【日時】2011年7月3日(日)
【山域】北ア南部・穴毛谷
【天候】曇
【メンバー】バーチャリ、とっちゃん、Biwaco、ふ~さん、たんぽぽ
【コース】
新穂高駐車場5:20---穴毛谷最終堰堤 7:00 --- 雪渓末端(1,500m地点) 8:00 --- 9:20 穴毛谷御本尊 10:15
--- 穴毛大滝 10:40--- 穴毛大滝上部尾根11:40 --- 13:10 杓子平 14:40 --- 穴毛大滝上部尾根15:40
--- 穴毛谷御本尊 16:45--- 雪渓末端(1,500m地点) 17:50--- 穴毛谷最終堰堤18:50 --- 新穂高駐車場 19:40
2011たんぽぽツアーは諸事情により二度の挫折を経て、7月に入りなんとか実現できる運びとなった。
今回は穴毛谷から杓子平をのんびりと楽しんでいただこうという企画で、穴毛初体験というBiwa爺ちゃまとふ~さんはすでに興奮気味の様子。夏休み前でガラ空きの新穂高無料駐車場を後にして、蒲田川に架かる橋を渡ると今日もすごい水量だ。
前回はドボン事件(詳細は割愛)もあっただけに不安がよぎるが、今回はたんぽぽリーダーを陰で操るとっちゃんからの指示で全員が沢靴をザックに忍ばせているのが心強い。
- 雪渓のはじまりだ
さて、問題の徒渉ポイントは穴毛谷堰堤群の中にある。
まず、ふ~さんが渡って魔法のロープをスルスル~と出して姫たちは無事対岸へ、最後にぽぽんたが渡って全員が穴毛谷に入ることができた。堰堤群を越えるとすぐに雪渓末端が確認できて驚いた、7月に入っても雪渓は後退していないようだ。
数回の徒渡を繰り返すと最初の雪渓にのることができた。
ここまで来れば沢靴は用なしと判断し、ここへ全員の沢靴をデポ。
デポ地点を忘れてしまうことはよくあるが、5人もいれば大丈夫だよねと皆で笑っていた。
しかし、これが後で大ハプニングになろうとは誰も知る由もない。
雪渓は一度途切れた後はずっと繋がっているようなので、アイゼンをつけて快調に進んでいく。
Biwa爺ちゃまは新調したカワセミブルーのピッケルでご機嫌だ。
雪渓はズタズタに切れてるんじゃないかと心配していたが、以前6月に訪れた時と雪渓の状況はよく似ているので安心できる。
三ノ沢、四ノ沢と見送っていくが、上部がガスっていてお楽しみが少ないのが残念。
カワセミブルーのピッケルで勢いづいて先頭を切って行くBiwa爺ちゃまのずっと後方にいるとっちゃんが、「コレコレ」と囁く・・・
おおっ!これが穴毛観音さまであるか、恥ずかしながらぽぽんたも今日が初見なのである。
観音さまのすぐ奥に生娘クラック(ぽぽんた命名)があり、前回はこれをご本尊と勘違いして拝んでいた。
どうして気がつかないものか自分でもよくわからない。
- 観音さまの中から・・・ 雪渓上の二つの赤点は我らが姫君なり
穴毛観音さまの御前で姫二人と休んでいると、Biwa爺ちゃまとふ~さんがモゾモゾと動き出しガレをよじ登っていく。
どうやら観音さまの方に向かっていくようだ、こうしてはおれん!
