【日付】2017年4月24日(月)
【山域】両白山地/薙刀山~野伏ヶ岳
【同行】単独
【天候】晴れ時々曇り
【ルート】中居神社(大進橋西詰P)6:30~和田山牧場跡8:00~薙刀平~11:40薙刀山~野伏ヶ岳14:00~ダイレクト尾根~林道~16:20大進橋P
「いと白き地=石徹白」の残雪の山を訪ねた。23日(日)とちゃうの?と言うなかれ。じつは23日は山友Tさんからお呼びがあったのだが、外せない予定があり、やむなく断念。それでも揺さぶられた「石徹白マインド」の震えは止まらない。天気予報を見れば好天は2,3日続きそうだ。カレンダーに捉われないリタイア生活者の特権で平日も山OKなのだ。うっふっふ~。
不本意ではあるが一日遅れで彼らの足跡をたどる、ちょっと心残りのロンリー山行ではあるが、一人山旅には他では味わえない魅力もあるのである。
前夜に自宅を出て(高速割引狙い)、東海北陸道を降りた白鳥のコンビニ駐車場で仮眠。翌朝、大進橋を渡った駐車スペースに車を置き、山支度。中居神社の駐車場にも、ここにも他の車はキャンピングカー1台だけだ。
そこへパジェロミニがやってきた。降りてきた男性が「あの道は入れないんですね…?」
大杉林道の入り口にデンと陣取り通せんぼしている除雪車を指差す。
「いつもGWころにならないと開けてくれへんようですよ」
男性は釣りマニアさんで、こちらが「山に登る」というと、怪訝な面持ちで話しかけてくる。
男性は結局、大杉林道は諦めて和田山牧場への林道へ入ろうとして、また引き返してきた。林道横の木に付けられた「禁漁」の文字に追い返されたのか?
それにしても、情報調べなしの行き当たりばったり釣り師さんではある。
おかげで到着からもう1時間。やや遅くなったが6時半出発。
雪が残る林道を途中からスノーシューを履き1時間半、和田山牧場跡の台地東端に立つと、石徹白川を囲む山々が雪の帽子と白いドレスを纏って迎えてくれる。目の前の野伏ヶ岳、その右手に薙刀山。さて、どっちから先に行くかな?
- 和田山牧場跡から野伏ヶ岳~薙刀山
残雪を踏みながら台地を横切って推高谷右岸へ。左岸への渡りにちょっと苦労したが、急斜面を詰めて薙刀平へ。野伏から薙刀への稜線が目の前に壁のように立ちはだかる。右前方に薙刀山の山頂。稜線には雪庇が張り出しているため、攀じ登れるかどうか自信がない。台地を右寄りに回り込み、山頂左の稜線へ出られてほっとする。
東側の牧場跡方面から吹き上げる風が結構強い。空は晴れたり雲が出たり。日差しがなくなり風が吹き付けると心がめげそうになる。太陽が顔を出し、風が止めばまた力が湧いてくる。ゲンキンなもんだな。
11時40分、なんとか薙刀山の広い山頂に立つと、なぜか風も弱まる。
北側の白山方面や西の越前の山々が一望できる。残念なことに別山の真っ白な雄姿が雲に隠れているが…(>_<)
- 赤兎山~大長山
ここから続く日岸山~願教寺山~三ノ峰への尾根もホワイトロードだ。
銚子ヶ峰から芦倉山へ続く対岸の尾根も雪峰のラインナップが見もの。
南側を振り返れば隣の野伏ヶ岳はすぐそこ。
とにかく行ってみるしかないか…という気にならざるを得ない。
- 隣の野伏ヶ岳への稜線
10分ほどで山頂をあとにし、シューを脱いでヒールキックで稜線を下る。
最低鞍部の手前でブッシュが風避けになってくれそうな場所を探してランチ。
今日は迷った結果、軽量化+時短優先のため調理火器類は車にデポ。いつもの助六寿司+アワワセットとパン類だけにした。
- 薙刀山を眺めながらランチ休憩
おかげで13時には後半戦スタート。
野伏への登り返しは思ったより斜度もあり苦戦。雪が適当に緩んでくれていたので、アイゼンなしでどうにかクリアできた。
スノーシューを担いでないでアイゼン代わりに履けばいいのに…と、誰かさんに言われそう(@_@。
野伏山頂に14時前。ここも吹き上げる風がキツイ(@_@。
じつは野伏から橋立峠へ進んで、牧場跡へ下ろうか…などと考えていたのだが、稜線の様子を見て足がすくむ。ここまで無事に来られたのに、最後に滑落でもしたら笑い事では済まされない――と理性と常識?がブレーキをかける。いや、単に臆病風に身が縮んだだけかもしれないけれど…(@_@。
- やはり白山は白い!(野伏ヶ岳山頂付近から)
でもしかし、ならばどこから下る? その一抹の不安をかき消してくれたのは山頂から続く踏み跡。ダイレクト尾根へ向けて、たぶん昨日のもの(今日は誰一人見なかった)と思われるトレースが残っている。
先人の後を追うのはなんとまあ心強いことか! 逆にいえば前人未踏の領域を開拓するパイオニアの偉大さに敬服せざるを得ない。やはり日曜日の先人トレースに導かれる月曜日が「安全登山の日」と言えそうだな。
かなり急傾斜だが、緩んだ雪にカカトキックを効かせ走るように下る。時々、お尻滑りで省タイムも。
現れ出した樹木に赤テープが巻いてある。明瞭な一本尾根なので外す心配はないのだけど、あれば頼ってしまう。
今度は青いテープも出現。さらには白い荷作り紐までヒラヒラ…。気がついたら尾根の傾斜はなくなり賑やかなテープ類もなくなっていた。
ちょっと下りすぎかも? 上から見えていた大蛇模様の湿地帯(池)の南側で、和田山牧場跡へは左へ大黒山を大きく回り込まないといけない。
それが面倒なのでそのまま点線ルートを右からトラバースすることにする。幸い古い靴跡が続いているので後を追う。が、どうやらこれは植林用のルートで登山者は使わないみたい。
- 大黒山の西には大蛇が泳ぐ湿地帯が
植林帯をトラバースしてなんとか牧場跡からの林道に合流。長い長い林道歩きは惰性で足を運ぶ。
駐車地点には16時20分。山頂から2時間半近くかかっている。
帰宅してから歩行距離を確認すると19.6km。10時間(休憩、ランチタイム含む)。まあ、よう歩いたわ(@_@)
自分でも呆れるが、なんとか山歩き復帰ということで、よろしいかと納得。
~biwaco