【 日 付 】'11.7.14~17
【 山 域 】白山(岩間道~山上jct~中宮道)
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ(ず~っと)
【 ルート 】15日=新岩間温泉登山口5:50~6:45岩間温泉元湯~墳泉塔群~元湯10:10~岩間道~薬師山15:10~樅が丘分岐15:50~16:10小桜平避難小屋
16日=小桜平避難小屋6:05~樅が丘分岐~見返坂~清浄ヶ原~七倉の辻9:45~大汝峰jct~11:00北縦走路降り口(昼食)11:50~ヒルバオ雪渓~お花松原13:30~地獄覗15:25~間名古ノ頭ザックデポ地17:25~三俣峠18:00~19:30ゴマ平避難小屋
17日=ゴマ平避難小屋5:00~間名古ノ頭デポ地6:45~8:15避難小屋9:45~カエデ坂~避難小屋10:50~シナノキ平避難小屋14:00~トチノキ坂~清浄坂~17:20中宮温泉~18:05三又発電所~導水管上の林道~19:00登山口駐車場
何度か登った霊峰白山。でも北側からは言ったことがない。何本かの登山路がある。どれでもいいから、一度行ってみたいなあ…と、何年か前から思っていた。いや、一里野にスキーに行ってたころからだから、もう30年近く前からになるではないか(@_@;)
日の短い秋より、やっぱり今年の夏かな…
と思っていたら、T氏曰く。「へえ~、水何リットル担ぎ上げるつもり?」
やっぱり秋かな…?とへこんでしまう。
しかし…行けるときに行っておかないと。お天気もまずまずのようだ。よおし、ここしかないか! 決断の夏だ。
14日(木)
初日は登山口まで。登るのは翌日の早朝からだ。平日なので高速は使わず国道を走って一里野スキー場へに着いたのは17時前になってしまった。それでも「天領」の露天風呂に入る。(600円、平日18時まで)
日没まで時間があるので下山予定の中宮温泉や三又発電所の導水管を下見しておく。
Uターンして林道分岐から新岩間温泉の登山口へ向かう。舗装道路ながら断崖を縫うヒタヒヤ道だ。駐車場手前のヘアピンのところで導水管の最上部を確認しておく。
山崎旅館(休業中)がある駐車場には三河№の置き車が1台だけ。ここから林道が二手に分かれる。右は楽々新道の入り口。直進が岩間道だ。いずれもゲートがあり一般車は入れない。
もう18時を回り、ヒグラシの鳴き声がうるさい。まずは蚊取り線香に火をつける。車の隣りにテントを張り、その横で食事の準備。コンビニで晩ご飯を買うのを忘れたので、カップ焼きそばでアワワを戴き、庭の畑で採れたキュウリを齧る。いい夕暮れのひと時。車のラジオを聞いているうちに夜の帳が降りてきた。
東の空から満月が上がって来た。明日も晴れるかな?
15日(金)
良く寝られた。ちょっと背中が痛かったけど…。4時過ぎには起きてあたりを散歩。
ピラフ味のα米ごはんで朝食。しっかり食べないとシャリバテしたら歩けない。キュウリとソーセージもサラダ代わりに。コーヒーで目を覚まして、さあパッキングできたら出発だ。
5:50 ゲートの横から岩間道を進む。まだ陽射しが届かないので涼しい。水場が心配だったが右の斜面から清冽な水が落ちてくる。林道はところどころ崩壊部分もあり、これでは一般車でなくても通れない。
右手に突然現れた建物は岩間休憩舎。市販地図では50分とあるが1時間近くかかってしまった。
すぐ上の川沿いにある露天風呂。パイプで熱湯と水が引いてあり、湯温調整できる。下山時ならここでひと風呂~(●^o^●)といきたいところだ。
- 岩間元湯の露天風呂
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一休みしてから、まずは墳泉塔へ立寄ってこよう。林道を登るがそれらしい分岐がない。そのまま進むと林道が終わってしまい踏み跡も怪しい沢筋へ入りこんだ。あげくにヤブを漕いで出たのは堰堤の横。かすかな踏み跡はあるが、いくらなんでもこれは縦走路とはいえんでしょう?