全然その気がなさそうな素振りのぽぽんたも観音さま目指して登りはじめる。
二人をグングン追い抜いて観音さまに一番乗りだ、目標が観音さまとなれば普段は出ないパワーが出るというもんだ。
これで誰が一番ドスケベなのか姫たちにバレてしまったが、まあヘンタイよりはドスケベの方がマシであろう。
さ~て、観音さまの中に踏み入り、10mほど進んで奥壁にタッチ、もちろんヌルヌルだ。
外を振り返ればあの二人もどんどん登ってくる、ずっと下の雪渓で待つ二人の姫はきっと呆れているに違いない。
三人が観音さまの中に揃えば大はしゃぎで記念写真の撮り合いとなった。
観音さまから出てきたBiwa爺ちゃまは10歳以上若返ったぞ~と叫んでいる。
大滝へ向かう足取りも強く別人になったようだ。
雪渓歩きが2時間に及び、とっちゃんにとっては苦手な場面のようだ。
穴毛谷御本尊で遊びすぎてしまったので予定よりやや遅れて大滝に到着。
天候がよくないので前進するかここでUターンするか決を採ろうとすると、ふ~さんがぽぽんたリーダーに判断にを委ねたいと言うではないか。
ふ~さんよ、そう出たか!南白山の件で作ってしまった多大な債務を少しでも弁済せねば。
雪だるま式に借金が膨らめばデフォルトぽぽんたとも言われかねない。
上部はガスっているが雨は降ってない、よ~しザイテンタールを登ることにしよう。
- 大滝バックに ハイチ~ズ
ザイテンタール中間部から大滝上部の小尾根に出れば展望台に出る。
足元にはコイワカガミ、ハクサンイチゲ、シラタマノキなどが咲き誇り、ひと足早い高山の夏が訪れている。
展望台を少し下っていくと大滝周辺部を上手く俯瞰できるポイントがある。
ここで各人が大滝に挑戦を挑む、こういう場面では若輩者のぽぽんたがいい成績を上げねばなるまい。
展望台を過ぎると慎重な雪渓歩きがはじまる、ここからは穴毛本谷のような巨大で安定した雪渓とは違うのだ。
最初に現れた滝は中央突破を考えたが雪渓との隙間が深すぎて進めない、右から巻いて滝の下まで降りてから滝の脇を登っていく。
二つ目の滝はきれいで印象的だったので2年前の記憶が蘇ってくる。
前回は雪解けが進んでいてその滝を見渡せたが、今年は雪渓が大きくてその大半は雪に隠されている。
アイゼンでガリガリ音を立て、シャワーを浴びながら登っていると後続のふ~さんが「これじゃあ、沢登りや~」と、ぼやきとも悦びともつかぬ言葉を発している。
ようやく単調な雪渓歩きから開放されたというのに、ふ~さんからの思いもよらぬの発言ではないか、この季節はスノー&シャワーこそが雪渓遊びの醍醐味ですぞ!
とっちゃんはお喜びのご様子だが、Biwa爺ちゃまは滝が現れる度に萎えていくのがわかる。
観音さまから授かったパワーはすでにダウン、滝を避けてヤブの中を巻いているようだ。
バーチャリさんもBiwa爺ルートの方がお好みらしい。
滝となって流れ落ちていた水流が細くなってくると平坦地に出た、そこは杓子平モレーンの直下だ。
本日のお客さんは意外なことに3人が杓子平と笠新道が初めてというので、笠新道の降り口まで行って蒲田川方面を覗いてくるという。
居残り組のとっちゃんとぽぽんたはランチの準備をはじめる。
今日のとっちゃんザックはコンパクトだったが、いつものように出るわ出るわでありがたい、感謝、感謝です。
たんぽぽ居酒屋も小規模ながら少し店を出させてもらった。
楽しい時間はすぐに過ぎて気がつけばもう2時半だ。
雪渓を一気に下ってザイテンタールの小尾根、〇〇展望台で一休み。
くつろいでいると、ゴッゴッ~とすごい地響きのような轟音。
地震?ヒコーキ???何が起きてるのかわからず皆がキョロキョロ、すると目の前の雪渓が崩落した。
ドッドッドッド~ッ!!!
自分たちがさっき通過したところのすぐ近くだ、クワバラ、クワバラ。
大滝まで下ればもうひと安心、当分はのんびりと雪渓歩きが続く。
観音さまの前ではアホおやじ3人組がまたはしゃぎだす。
ひざまづいたり、正座したりと崇拝のポーズだ、ぽぽんたは拍手を打っていっぱいお願い事をした。
- モレーンの下でランチタイム
雪渓末端まで戻ったところでハプニングが発生。
5人とも沢靴デポ地点がわからないというのだ、これって5人全員がアルツってこと?
ふ~さんが登り返して探しに行くが見当たらないので大捜査網が敷かれることとなった。
ふ~さんはもう一度上から探し直し、Biwa爺ちゃまはずっと下を偵察。
バーチャリさんは中間部で手信号係、とっちゃんは笛を吹くということになった。
結局、Biwa爺ちゃまが探し出してくれたが30分のロスタイムとなった。
それにしても当てにならない人間ばかりが揃ったもんだ。
穴毛堰堤群に近づいた頃、Biwa爺ちゃまがヨレヨレとなってきた。
どうやら観音さまからいただいたパワーは完全に使い切ってしまったらしい。
最終堰堤でひと休み、呼吸を整えて最後の徒渡ポイントを通過すれば楽しかった穴毛ツアーも終了した。
4人のお客さん、長時間の穴毛ツアーにご参加ありがとうございました。
それにしても今日も長い行動時間だったなあ、そろそろこのパターンから脱却しなくては・・・