【日付】2017年2月4日(土)
【山域】鈴鹿
【メンバー】独り
【天候】晴れ
【ルート】306ゲート7:37---9:04コグルミ谷階段---10:30カタクリ峠---11:37鈴北岳ーーー11:57日本庭園12:28---13:02ボタンブチ
ーーー13:14青のドリーネーーー13:34 P1241ーーー13:55真の谷ーーー14:08カタクリ峠ーーー14:50犬返し尾根末端ーーー15:47306ゲート
今週末もまたいい天気である。高気圧が真上に来ているので季節風による荒れた天気もない青空が見込める。どこでもいいのだが
つい先日ガスで何も見えなかった御池も候補に挙がる。今日なら雪原が見られるか。一人で長い林道歩きも大変だがきっと
いいこともあるだろう。そして冬場には行ったことのない鈴北岳から日本庭園も見てみたい。そんな気持ちになってきた。
306号ゲート前は結構な車が止まっている。2週間前同様にゲート前までは車が入れない程雪が残っている。さあ出発だ。
最初はツボ足だったが意外に雪を踏みぬいて歩きにくいのですぐスノーシュー装着。でもしばらく行くと車のわだちが出てきて
スノーシューでは歩きづらい。またツボ足にもどる。しかしすぐに轍は消える。またスノーシューに替える。何やってんだか
最初からスノーシューで押し通せばよかった。
今日はたくさん歩くつもりで先を急ぐが思ったほどにはかどらない。すぐに息が上がる。独りで頑張ろうとして気力が
空回りしている感じ。結局長い道のりを前回よりちょっとだけ早く目的地に到着。コグルミ谷駐車地から取り付くつもり
だったが、前回階段から上がった人の話を思い出しそこから行ってみようともう少し進む。ついた階段は雪で覆われている。
スノーシューを脱ぐつもりだったがこれだったら爪を効かせて登ったほうがよさそう。そう思って雪から出ている手すりに
掴まりながら登っていく。そして上についたがその先はものすごく急だ。これはやばいかな。ちょっと急すぎる上に雪が固い。
ここで足を滑らすと階段の下まで滑り落ちるかも。そんな気のする場所だ。結局ストックを逆さにもち雪に差し込みながら
一歩一歩慎重に登る。急斜面でのこの作業すごく疲れる。参った参った。今日はチンタラ登山のつもりだったのにこれは予定外だ。
斜面が緩くなり尾根に乗っかたところでやっと一息つく。やれやれ。疲れる場所だった。
この後は前回も歩いている場所。スノーシュで行くがツボ足でも歩ける状態。どんどん歩けるはずだがなんだかモチベーションが
上がらない。気分の乗らないときは仕事であった嫌なことを思い出したりして落ち込むのである。それでも足を運んでいけば
カタクリ峠は近づいてくる。今日はすでに多くの人が通過した場所であるが落ち着いた所。独りボーッとする。
- 県境尾根
ここから今日は県境稜線を鈴北まで進む予定。トレースは7合目から右に折れて県境に向かっている。前回はトレースを無視して
まっすぐ行ったのだが今日はこのトレースを使わせてもらう。尾根に乗ってしばらく行くとトレースは谷にに向かっている。
やっぱり丸山方面に向かう人ばかりだ。自分の行きたい鈴北方面はノートレースとなる。これでしばらくラッセルとなる。
それにしてもこの尾根、緩やかな登りで辺りは霧氷がいっぱい。青空とのコントラストが素晴らしい。樹木の切れ目からは
南に丸山方面とその前面に咲く霧氷の花。北に目をやれば霊仙、伊吹、奥美濃の山々、さらにひときわ白い白山が見えている。
イヤー予想通りいい天気で素晴らしい展望。やったなあ。こういう風景を見せられると先ほどまでの落ち込んだ気持ちも
どこへやら、モチベーションが高まってくる。山の効用はこんなところにある。やっぱり山はいいな。
- 北面をの臨む
霧氷の林を抜けて前方に真っ白な頂上が現れる。樹木の無い鈴北岳山頂だ。頂上には既に数名の人がいる。そして今まさに
登りつかんとする人も。自分も冬季初めてとなる鈴北岳に登頂だ。360度の展望。琵琶湖もよく見える。日本庭園の樹氷も
なかなかだ。奥の平の広がりもいいがこの庭園の広がりもなかなか捨てがたい。そんな思いがしてくる。
- 広く見える庭園
景色を十分満喫してからランチ場所を求めて日本庭園に向かう。トレースもあるが皆日本庭園を過ぎて丸山に向かうらしい。
