2011年7月8日(金) 曇り後晴れ
奥美濃 上岩井谷~国見岳~下岩井谷 沢歩き 単独
6:15 尾西白山神社 → 6:30 堰堤 → 7:35 300m滑 → 9:35~11:15 国見岳山頂 → 11:35 北東尾根下降点 → 13:45 尾西白山神社
何時ものように織姫と彦星の年一回のデートは雨となって今年も会えずじまい。彦星は欲求不満溜まるよなあなどと馬鹿な事を考えながら国見岳スキー場手前の集落、尾西に向かう。
白山神社の脇に車を停めて続く林道を歩いて上岩井谷を奥に進んでいく。この林道は奥まで舗装されていた。林道終点から鉄製の橋を渡ると奥に大きな堰堤がありここを右岸側から越えると二俣にでた。右俣が本流のようだ。
小さな沢なので水量は期待していなかったが雨後なのでそれなりの流れになっている。入りは薮沢っぽいがすぐに歩きやすくなる。左岸には植林が続くが里に近いところだから仕方がないところか。
やがて滑滝や3~4mの滝が現れる。何れも普段はチョロチョロなのだろうが今日は水量が多く豪快だ。そこをシャワーで越えていくのが気持ちがいい。花崗岩なのでフリクションが利いて楽しく登れる。
5mほどの滝をこれも半身シャワーで越えていくと眼前に目を見張る風景が広がった。見通す限りの滑床を豪快に流れる水流。距離にして100m弱ほどか。まさかこんなのに出会えるとは思わなかった。
嬉しくなって水流の中を歩いていく。時には斜度のあるところをシャワーで越えて実に楽しい。わざわざ遠い名のある沢に行かなくても身近にこんなすごいものがあるのだ。しかも滑は見えていた部分だけではなくその先にもずっと続いていた。いい加減水流の中を歩くのに疲れを感じてきてもまだ続いた。一体何処まで続くのだ。
滑は結局300mほど続いた。この辺りでは竹屋谷の滑がすごいと思っていたが印象的にはそれを凌いでいる。ただ水流の豪快さは雨後限定であるが。
滑は終わっても滝はまだ続く。滑で身体が冷えきってしまっていたがそれでもシャワーで越えていく。だんだん薮沢っぽくなってくると二俣にでて直登目指して左俣に入る。
左俣はすぐに薮の急斜面となる。薮をかき分けかき分け進んでいくと上部の方で踏み跡が沢を横切っており辿ると北東尾根に出た。あとは尾根上を進めば楽勝と思いきや山頂台地に出る手前の薮がきつかった。
山頂台地はかつて電波塔の建っていたところで今は施設が完全に撤去されており広々としている。その一角で休憩する事にして装備を解き空荷で最高点を踏んでくる。生憎ガスがかかっていて最高点からの展望はなかった。
腰を落ち着けてゆっくり休む。天候は徐々によくなってきているようで正面に見える貝月山やブンゲンも次第にガスが晴れて全体が見えるようになってきた。そこに刻まれた沢の幾つかを歩いた記憶が蘇る。これからあとどれだけ歩くのだろうか。
下山は下岩井谷を下る。山頂台地に出るとき通った薮を逆に漕いで北東尾根を進んでいく。薮を越えると尾根上に割と明確な踏み跡が続く。それを追っていくと花崗岩がむき出しになったピークに辿り着く。ここから下岩井谷に向けて下降していく。
源頭部は足下が不安定な急斜面で慎重になる。流れが出てくると岩に挟まれたルンゼ状を下っていくようになる。
やがて沢が落ち着き巾も広くなってくるとそこそこの滝が幾つか現れるが登りのインパクトが強かっただけに物足りない。
また植林が早くから現れ趣に欠ける。ただ時折吃驚するような大岩が植林の中にあり、まるで植林が大岩を逃がさないように取り囲む檻のように見えて楽しかった。