【日 付】2017年8月27日(日)
【山 域】白山
【天 候】快晴
【メンバ】kasaya
【コース】別当出合5:25---6:50甚之助小屋---7:19南龍分岐—-7:39南龍が馬場---8:35P2256---9:57別山11:10---12:11チブリ尾根避難小屋---14:22市ノ瀬
例年何度も来る白山だが今年は2回目とちょっと少ない。白山本峰はそれでも今月初めに登っているので今日は今までしたことがない南竜経由で別山の周回コースを登ることにした。コースタイムは9時間ぐらいなのであまり問題はなさそう。
夜11時前に市ノ瀬に着くと結構車が止まっている。前泊時はいつも止めているバス停近くの一等地ももちろん埋まっていたが草地の駐車地に余裕があったのでそこに車を滑りこませて駐車。お酒を少し飲んですぐ就寝だ。それにしても暑いかと思って薄手のシュラフを持ってきたが意外に寒い。すっぽりと包まって寝る。
翌朝4時15分に起床。まだ暗いなあ。さすがに盆を過ぎると夜明けが遅い。出発準備をしていると皆続々とバス停に向かって歩いていく。もうそんな時間か。自分もバス停に行く。始発の5時には15分ほど間があるがすでに長い列。ただこの位置なら2台目のバスに乗れそう。そんなところなのでここでゆっくりおにぎりを食べながらバスを待つ。バスは定刻より少し前に3台やって来て案の定2台目に乗車。出発時刻はちょうど5時だ。まずは予定通り。
- 夜明け前のバス待ち
別当出合いで降りると係りの人が登山届の記入を呼び掛けている。自分も用紙をもらって記入する。ここはインターネットでも提出できるので次回からはそうしよう。これだけでも時間のロスだ。
さて出発。いつもは人の多い砂防新道をパスして観光新道をいくが今日は南竜へ回るため砂防新道をいく。相変わらず多い人で追い越しづらい。中飯場まで行くと皆が休憩をとるが、ここで休むとまた混雑しそうで、そのまま登り続けるとずいぶん人も少なくなって自分のペースで歩くことができるようになった。やれやれ。それにしても今日はいい日だ。昨夜一度外に出たが満天の星だった。そして今も快晴、しかも涼しい絶好の登山日和。先日の穂高では雲ばかりだったが、今日は見上げると青空と明瞭なコントラストをなす稜線がくっきり見える。いいなあ。
- 甚の助小屋から別山を見る
そして甚之助小屋着。ここのベンチが自分の好きな場所。眼下の谷を隔てて別山を見るにはもってこいだ。もしビールでも小屋で販売していたら飲みながらいつまでもたたずんでいるかもしれない。といいつつまだまだ先は長い。おもむろに腰を上げ先に進む。すぐに着いた南竜との分岐を右に折れる人は少ない。別山を目指さなければ、まず行かないだろう。女性が一人だけ先行していた。平行道は歩きやすく、すぐに南竜の幕営地に着く。8時前であるがまだまだテントは沢山ある。今日のように青空の広がるサイト地でゆっくりしていられるのはいい。もう降りるだけなのだろうか。のんびり山行はいいなあとなどと思いつつ進んでいく。そしてこの先に湿地帯があるので、色々な花があるかと期待したが、花はなし。さすがに遅いのか。
- 朝の幕営地
そしてここからはちょっと下って登り返しが必要な場所だ。前を歩く女性は先ほどの人なのか、なかなか追いつかない。そして油阪の頭に到着。ここからはもう白山も見えるし周りの山もずいぶん見え始める。いい感じなのでちょっと休憩。すると身軽そうな女性がすたすたやってきた。