GPSで確認すると、やはりそれてる。湯谷の砂防堰堤だ。行き過ぎやないか!
さっさと引き返す。ウロウロ登ったり下ったりして、ふと草叢を見ると、トタン板が草に埋もれている。なんか書いてあるぞ?「岩間墳泉塔群…」
えっ?これは…、ここなん?
ケモノ道のような踏み分けが草ヤブの中に続いている。すでに30分のロス。ザックを降ろし、水だけ持って墳泉塔群への道へ入る。小さな張出し尾根を回り込み、最後は急斜面を中ノ川へ下る。ガイドには「天然記念物の墳泉塔群を見に来るハイキング客も多い」なんて書いてあったが大ウソだ。倒木だらけ、崩壊部分も放置、濡れた草ヤブでズボンはグショグショ…(@_@;)
慎重に歩いたので1時間近くかかって河原へ。降り立ったところには墳泉塔はない。湯気を出す吹きだしは何カ所かあり、熱い湯が流れになって河原に湯船を作っている。すぐ上流側に流れ落ちている小沢は、なんと、お湯だった!まさに湯谷である。
墳泉塔は川を渡って200mほど下ったところだという。その川は雪解け水でドウドウと流れておりとても渡渉などできない。左岸をヘツレば行けるかもしれないが、それほどの気力は湧いてこない。先が長いんやから…。
帰りは思ったより早く往復で地図のコースタイム通りくらい。
さて、次は縦走路だがどこから入るんだろう? 何か情報がないかと休憩小屋に戻り、ノートなどを見ていると、上半身裸の男性が現れた。縦走路の入り口を聞くと、「墳泉塔群の分岐とおなじところ」という。先に立って案内して下さった。草叢のトタン板を良く見ると「墳泉塔群」の文字の下に「岩間道」の文字もあったのだ。
草叢に入りすぐに右手斜面にケモノ道並の草の窪みがある。ここを上がるらしい。せめて道標くらいないんかい(><)。「これかあ…」と男性が指差す。標識の残骸が左の谷に崩れ落ちそうになったている。朽ちた倒木としか思えない。
男性にお礼を行って別れ、草や木の枝を掴んでケモノ道へ突入。九十九折れに草ヤブの道が続く。ササユリやゴゼンタチバナなどの花がせめてもの慰め。草ヤブがマシになると、今度は倒木や崩壊地が進路妨害する。
コエト小屋跡らしい平坦地を過ぎると、また急な尾根が始まる。ササにオオシラビソのような針葉樹が多くなり、やっと高山らしくなる。室堂8.4㎞の標識が倒れている(このへんの標識はほとんど倒れているが)。その先のピークに三角点標がのぞいている。腕の高度計ではまだ2000mに達していないが、どうやらここが薬師山(2023m)らしい。
いったん下り、登り返すと楽々新道と合流点に到着した。そのまま右手へ下る。今まではなかったハクサンコザクラがコイワカガミやミヤマキンバイなどと一緒に道端に乱れ咲く。踏まないように気をつけながら、まだかまだかと下って行くと広い台地の真ん中に新しい小屋が佇んでいる。
16:10、縦走路から右手に入ると本日のゴール。小桜平避難小屋だ。
- 夕日を浴びる小桜平避難小屋
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昨年秋オープンの小屋。文句なしの快適空間だが、ひとつだけ贅沢をいえば水場。近くに沢はないので小屋の前の溝が唯一の水場である。北側の斜面が水源だがこの時期は枯れ気味でブヨなどが浮いた溜まり水をカップなどで器に掬い上げる。これを漉して煮沸するしかない。それでも貴重な水だ。雪渓が大きい時期ならもっと水量は多く、流れているのかもしれない。
16日(土)
真新しい小屋を貸切の一夜が明けた。今日も晴れみたい。昨日の夕食の残りご飯とワカメ味噌汁で朝食。今日は白山を越えてゴマ平避難小屋までの予定。時間が合えば山頂でpanaさんとランデブーもありうるかも?
