【 日 付 】 2017年3月9日(木)~10日(金)
【 山 域 】 九重
【メンバー】 六右衛門 単独
【 天 候 】 3/9:雪のち晴れ 3/10:快晴
【 ルート 】 3/8:大阪南港ATC 19:05 (さんふらわあ号)→
3/9:7:05 別府観光港 8:20 (九州産交バス)→10:02 牧の戸峠 10:20 → 10:50 沓掛山 → 12:05 久住分れ
→ 12:40 久住山 → 13:05 久住分れ → 13:50 北千里浜 → 14:30 法華院温泉山荘(泊)
3/10:8:50 → 10:13 段原 → 10:33 大船山 10:52 → 11:12 段原 → 12:17 坊ヶツル → 13:10 雨ヶ池越
13:35 → 14:45 長者原 16:02 (九州産交バス)→17:45 別府北浜・野上本館(泊)
この冬の多雪ではノーマルタイヤの六右衛門車では、登山口に辿りつけずギブアップ、公共機関で行けるところを探して九重に行ってきました。やぶこぎで「九重」を検索してみると2011年6月に通さんが奥様と訪問されたレポのみ。しかし百名山の深田久弥氏は2月と3月に訪れて、2月なのに暖かい感じの原と3月の野焼きの記載が有り、6月のミヤマキリシマの時期でなくても楽しめるかなと。
大阪南港のATCにあるフェリーターミナルから「さんふらわあ号」で別府に向かう。正規料金は¥11,200だが5月連休などの割引除外期間以外は¥7,900(往復なら復路は¥7,600)である。さんふらわあ あいぼり号は平成9年進水というから20年経っており、さすがに古い感じだ。一番安い「ツーリスト」クラスは大部屋(ベッド無し)で、水曜日なので空いているが寝転ぶとエンジンの振動が伝わってきて気になる。速度も22ノット(約40km/h)と少し遅い。ライトアップされた明石海峡大橋を見ながら、船内の売店で大分県の酒を買って飲んでみた。「一の井手」という初めて見る銘柄で、やや酸味が勝った燗向きの酒だった。
明けて9日は晴れだが冬型の気圧配置で風がある。別府観光港から九州産交バスの九州横断バスに乗り九重を目指す。
やまなみハイウェイを走るこのバスは1日2本しかなく、午後の1本は湯布院発なので、別府から九重まで行くのは朝の1本だけだ。
バス停に前日までに予約と書いてあり焦ったが、空いていたので乗ることができた。
温泉街を抜けて鶴見岳のロープウェイを通り過ぎるとあたりは山になり、天候は一気に曇ってきて由布岳は雲の中だ。
湯布院を過ぎて長者原までは普通の道だったが、長者原を過ぎると急に雪になり道路には除雪車が走っている。
あらららと思っていたらやまなみハイウェイの最高地点、登山口の牧ノ戸峠(1,330m)に着いた。
- 牧の戸峠の様子 冬です。
牧の戸峠は小雪が降っていて強風で寒い。手袋が風に飛ばされて慌てて追いかける。
ネックウォーマーに帽子、手袋、風よけの上下で固めて出発した。ここ二三日の寒波で新たに積雪があったようで、階段状の道を登ってゆく。温度自体はそれほど低くなく歩いていると寒くはない。岩がゴロゴロした道をノーアイゼンで登ってゆき、星生山をパスして西千里浜を行く。久住分れの避難小屋付近で一瞬すっきりした三角形の山が見えたが、多分これが本峰・久住山だと思う。展望が期待できないので法華院に直行するかちょっと悩んだが、折角なので久住山には登ることにした。
- 一瞬見えた久住山
道はさらに岩ゴロゴロとなって7人のグループとすれ違い、御池への道を分けるとしばらくで山頂に達した。バスの中では牧の戸峠から1時間30分で手軽に登れますとアナウンスしていたが、嘘ばっかり2時間20分かかった。(地図では2時間)九重連山の最高峰は中岳1791mだが、深田の百名山では明らかに久住山を盟主とみなしているので、一応百名山に登ったことにしていいと思う。(百名山は特に目標にしていませんがこれで75山)
