【 日 付 】 2017年4月30日(日)
【 山 域 】 北信
【メンバー】 六右衛門
【 天 候 】 快晴
【 ルート 】 木崎湖 5:30 → 7:07 奥裾花駐車場 7:35 → 8:05 自然園入口休憩所 → 9:13 稜線 → 9:58 奥西山 → 11:48 堂津岳
12:25 → 13:50 奥西山 → 14:30 稜線 → 15:25 自然園入口休憩所 15:40 → 16:10 奥裾花駐車場
29日は雷雨が来るというので自重し、明けて30日は快晴である。今朝も冷え込み、車のフロントガラスは一部凍っていた。今日は遠征のメインインベント、またまたマイナーな中のメジャーな山?堂津岳を登る。堂津岳というのは水芭蕉で有名な奥裾花自然園の北側、頚城三山の南側にある1927m峰である。
木崎湖で泊まって、国道147号の稲尾駅前を右折、県道31号を「青具」で右折、小川村で県道36号に乗り替える。この小川村は、ヒマラヤを望むポカラのように(行ったことないけど)後立山連峰を望む花に囲まれた山村で「日本で最も美しい村」の一つらしい。県道36号はこの村の斜面をジグザグに登って行き、残雪の北アルプスを思う存分見せてくれる、(途中にアルプス展望広場もある。)
- 県道36号(小川アルプスライン)から望む北アルプス 左から鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、白馬三山
鬼無里で国道406号に入り、標識に従って奥裾花自然園方面へ右折する。自然園手前に料金所(¥410)が有ったが、特にゲート等で仕切られていなかったので「閉園」の看板の横をすり抜けて進む。まもなく広い駐車場に着いたが先客は2台のみで、8:30からの営業?のためだろう、人影がない。駐車場周りは雪の壁になっていた。既に奥に雪を被った堂津岳が見えている。トイレをお借りし、7:35 勇躍出発した。
この時間シャトルバスはないので、自然園入口まで約30分ほど車道を登るが、雪を被った堂津岳が意外に近く見え、テンションが上がる。自然園入口休憩所まで来て、いよいよ山に入るがここから雪の上だ。自然園の中も多雪でこれじゃ水芭蕉はまだ開花していないのでは?
面倒なのでいきなりアイゼンを装着したものの入口がよくわからないので適当に突っ込んだ。地形図に破線路が記されているので、GPSで補正しながら修正してゆこうという作戦である。ところが途中に赤布を見つけたのでそれに沿って進んだところ、夏道からはどんどん外れてややショートカット気味に稜線に向かった。稜線手前ではかなりの急登になり、最後は雪庇をどこで乗り越えるかだ。今度は赤布から外れて登りやすそうなところから稜線に上がった。自然園入口から高さにして350m、1時間と少しかかっている。
ここからは標高1600mくらいの快適な稜線散歩である。雪庇にトレースがあるからといって十分安全とは言えないが、一応実績はある訳だ。以前は藪がひどく残雪期しか登れなかったようだが、今は何とか刈り払われて夏道が続いているようだ。今日は残雪が極めて豊富なので藪に阻まれることはなく条件は最高である。アップダウンは比較的小さいが下から見ていた時のように近くはなく距離があった。雪はよく締まっていて沈み込んでも10~20cmくらいだ。奥西山を越えるが山頂の標識も何もない。
この辺りから見る堂津岳は、いかにも山という感じの三角の形で、行く手には雪のついた細いリッジが見える。登れるかなとちょっと不安だったが、行けるところまでは行こうと進む。
- 正面の堂津岳がカッコイイ
尾根は広く、明確な二重山稜ではない複雑な地形だ。2時間くらい歩いてようやく山頂が近づいてきた。このあと約300m登らねばならない。下山してきた3人組パーティーとすれ違うと、突然急な痩せ尾根となってザラザラの夏道となった。痩せ尾根を慎重に2~300m進むと再び雪の尾根となり、ここで単独の先行者に追いつく。ちょっと嫌らしい雪庇の乗り越えがあり、ピッケルをアイスアックスのように使って力づくで乗り越えると待望の頂上だ。
と思ったら堂津岳の頂上は南北に少し長くて、下から見えていた頂上はニセ頂上で、真の頂上は更に少し先だった。自然園入口から3時間40分ほどで360度展望の山頂だ。
- ニセ頂上と雪庇
山頂の展望は今までに登った山の中でも特に素晴らしく、周囲の比較的近い距離に同じかやや高い山に囲まれていているのが良いと思う。雨飾山、金山、天狗原山、焼山、火打山、妙高山、乙妻山、高妻山、戸隠山、西岳、東山がぐるりと取り囲むパノラマとなっている。
また霞んでいたが、後立山連峰が並び立つのも素晴らしい。朝日岳、雪倉岳、白馬三山、唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳、針ノ木岳と並び、それより奥も山岳同定はできなかったが裏銀座方面が見えていたので、条件が良ければ槍ヶ岳まで見えそうだ。
- 山頂から頚城三山(焼山、火打山、妙高山)
先ほどの先行者が登って来られたので、少し食事をしながら山の話をした。今までに2回山で滑落し骨折されているそうで、そのうちの1回はここの稜線から雪庇を下る時だったとのこと。それでも毎週のように登られているらしく、六右衛門より一回り以上年上であるが、その気力には感服した。
風のない山頂で30分以上景色を眺めて、先行者より先に下り始める。急斜面を慎重に降りて、痩せ尾根を転ばないようにクリアすると
あとはうねうねと尾根をたどる。帰りは少し疲れた。奥西山を越えたところで先の3人組がショートカットして奥裾花に下ろうとしているようだった。六右衛門は、確実に同じ道を往復しようとしたが、結局下りも適当で同じルートにはならなかった。
六右衛門(YaS)