると面白いだろう。
たろーさん、鈴ハイの皆さん、ありがとうございました。また機会があったら誘ってくださいね。
たろーさんから天瀬(アマセ)谷へ行きませんかとのお誘い。「天瀬谷?聞いたことありませんなあ。」調べてみたらさわナビで最近取り上げられた谷のようである。南紀の茗渓立間戸谷のひとつ上流側の谷で、あまり知られていないマイナー沢である。最近鈴ハイでの沢行参加者が少ないので、我々が駆り出されたようだが、いざ蓋を開けてみると女性4人が参加してきた。参加者が少ないと言っても計7名のパーティーである。なおちゃん、まるちゃんなど懐かしい顔馴染みのメンバーもおり、和気藹々とした沢行になった。
【 日 付 】2017年11月19日(月)
【 山 域 】南紀・熊野川支流 天瀬谷川天瀬谷
【メンバー】たろー、なお、まる、たばっち、北浜(以上、鈴ハイ)、michi、シュークリーム
【 天 候 】曇り時々晴れ、寒い
【 ルート 】 入渓口 8:36 --- 9:24 第二支流(左俣)出会い(第二支流へ)--- 9:37 15m滝 --- 11:10 20m滝 --- 昼食 12:40 --- 13:09 天瀬谷本谷 --- 13:40 最初の15m滝 --- 14:59 2番目の15m滝 --- 15:58 第二支流出会い --- 16:22 入渓口
朝7時過ぎに集合場所の熊野川道の駅に到着。前夜泊の鈴ハイメンバーはもちろん、michiさんも既に到着していた。michiさんも前の晩に別の場所で前泊していたらしい。michiさんとは土曜日に熊野の赤倉谷へ行く予定をしていたのだが、悪天候のため中止になった。なおちゃん、まるちゃんとは久しぶり。濃くはないが長い付き合いをしている。体験の北浜さんとはお初。
準備ができたらそれぞれの車で入渓口に向かう。熊野川を渡り、3キロほどのダートをこなすと入渓口だ。林道ヘアピンのところからガードレールを越えて入渓。しばらくはゴーロ帯だが、すぐに右岸から第一支流にかかる斜滝が落ちている。連瀑になっており、登ると気持ちよさそう。時間があれば登ってみたいものだ。この奥にはほしやわた滝という70mクラスの滝があるらしい。今回はそのまま素通りしたが、次回機会があれば是非見学に行きたいものだ。
[attachment=0]PB190005.jpg[/attachment]
右岸には100mはありそうな垂直の岩グラがせまり、いかにも南紀の谷らしい風情。なめ滝や大岩の滝などを乗り越えていくと第二支流出会い。今日は左俣の第二支流を遡行し、本谷を下降する予定なので、左折すると程なく15mスラブ滝だ。これもいかにも南紀の滝という風情。
[attachment=1]PB190021.jpg[/attachment]
滝見物ののち左岸の岩嵓をたどり、壁が切れたところから棚に登って、岩嵓上の小尾根を降りると落ち口にピタリと降りることができた。その上のなめ斜滝などを越えながら進むと次は20mスラブ滝。スラブといってもこの滝は表面が少しザラザラしている。この滝は右岸から簡単に巻くことができた。
[attachment=3]PB190044.jpg[/attachment]
[attachment=4]PB190048.jpg[/attachment]
20m滝を越えてしばらく行った開けた場所で昼食休憩。まるちゃんが自慢の腕をふるってかぼちゃスープをふるまってくれる。まるちゃん美味しかったです。今度また一緒に行くことがあったらよろしくね。彼女は中国人で、日本にきてからもう15年経つが、相変わらず中国訛りが消えない。料理自慢で、山料理を研究している。背中に「百山百味」と書いた自分でデザインしたTシャツを着ている。女一人で日本へ来て、ちゃんとやっているのはすごい。気配りができ、顔つきがしっかりしているので、今後どうやって生きていくのか楽しみだ。
[attachment=2]PB190036.jpg[/attachment]
昼食後はこの谷自慢のなめが山頂近くまで続く。傾斜の強いなめだが、フリクションがいいのでフリクションを使って登ることができる。標高700mあたりで、右の尾根を乗り越して本谷の方に降りていく。本谷に降りたところに立派な炭焼き小屋跡があった。この辺りは備長炭の産地で、炭焼き小屋跡も立派なものが多い。しっかりとした石垣がそのまま残っている。昔はきっといい値で炭が売れたのだろう。
[attachment=5]PB190072.jpg[/attachment]
本谷も第二支流と同じような傾斜の強いなめが続いている。なめの下りは怖い。こわごわ下っていくと最初の15m滝。傾斜がきつく、たろーさんは懸垂で降りるつもりのようだが、右岸を覗いてみると階段状になっており、懸垂しなくても下りられそうだ。下までおりてゴーサインを出したのだが、ついてきたのはなおちゃんだけ。なおちゃんが怖いと言っている。あれっ、これまで私が知っているなおちゃんはどんなところでも平気で突っ込んでいく突貫娘だったんだけど、なんか変わったなあ。
「なおちゃん怖がりになったねえ」と私。
「うん、ちょっと大人になったのよ」となおちゃん。
リーダーのたろーさんは懸垂下降を選んだようだ。まあ、どうやって降りるかはリーダーの決断事項なので、どっちでも構わないけど。下の2段の2m滝も巻き降りると左岸から綺麗な8m滝が落ちている。日当たりがいいので、みんなが下りてくるまで日向ぼっこ。暇なので、8m滝の上を見に行ったら美しいなめが続いていた。
15m滝を降りるとすぐその下にももう一つの15m滝。ここはクライムダウンできそうにないので、30mロープを2本繋いで懸垂で降りることにする。考えてみると懸垂するのは久しぶりだ。下りていくと着地点の岩の上に血が点々と落ちている。誰かが怪我をしたようだ。みるとまるちゃんが指を切ったようだ。まあ、切り傷だけのようなので、すぐに治るだろう。結構出血したので、本人は少しショックをうけたようだ。
[attachment=6]PB190085.jpg[/attachment]
手当てを終えて出発。しばらくはゴーロが続く。第二支流との合流地点が近くなると導水管が出てき、その導水管に沿って設置されたトラロープを持って斜滝を降りる。そのあとは導水管の巡視路をたどって林道まで降りることができた。
[attachment=7]PB190090.jpg[/attachment]
天瀬谷はあまり知られていないマイナー沢だが、なめあり、滝ありでいかにも南紀の沢といった風情のあるいい谷だった。特にフリクションがいいので、スラブ滝も直登することができ、楽しかった。夏だったらシャワーでもう少し冒険ができるだろう。次回行くことがあったら、今回とは逆回りで行ってみると面白いだろう。
たろーさん、鈴ハイの皆さん、ありがとうございました。また機会があったら誘ってくださいね。