何となく挨拶をして少しお話。地元の人で今日は別山まで同じルートのようだ。出発時刻を聞くと自分より45分も遅い。もう追いつかれたのかとびっくり。ここから別山まで1時間半かなどといって先に行ってしまった。彼女が去ってしばらくして、では自分もそのぐらいで登らんとあかんのかなと思いつつ歩み始める。ここからは草地のいい道でもっと季節が早ければお花もたくさん見られただろうに、今はほとんどない。花の散ったチングルマがそれなりに美しい。
くだんの女性はもう見えなくなってしまった。健脚だなあ。そう思いつつ自分も頑張って何とか1時間半以内で到着。良かったなどと勝手に思って山頂に着くと既に食事中だった彼女がニコニコと迎えてくれた。あなたのおかげで頑張れましたと挨拶し
ちょっと離れたところでランチの準備。普通なら展望の効く間に写真を撮ったりと忙しいが、今日はその懸念不要の快晴である。こんな日はそうはないなあ。今夏は不安定な天気続きでこれほど安心して登れたのは初めてだ。そう思いつつゆっくりランチ。周りもたくさんの登山者が皆満足そうに周囲の風景に見入っている。
自分もそんな気分でいたら先ほどの女性が出発するようで、これから剣が峰まで行ってから下山すると伝えてくる。一瞬意味が分からなかった。わざわざ南竜から別山まで来てまた戻るの?そして剣が峰、御前峰といわずに剣が峰といったがそれは別として自分にはない発想にびっくり。そんな計画なら最初に御前峰に登ってから別山に来ればいいのにと思うが歩くのが好きなんかねえ。すたすたと足早に行ってしまった。トレランではない普通の登山者に見えたがいやはや。そんな話を聞いていた隣の年配男性もびっくり。彼女が立ち去った後、すごいねえといってしばし雑談。
しかし健脚は彼女ばかりではなかった。後ろでは年配の女性二人がチブリ尾根から別山―杉峠―市ノ瀬の周回コースについてあーだこーだと言い合っている。えらく気楽に回っている感じ。白山では健脚の人によく会うが今日は女性の健脚者ばかりだ。そのうちの一人はずっと私の前を歩いていた人の様でやはり出発時にちょっと声をかけてくれた。今日はチブリ尾根をそのまま降りるようでちょっと安心。
食事を終えたあとは狭い頂上を歩き周り、周囲の景色を堪能する。携帯も場所により電波が入るので少し写真などを撮って知人に送る。今日はほんとに空気の澄んだ日で遠くの山までよく見える。誰かからは伊吹山が写っているとまで言われた。そんなに遠くまで見えているんだ。ビックリです。
- 伊吹山は見える?
十分に頂上の風景を楽しんでいよいよ下山。御舎利山まで来るとずいぶん低いアングルで熱心に写真を撮っている人がいる。何か花でもあるのかと思ってのぞき込むが何もなし。何を撮っているのか尋ねると自分で持ち上げた陶器を撮っているのだという。成程、見れば登山道の真ん中に鼎のついた陶器が置いてある。白山をバックに撮っていたようだ。よくこんなのを持ち上げましたねえというと自分は陶器屋だからというが
山と陶器というのは撮り方によっては面白いかもしれない。面白い文様も描かれていて一枚写真を撮らせてもらった。
- 持ち上げられた陶器
さあ降りよう。花のある処はゆっくり行くが何もない藪地はどんどん飛ばしていく。チブリの避難小屋で少し休憩して白山と別山の雄姿をめでたらまたどんどん下る。別山からは1500mぐらい下らないと市野瀬につかないのだ。それでもブナが出始めるとまた歩みが遅くなる。大きなブナに思わずびっくりしたり見上げて写真を撮ったりする。
白山はブナも大きいよなあ。その後さらに下れば一気に駐車地だったが少しもったいないので水場で例によってコーヒ―タイム。道から外れているので誰も来なくて落ち着ける。その後小一時間で駐車地だ。下界に近くなるほどちょっと蒸した感じは否めなかったがそれでも終日気持ちの良い日。久々によく歩いた感じで山行を終えた
Kasaya