室内を掃除して、6時過ぎに出発。花がいっぱいの登山路を樅が丘のjctを越えて見返坂を登って行くと、清浄ヶ原からの雪渓が現れる。この下部なら水場があるのでは…? 躊躇なくザックを降ろして、雪渓を下る。避難小屋前の溜まり水で作った煮沸水以外は500mlも残っていないのだ。
100mは下ったが雪渓の下部には水流はない。もっと下の谷筋まで下れば水にありつけるだろうが…。
諦めて登り返そうとして上を見ると、雪渓の切れ目のトンネル内側から融水が垂れ落ちている。手を伸ばせば届きそうだ。500mlペットボトルで滴る水を受ける。なかなか溜まらない。一口飲んでみると冷たい!ボトルを持つ手が痛いほどだ。なんとかボトルいっぱいにする。
- クロユリと青空
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さあ、ここから100m登り返しだ。雪渓は滑るのでコバイケイソウが茂る溝型部分を登る。気がつくと回りはクロユリの群生。他にも白や黄色の花が咲きそろう。
稜線の縦走路に戻る。1時間近い時間ロスだ。なかなか予定通りには行かないが、飲み水がなくなるよりはマシだろう。
ひと登りするとハイマツ帯の平坦尾根になり、目の前に七倉山が迫る。緑の中のジグザグの登山路が南米イスカの絵文字みたいだ。あれを登れば白山はすぐだ。
急な斜面を我慢して登り、右へトラバースするように回り込むと四塚山からの道と合流。左へ進むと七倉の辻へ降り立つ。9:40。ここは釈迦新道、加賀禅定道との四つ辻。5分ほど休んで大汝峰へ向かう。
歩き始めてから初めて人と出会う。単独の男性。挨拶だけしてすれ違う。御手水鉢という巨岩。名前だけかと思ったら、上部の窪みにきれいな水が溜まっている。いざというときには命の水になるかも?
大汝峰を越えるのはシンドそうなので迂回路を進む。御宝庫といわれる岩峰が見えるとあとわずか。人が鈴なりになってる。大汝峰と御前峰からの道の合流点に標識がある。10:50。荷物を置いて御前峰ヘ行ってもいいのだが、どうやらこの先も長そうだ。あまり時間の余裕はない。
そのまま進んで北縦走路の下り口付近でランチにする。ここからまだ8.5kmもある。地図のコースタイムでは4時間半。12時に出ても5時前か…。下り中心とはいえ初めての道、ちょっと不安になる。
12時少し前に出発。岩場を下るとやがて雪渓に入る。これがヒルバオ雪渓か…。このまま稜線南側を下り「お花松原」あたりで稜線に戻る、というルートらしい。
- ヒルバオ雪渓
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雪渓は緩んではいるがアイゼンを忘れてきたので歩きにくい。ガスが濃くなったり晴れたり。晴れると全景が分かり見通しが効くのだが…。
左の稜線から枝尾根が延びてきているところで水音がする。沢だ!
荷物を置いてポリタンとペットボトルを持ってダケカンバのヤブを分け入る。雪渓からの雪解け水が小さな沢になって流れている。まずは体にタップリと給水。2Lポリタンの煮沸水は捨てて新鮮水を充填。500mlボトルも冷たい水で一杯にする。さらに顔と頭を洗いタオルを絞って汗を拭く。あーーーー!気もっちえ―!
ヤブから出て雪渓に戻り少し下ると枝尾根の先端から先ほどの沢が雪渓に流れ込んでいるではないか! ヤブを漕いで水汲みに行かなくても、ここで汲めば良かったんだ~(@_@;)
そんな悔しさも苦笑いで済ませられるくらい、水効果で上機嫌な自分であった。ここまでは…。
雪渓がブッシュで分かれ細くなる。ちょっと変だぞ? この後、雪渓の斜度がきつくなるし…
ここで頼みのGPSの出番だ。あれ? 反応しないぞ? えーっ!バッテリー切れだ。予備、予備ッと。ザックを開けて予備の電池を探す。入れ替えると位置情報をゲット。トラック履歴は大汝峰迂回路の途中までで切れている。
で、ここは…っと。おやおや、北縦走路はもっと上の方だ。雪渓を下りすぎ。このまま下れば小白水谷を大白川ダムヘ下ってしまう。そうなればポポンタツアコンにお助けメールでも入れるしかないではないか。
しかし、それほど大きく逸れているわけではない。GPSに従って雪渓を稜線へ向かう。標高差50mほどで縦走路に出る。co2349ピークとの鞍部がお花松原。正しい道に戻れてホッと一息。多彩な花たちが出迎えてくれ、雪解け水がジャージャーと大地を潤す、まさに天国のような一画。時間があれば一休みも二休みも、洞吹さんなら昼寝でもすることだろう、別天地である。
でも、休んではおれないのだ。ひたすら前に進むしかない。時間が、時間がないんだから~~!(@_@;)
北弥陀ヶ原の池塘のほとりにはハクサンコザクラが咲き乱れている。なんて意地悪な!こんな天国を急いで通り過ぎないといけないなんて。せめてちょっと一休みしましょう。
荷物を降ろし、GPSを確認…と思ったらポケットにない! えー!またか!
