【 日 付 】2011年7月16日〜18日
【 山 域 】 北ア
【メンバー】 単独
【 天 候 】 晴れ・晴れ・薄日
【 ルート 】★7/16 富山IC~5:25地鉄立山駅駐車場〜7:53室堂8:00~雷鳥沢~10:20別山乗越10:45~剣沢雪渓~14:00真砂沢ロッジ(泊)
★7/17 5:30~6:10長次郎谷出合~7:50熊の岩8:15~9:50長次郎のコル~10:30劔岳11:10~(渋滞約1時間) 12:25平蔵コル~13:00前劔~14:35一服剱~15:10剣山荘(泊)
★7/18 6:35~8:10別山乗越8:45~10:25雷鳥荘10:45~11:05みくりが池温泉12:05~12:17室堂〜13:37地鉄立山駅
根がミーハーなもので2009年の映画「劔岳 点の記」の初登頂コース(長次郎谷左俣)狙ってました。
梅雨が早く明けて例年より雪が多く、これ以上の条件はないと、真砂沢ロッジに電話して「行けますかね?」と聞いてみたら、「大勢行ってる。天候は安定してるし雪渓の状態は問題ないよ。アイゼン、ピッケルは勿論、ヘルメットも持って来てね。」とのことだった。問題は5月以来3ヶ月ぶりの体力の方だ。
【1日め】
今日は室堂から別山乗越へ500mくらい登って、そのあと剣沢雪渓を真砂沢ロッジまで約900m下るリハビリコース。
室堂でバスを降りると快晴で暑い!別山乗越まで暑さにヒーヒー言いながら登り、少し休んでから、剣沢を下ってゆく。 剣沢小屋から10分くらい下ると剣沢の雪渓に入る。ここでもノーアイゼンで大丈夫で雪はたっぷりある。
でも途中からアイゼンの練習も?しながら、剣沢小屋から1時間くらいで平蔵谷の出合だ。
平蔵谷は上部のコルまで一直線の明るく開けた谷で、見上げると低く見えるが傾斜はかなりありそう。
- 平蔵谷の出合
さらに15分くらい下ると明日登る予定の長次郎谷出合である。後から下ってきたペアの人に「行けますかね?」と聞くと全然大丈夫ですよとの答だった。「で、あなた方はどちらに?」「僕らはこれから源次郎尾根を登ってビバークするんですよ。」とカラビナをガチャガチャ云わせていた。そんな人に大丈夫と言われてもなあ、俄には信じられん。
- 長次郎谷の出合
宿泊予定の真砂沢ロッジに2時には到着した。気温は28℃もあり暑く、掛け湯が嬉しい。
小さくて古い小屋(失礼!)だが、常連さんが小屋前で楽しそうに喋っていてコアなファンが多そうな小屋である。
親父さんがほとんど一人で切り回しているようで、経営が成り立っているのか心配になってしまう。
夕方までガスも出ず、ずっと稜線が眺められた。
【2日め】
いよいよ今日は長次郎谷を登る日である。昨日小屋の親父さんから何時出発と聞かれ、4時30分と答えたら、「遅いな。皆3時30分くらいに出てくよ。」(何で?)お言葉通り2時30分ころから「森のくまさん」のアラームは鳴るは、複数の人がヘッドランプは点けるは、がたがた用意するはで、結局3時30分くらいには起きてしまった。今日も天気は良さそうだ。
でお弁当をもらってコーヒーを頂いてから結局5時30分に出発した。10分くらい歩いてから小さな滝で雪渓が切れているところを巻いて、アイゼンを装着し長い雪渓歩きが始まる。谷に入るとき剣沢から下ってきたペアがいて、ほぼ一緒に登り勝手に写真のモデルになってもらった。しかし何という好天だろうか。雲ひとつない真っ青な空に岩と雪が映えて、脳天がくらくらする。山に登る人でこの情景に感動しない人がいるだろうか。
出合から傾斜30度くらいまでの雪渓をひたすら登って1時間30分ほどで標高2600m付近にある大きな横長の「熊の岩」に着く。ここで遅めの朝食とした。ここで谷は右俣、左俣に分かれる。左股は熊の岩のところで雪が溶けて細くなっており、今年は雪が多いので通れるようだが、普通はいったん右俣に入り熊の岩の上側を巻いて左俣に入り直す。急がば回れで右俣経由としてみた。
熊の岩を巻いてからはコルに向かって一気の直登である。傾斜は少し強くなり30~40度くらいか。
長次郎谷は、左岸が八ツ峰、右岸は源次郎尾根で区切られていてどちらも岩登りの領域である。今日は最高のコンディションなので、どちらの尾根にもクライマーが見えていた。
- 長次郎のコルに向かって一気に登る
とにかく長い谷を登り終え9時50分についにコルに到着。コルの手前で雪渓がシュルントで切れてきていたが、少し回りこめば何とか繋がっていた。アイゼンを片付けてここからは稜線だ。ルートは見つけにくいというほどでなく、危険なところもなく、一部はほとんど道になっていて約25分で劔岳本峰頂上に到着した。劔岳頂上は以前に早月尾根から登頂していたし、多くの人で混雑していたが、深い満足と感動を覚えた。
下りは一般路別山尾根を初めてたどる。下りの岩場(カニのヨコバイ)で約1時間渋滞しうんざり、疲れきって剣山荘に宿を取ることにした。本当はもっと行きたかったがバテバテである。(このあたりがやはり久々の影響か)
剣山荘は大きくて新しい(畳を新調した香りがしていた。)素晴らしい小屋で、3名入れるシャワー室もあり、比較的空いていてのんびりと過ごすことができた。
【3日め】
今日は室堂まで下るだけなので、いつも以上にのんびりスタートである。台風6号が来ているので天候は下り坂。
朝はモルゲンロートが見られた。まず朝食前にコーヒーを沸かして、朝食後宿のBSテレビでW杯「なでしこJAPAN」の
PK戦をLIVE観戦した。アメリカの1本目をGK海掘さんが横っ飛びをしながら足で止めたときと、最後のキッカー熊谷さんが決めたときはは痺れた。剣山荘でこの感動を得られるとは。今回の山登りもついていた。
6時35分に出発、別山乗越まで登り返し、真砂沢で一緒だった人たち(男性1人と山ガール2人)と30分以上お喋り。
今日は薄曇りだがあまり暑くないのがいいし、眺望は非常に遠くまで見える。白山や妙高、能登半島がはっきり見えていた。次に雷鳥荘で入浴しようとしたが11時からとのことで入れず、仕方なく?ビール休憩。(本当は雷鳥荘、みくりが池と連闘(連湯?)するつもりだったが)
そしてみくりが池温泉で入浴し、またお湯を沸かしてコーヒータイム。よろよろ歩いて室堂に到着した。
六右衛門(YaS)