展望はなく寒いのですぐに頂上を辞し、中岳はパスして少し下り始めると時々青空が見えるようになった。単独行の男性とすれ違い、久住分れに降りてゆく。久住分れからは北千里浜に降りてゆくが、ここはトレースがなかった。積雪は多いところで2~30cmだ。新雪に足を取られながら浜に降り立つと、カール底のように周りは壁のようになっていて壮観だ。
- 北千里浜で
ここで諏蛾守越からやって来た若い女性2人組とちょっと話してからお別れして、法華院まではあと200mくらい下らないといけない。(法華院は1300mくらいと登山口よりも低い。)沢には土砂を防ぐ堰堤があるので高巻き道になっていて、下ってゆくと天候が回復し、行く手に法華院の建物と坊ヶツルの湿原と大船山が見えてきた。法華院は元は白水寺があったところだが明治15年に消失し、そのあとが現在の山荘になっているそうだ。九重にたくさんある温泉の中で、ここに来ないことには始まらない。今日はここに泊まり、明日は冬型の気圧配置がくずれて晴れるのを期待しよう。
今日の泊り客は長崎から来られたご夫婦と北九州から来られた男性、六右衛門の4名のみ。大部屋もあるが個室が割り当てられた。(2食付きで¥9,000)温泉は石膏泉で透き通ったお湯が冷えた体にじわーっとしみ込んでゆく。最高!食事はおいしく、ビールは¥300と良心的です。部屋には小さな石油ファンヒータがあるが、なかなか暖まらず寝るときに消したら、めちゃ寒く首筋がスースーして目が覚めた。(温泉で温まってから持ってきたシュラフに入るべきだった。)
明けて10日は快晴である。宿の食事は通常の山小屋と違って7:30からとゆったりしている。(寒いので早起きが辛いからかな?)さらにゆっくりしてから長崎のご夫婦と一緒に勇躍出発だ。ご夫婦は坊ヶツルで花を探すと言われるのでお別れし、平治岳への道を分けて大船山へ登り始める。ルートは火山岩の石ころに雪が少し積もってミックス状態、アイゼンを付ける必要はない。大船山は山頂北側に米窪という火口があり、その縁にあたる「段原」まで約470mの登りだ。
- 坊がツルと背景三俣山
時折背後に山々が見えるがだんだん三俣山に近い高さになってくると、背の低い灌木帯(ミヤマキリシマも)になり展望が出てくる。段原に登りついたら南に20分ほど登ると大船山に達する。ここからの眺望は素晴らしい。先ほどの山のほか、北側には米窪の火口の向こうに平治岳、霞んだ向こうには由布岳と鶴見岳がうっすらと、また中岳、天狗ヶ城の左側に久住山が少し見える。阿蘇は霞んで見えなかった。風は強かったが20分ほど景色を楽しんだ。
- 左が稲星山 双耳峰が中岳と天狗ヶ城 白いのは星生山 右手は三俣山
下りは念のためアイゼンを装着し、慎重に下ったがはっきり言ってアイゼンを引っ掛けて転ぶリスクのほうが大きかったかも。平治岳はミヤマキリシマの楽しみのため?三俣山とともに残しておこう。坊ヶツルからは三俣山の山裾を巻いて、諏蛾守越よりも150mくらい標高が低い雨ヶ池越を越えて長者原に戻る。道は泥濘状態で、雨ヶ池手前のベンチで昼食を軽く摂った。長者原で例の1日に1本しか無いバスまでに時間があって星生温泉ホテルの露天風呂に行きたかったが、時間的に少し微妙だったので遺憾ながらパスして待っていた。ところが予定の時刻になってもバスが来ない? 他に足がないので焦ったが、10分あまり遅刻してバスがやってきた。
バスは1時間45分走って別府北浜で下車、予約していた野上本館さんに投宿した。美味しい朝食付きで¥6,090(シングル)とリーズナブル。建物は相当古いが内装はリニューアルされています。宿の温泉「浜の湯」はそれほど成分が濃い感じはしなかったので、近くの共同湯古風な外観の「竹瓦温泉」に行こうかと思いましたが、それよりもまずは近くの居酒屋(ろばた仁)に行き大分名物「関サバ刺し身」「とり天」「ダンゴ汁」などと清酒「西の関」を堪能。またまた遺憾ながら「竹瓦温泉」をパスしてしまいました。
六右衛門(YaS)