そうか、さっき足が縺れて頭から突っ込んだあたりで抜け落ちたか…?(><)
う~ん、他の物ならいざしらず、GPSは探しに戻るしかないやろ…
と立ちあがったとき、ふと思い出した。前回みた後、ポケットからザックの肩帯に付け替えたんでは?
ああ、そうだ!と見ればちゃんとあるではないですか!
もう~! 安心するやら呆れるやら。
まあ、あってよかった紛失事件その①でありました。(ということは、その②も?)
もう14時半。ここからまだ2時間半もかかるらしい。5時には着きそうにない。ニッコウキスゲが咲く、本来なら快適な尾根道だ。「地獄覗」の標識。えっ?まだやったん? 通り過ぎたとばかり思っていた。それだけ頭が疲弊していたってことか。ガスで地獄尾根は隠れたままだ。
急な下りの後、登り返して間名古の頭を巻き、三俣峠から尾根を下ればゴマ平避難小屋だ。しかし、地獄覗あたりから極端に疲労感が激しく、力が出ない。とても登り返しは無理そうだ。
そう言えば、6月の赤兎山でもバテた。あれは二日酔いの言訳ができた。次の穴毛谷の下山でもバテた。あれも登りで調子に乗り過ぎた言訳ができた。しかし…(-_-;)
3度続けば言訳はできない。これが体力の実態なんだ。あと少しとはいえ、このままではどこまで歩けるか…? 最低限、明るいうちに小屋まで辿り着かないと。
鞍部まで下って決断する。ザックをデポし、シュラフと雨具、行動食と水だけ持って空身で小屋へ向かうことにする。おっと、ヘッデンを忘れずに。
ザックに雨カバーをかけ道端に置く。荷がないだけになんとか歩けそうだ。間名古の頭の巻き道は思ったより平坦で助かる。すぐに三俣峠。日没間近、最後の急坂をまだかまだかと下り、小屋が見えたときはやっと生きた心地がした。
人声がして、入ると薄暗い中、数人がもう就寝体勢だ。そりゃもう7時半だもの。
水だけ飲んでシュラフに潜り込む。とにかく一晩寝たらなんとかなるだろう。
17日(日)
背中も膝も痛くて寝苦しい夜も、朝方には熟睡したみたいだ。小屋を出ていく同宿者の物音で目が覚め4時過ぎに起きる。
同宿は石川県のご夫婦と京都の4人組。ご夫婦は先に出発された。
5時過ぎ、4人組に先立ってザックを回収に向かう。昨日はデポ地点から2時間かかった。こちらからは登りなのでもっとかかるかと思ったら1時間半で着いた。夜露にも濡れず待っててくれたザックを回収し引き返そうとしたところでテント泊の単独男性に出会う。聞けば自分とは逆コース回りで同じルートらしい。エール交換して別れ、少し進むと4人組がやって来た。それ以来は誰とも出会わず、小屋へ戻る。
- 火の御子峰(17日)
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命の恩人の避難小屋はちょっとトイレ臭がきついが贅沢言ったらバチが当たる。遅まきなのか早すぎるのか? 朝昼食にする。水場は北縦走路を少し戻ったところで豊富な沢水が汲める。やはり水がある小屋はいい!
