【日付】 2017年5月20日~21日
【山域】 白山
【メンバー】 単独
【天候】 晴
【コース】三ノ峰避難小屋6:00---カラスノ谷6:50C---11:00別山11:30---三ノ峰避難小屋12:50
- 赤いラインが今回のルート
ここ数年の念願であったカラスノ谷から別山南面を登る絶好のチャンスが到来した。
カラスノ谷は庄川の支流、尾上郷川の最奥の谷。下流から目指せばとんでもない時間を費やすので三ノ峰を乗越してのアプローチだ。
それでも一泊山行となるので、まずは上小池から三ノ峰避難小屋を目指した。
スタートして30分、山靴のつま先の異変に気付き、覗いてみればソールが剥がれかけている。
なんとか下山するまでもってくれないだろうかと願いながら六本檜まで登るが、ソールの剥がれは広がっている、ヤバイ!
慌てて手持ちのスリングで縛り上げて誤魔化しながら稜線を進んでいくと、なんと向こうから副館長さんが現れた。
ソール剥がれの話をすれば、粘着テープを持っていると快く提供してもらえた。なんとも有難い!副館長の後ろに後光が差してきた。
いただいたテープで山靴をグルグル巻きにすればもう怖いものなし。強い日差しと重荷でヘロヘロになりながらも夕刻には小屋に到着できた。
- 正面に太平壁が望めるカラスノ谷
二日目朝、雪面のカチンコ状態を気にかけていたが、気温が高くて雪質は最高!
雪渓が切れることもなく、あっという間にカラスノ谷に降り立つことができた。
10~20mの積雪に覆われた谷は、ルリビタキの囀りだけが響き渡るとても穏やかなところ、正面には太平壁が聳え立っている。
さて、ここから一歩づつ歩みを進めれば3時間半で別山に立てる計算だ。
1時間くらい登ってノドを通過したところでルートミスに気がついた。
猛烈な積雪に埋もれた谷はあらゆるところで凸部が埋まり地形を読み間違えるので気をつけたい。
- 別山平(右上)と三ノ峰
ロスタイムは30分ほど、標高2,000mを超えると広大な雪原になってきた。
太平壁や別山平が目の前に広がり、眼下には石徹白の山並みが続いている。
水も出ているのでテントを持ち込んでスキーでも楽しんだら最高だろう。
最後の詰めは別山山頂にダイレクトに登るのがスマートだろうが、今回は急斜面を回避して別山の肩に出ることにした。
午前11時、稜線まで登り切ると、そこには怪しげなフィトンチッドの芳香。しばしハイマツの空中遊泳、実に久しぶりの感触だ。
別山の頂に立てば登山者が溢れている。人間界に戻ったような気分でカラスノ谷を見下ろし、念願達成の余韻に浸ることができた。
- 神様(副館長)のおかげで登り切ることができました、感謝、感謝!!