自分は丸山に未練がないので南下するコースを選ぶ。風を避けるために手ごろなドリーネに降り立つ。案の定無風である。
擂鉢のそこからぐるっと見渡す気色もなかなかのもの。空が広く見えるのだ。そこでまず冷やしたビールで乾杯。その後定番
の肉、卵入り味噌煮込みとぜんざいを食す。毎回同じだが飽きないねえ。
お腹も満たされて出発だ。時刻は12時30分だ。青のドリーネあたりまで行ってみよう。トレースの無いまっさらな雪面を
南下していく。いい雰囲気だ。冬場でなくてもそれほど人に会わないところ。ふと見るとトレースが合流してきており前方に
数名の登山者がいた。彼らはどんなルートなんだろう。丸池を過ぎさらに行くと予定より少し上りすぎている事に気付く。
ボタンブチが斜め下のほう見見える。そこで今度は斜めにトラバースしながら降りていく。そして樹木が切れた辺りで
奥の平の雪原に出る。来たなあ。でもちょっとフェンスが邪魔だ。広いには違いないがちょっとアクセントに乏しいか。
先ほどの日本庭園のほうが樹木がふんだんにあり、より広く感じたのと対照的な感じを受ける。
そしてボタンブチ。いったい何度この場に立ったのだろう。確かにいい場所だが見慣れた場所になりすぎたかもしれない。
そこですぐに幸助の池に移る。ここも今は単なるドリーネの窪地でしかない。青のドリーネまではもう少し。そちらに向かう
トレースもついておりそれに乗ったり外したりしながら進んでいく。そしてドリーネの右方にある見慣れた木を認めて
ドリーネ着である。久しぶりのドリーネ。予想はしていたがドリーネ自身にはトレースはないものの周りには結構トレースが
あり、写真を撮るにはちょっと残念。しかしここは雪原の通り道、仕方ないよね。それにしてもドリーネは御池に多々あれど
このドリーネの曲線の微妙さはどうだろう。何がここを美しいと感じさせるのか。
- 青のドリーネ
その後南峰に登ってみる。ドリーネを見た後で登りがきついが今日の天気では南峰からの景色も捨てがたい。トレースが
一本あり使わせてもらう。自分の歩く少し先を行く登山者のつけたもののようだ。そして到着。見渡せば奥の平のさらに
南方の景色が面白い。そして東には北アルプスや御岳、南アルプスなども見えている。さすがに富士山はわからないが。
今日はほんとにいい天気。山に来てるあなあといった感じだ。
ここで時刻は13時30分ぐらい。ほぼ予定通り。これから下ったら丁度いいころか。1241ピークまで来ると朝方鈴北岳で
会った人たちも来ていた。丸山経由で来たのかな。自分はこれからこの1241から北東に走る尾根を下りる予定。たまたま
同じ方向に歩く人がいてやはりこの尾根を下ると聞いたが、それ以外はノートレースの尾根。さあ降りよう。
新雪の尾根ならば気持ちがいいのだが今日の雪は一度積もった雪が固まりその上に雪が乗っている状態。滑る処までは
行かないが気持ちよく雪の上に乗っていくという形にならない。それでも滑ってもともとといった気分で気持ちよく降りていく。
結局20分ほどの浮遊感覚を味わって楽しい尾根下りは終了。真の谷も誰も歩いていない。静寂と真っ白な雪の世界。まだ日も
明るい谷間の風景。こういうところもいいなあ。
- カタクリ峠への道
しばしの休憩後カタクリ峠を目指す。緩やかな谷を詰めていく。これが今日最後の登りとなるが緩やかなためそんな気も
しないほど。ただここにきて急に足が痛くなる。どうも攣ってしまったらしい。やれやれ。秘薬を飲むために小休止。痛みは
すぐ収まってそのまま峠へ行く。その峠では何やらにぎやかな声。キャーキャー言っている。若い子たちがはしゃいでいるのかなと
思って近づいていくと10人ほどの決して若いとはいいがたいグループがヒップそりで遊んでいた。(中には若い子もいたかも
しれないが)自分も一人ではやらないがグループで行くときはたまにヒップそりを持つこともある。年齢に関係なくこれは面白いのだ。
熱心に遊んでいる人たちを見て小休憩後下山にかかる。今回は犬返し谷のほうに進んでみるつもり。トレースはふんだんに
ある。朝登ってきたコグルミ谷右岸との合流点から右折するとそのトレースはもっとはっきりしてくる。こんなに大勢の
人が歩いたのだろうかと思う程よく踏まれた道。冬場の定番ルートとして完全に定着しているようだ。そのトレースを
辿って行けば難なく国道に出てあとはテクテク歩くだけだった。
kasaya