最後のα米ご飯は五目飯。オニギリ2個分の量をペロリ。さすがに腹が減っている。塩コンブに熱湯で立派な昆布スープができる。最後のソーセージも。これで中宮温泉までノンストップだ!
9:45 小屋出発。距離にしてあと8km、5時間半ほどの下りだ。遅くなったが15時半くらいには下山できるだろうか…? その後、あの導水管登りが待ってるけど…。
まずはシナノキ平避難小屋が目標。カエデ坂を下り、滝ヶ岳を登り返して下り、少し登ればいいみたい。
と思いながらカエデ坂を下る。ふと、まさか忘れ物は? と気になり、ポケットを探る。
ん? 右のポケットがヘンだ。あるはずのモノの感触がない。あれ~?
ザックを降ろして探し直す。絶対に無くしてはいけないもの…車のキー!
GPSのように移動させた記憶はない。何回か確認したときは必ずあったのに…。
頭を巡らせる。昨日寝たときに落ちたとしたら小屋の中か、シュラフの中。それ以前なら縦走路のどこかだが、探しようがない。とにかく小屋まで引き返すしかない。時計を見ると小屋を出て30分ほどだ。今なら往復1時間ほどのロス。今日は時間に余裕があるから大丈夫だ。
空身で引き返す。この山行、何回こんなことやってるんやろ? ゴマ平避難小屋に入るのはこれで3度目だ。有ってくれよ~と祈りながら中に入る。……ない。きれいに片付いた床にはなにも落ちてない。
それでも確認はできたので心残りはない。あとはシュラフの中だけ。そこにもなければ諦めるしかないのだ。
どうするのかって? うふふふ、こんなこともあろうかと財布の中にスペアキーを忍ばせてあるのだ。だからこそのこの余裕。ザックを拾ってそのままシナノキ小屋へ。丁度14時。地図だとあと3時間だ。あまり休んではおれないが、シュラフを出して確認する。やはりキーはない。
しかし、これだけいろいろあると歩きながら不安になってくる。大きくは二つの不安。
まず、発電所の導水管はほんまに登れるのか? どんな階段なんやろ? ダメだったら林道を迂回するのに10㌔以上ある。
次に、車までたどり着いても、このスペアキーって、ホンマに今の車のキーやろか? いつ確認したかなあ…?
そんなことを考えると気が重くなるので、ひたすら下ることだけ考える。
co1150mあたりからco700mまで清浄坂を一気に下る。中宮温泉では帰り支度の観光客に胡散臭そうに見つめられる中をトボトボとさらに下る。重いザックを中宮橋のたもとにデポ。2kmほどの車道歩きで発電所へ。
日曜日の今日は作業は休みで橋には鎖が架かっている。導水管の始まりはなんとトンネルだった。真っ暗の階段を慎重に登る。斜度は45度くらい。休み休み10分ほどでトンネルは終わり、外の階段になる。斜度がさらにきつくなる。下は見ない。右手の手すりパイプをしっかりつかんで一歩ずつ上へ向かう。最後のほうは斜度が緩くなり、上の林道に出るまで30分は掛かった。標高差で200m近くはある。
駐車場へ林道をさらに20分。さあ、キーが合うだろうか?
恐る恐るバックドアの鍵穴に差し込む。入った!左に回す。カチッ!開いた!
次はエンジン。スペアなんでドアとエンジンは別ってことも…頭を掠める。
差し込んで回そうとするが回らない?!なんで…?(@_@;)
一度抜いて、逆向きに差し込む。回す。回る!エンジン始動!!!
もう、力が抜けそう~~~~(@_@;)
すべての不安が解消した。結局キーは出てこなかったが、これで家まで帰れそうだ。ザックを回収したあと、一里野の「天領」(日祝は午後9時まで営業)で汗を流す。
無性に腹が減っている。無事生還のお祝をいよう!
R157で勝山に出て中華料理店で餃子を買い、コンビニ駐車場の端っこに駐車。アワワなどを仕入れて車中ひとり宴会だ。
翌朝帰路につく。
きっと今でしかできなかった、念願の山行だろう。もっと書き込みたいことはいっぱいありそうだったが、出来事がいっぱいあり過ぎた山だったのだ。疲れた頭の引き出しからは、なかなか記憶が出てこない。
~biwaco