- 右下にあるCapo MuroからM.Catielloを目指す
【日付】 2016年12月29日(水)
【山域】 S.Angelo a tre pizzi Amarfi
【メンバー】 単独
【天候】 曇時々雪
超久々のレポアップです、しかも海外ものですが、お付き合いのほどよろしく~
南イタリアはナポリで4泊して周辺観光地を巡る機会に恵まれた。アマルフィ海岸の観光も計画するが、高級リゾートばかりの観光地は今ひとつピンとこない。
そこでアマルフィ海岸ってどんなところだろうと地形図を見てみると、海岸線から一気に1,400mの山塊がせり上がっているとても魅力的な地形だ。
アマルフィを訪れてこの自然を楽しまないわけにはいかないと思い、手頃に登れて眺望のいいピークを探してみた。
目指すことにしたピークは断崖にへばりつく町ポジターノのすぐ北にMonte sant'angelo a tre pizzi(日本風に言えばアンジェロ三山)と呼ばれる山塊が聳えている。
その中の一つカティエッロ山(Monte Catiello)を目指すことにした。
- Pianilloから仰ぐMonte Catiello
朝8時、ナポリから電車でレンタカーを予約してあるサレルノ駅へと向かう。車に乗り込み、くねくねとした海岸道路を走らせてヴィエトリ・スル・マーレやラベッロといった観光地を巡ってアマルフィを通過。この町を過ぎると九十九折を登って標高差600mを一気に稼ぐ、カティエッロ山麓の町ピアニッロに到着だ。町からはカティエッロ山を大きく仰ぎ見ることができ、いやが上にも登高欲がそそられる。
町を抜けて林道を進んで行くと眼下にはアマルフィ海岸の絶景が望めるようになった。車外に出てみると猛烈な風が吹いて立っているのがやっと。
この日に備えて1か月間の金華山トレーニングを積んできた相棒が、強風にビビって入山を断念するという。日頃は山とは無縁の相棒のことだからここは仕方がない、自分一人で登って相棒には車中で待ってもらうことにした。
- 石灰岩の階段を登っていく
一人で林道をつめていくと、いたるところに踏み跡があって取り付きがわかりづらい。ペンキマークがあったので入ってみたがヤブに突入、格闘すること20分で開けたルートに出ることができた。まさかイタリアでヤブ漕ぎするとは思ってもいなかった。
30分ほどでカーポ・ムーロ(Capo muro)と呼ばれる鞍部に出た。夏ならば登山客の多そうなところだが雪の舞う今日は誰もいない。
ここからは一気にカティエッロ山頂を目指して登りが続く。
灌木がなくなり、人工的にきれいに積み重ねたような石灰岩は、まるで古代遺跡の階段を登っていくような感じがする。
石灰岩の隙間にはところどころにサフランの花が咲いている。
雪が舞う極寒の地に花をつけ、遥か遠くジャッポーネから来たTANPOPOを待っていてくれたサフランのなんとも愛らしいこと!
曇り空なので花弁が閉じているのが惜しい。ちょっと強引に花びらを広げて写真を撮らせてもらった。
- 愛おしいサフラン
カーポ・ムーロからは快適な登り1時間で山頂に立つことができた。
足元から切れ落ちた崖の下にはポジターノの町が見下ろせる、約1,400mの標高差だ、スゴイ!
海岸線をたどっていくとソレント半島の先に浮かぶカプリ島まで望める。
目の前にはピラミダルな山容のMonte di Mezzo(中山)その向こうに最高峰のMonte S,Michele(サン・ミケーレ山)が立ちはだかっている。
遠く北にはナポリ湾その右には超有名火山ベスビオスが見えるはずだが、今日は雪雲が邪魔をして望むことができない。
相棒を車の中に待たせているので早々に下山、途中でカウベルと口笛が聞こえると思ったら羊飼いのおじいさんに出会った。
アルプスの少女ハイジの世界に迷い込んだような雰囲気、ただハイジの世界と違うのは眼下に美しいアマルフィ海岸が見渡せることだった。
- アマルフィ海岸、遠くに青い洞窟で有名なカプリ島を望む