【奥美濃】黒津山(1193.5m)から天狗山(1149.2m)周回
【行き先】 岐阜県揖斐郡・黒津山(1193.5m)から天狗山(1149.2m)
【期 日】 2011年2月26日(土) 前夜泊日帰り 快晴
【メンバー】 山日和、柳川洞吹、とっちゃん、矢問
【コース】 道の駅「夜叉ヶ池の里さかうち」260m-広瀬城跡(小谷山城)Ca461m
-アラクラ1163m-黒津山1193.5m-天狗山1149.2m-道の駅
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26日(土)は快晴予報「奥美濃へ行きましょう!」と山日和さん。しかもロングコースだ!
前夜23時に多賀SAで待ち合わせ。山日和号には洞吹さんも。とっちゃん号も到着。
木之本ICを0時過ぎに出るべくSAで時間調整して3台とも休日割引で高速を出る。
国道303号線を快適に走り道の駅「さかうち」に1時前に到着し仮眠。早朝勝負だ!
5時半起床ということだが、4時過ぎに目が覚めた。トイレに行くと満天の星空。「よし!」
横の2台の仲間の安眠妨害にならないように、5時に車の暖房をつけて軽く食事をする。
とっちゃんが起き、しばらくして山日和さんが「トイレで仮眠してた」と訳のわからない
ことをいいつつ起きてきた。耳栓を忘れて某安眠妨害音から避難していたらしい。
「そりゃ、きっと今日はウンがつきますよ」と僕。「だといいが・・・」と山日和さん。
「おはようございます」三木から来たという登山者は湧谷山へ登るらしい。
次に来た宮崎ナンバーの単独行は、道の駅の裏から天狗山方面へと消えていった。
6:45
フリースも脱ぎ、道の駅から出発。
旧坂内村役場であった坂内振興事務所の西側からの広瀬城跡への遊歩道を登る。
雪が早朝低温で締まっているものの膝くらいまでありズボズボはまる所もある。
10分ほど登った所の竹林で「スノーシューをつけましょか~」と早々と山日和さん。
やはりスノーシューは力が抜けることなく歩けるので楽だ。
7:25
広瀬城跡(小谷山城)。小さな城の作り物と左手には石仏がある。
木々の間から少し展望がきき、湧谷山方面が見える。
Ca910mで小休止。とっちゃんからおはぎを頂く。
「あれが金糞岳、あれが○○山」と山日和さんが教えてくれる。
この先はシャクナゲのヤブらしいが、今は雪の下。ほんの少しシャクナゲの枝と葉が見え
る程度だ。雪がしっかり締まっていてラッセル無しで快調に進める。
陽が出てやや暑くなってきたが、弱い風が冷たくて気持ちよい。快調だ。
「おっ、リスだ」太い尻尾を挙げて雪面を右から左へと走っていく。鹿の足跡などもある。
数日前のワカン跡やスキーの跡もうっすらと残っている。大きな熊の足跡も・・・。
黒津山の山頂が姿を見せはじめ、その右手に続く尾根に視線を進めて天狗山の姿を見ると
思わず「うわ~、こりゃメッチャ遠いなあ!!」と声が出てしまった。
しかし僕にとっては、疲れも出ない気温と雪質が味方してくれ今日は快調そのものだ。
「稜線の雪質次第では今日はホントに周回できるかもしれないぞ!」と確信し始めた。
アラクラも眼前に見えてきた。一旦P970mから下って登る。ここの登り斜面の雪が少し
陽の光を浴びて緩んでいたが、まだ大した緩みではない。
一歩一歩クランボンをきかせて登っていく。
アラクラのピークに到達した山日和さんが万歳をしている。展望が良さそうだ。
10:45
アラクラ1163m。素晴らしい展望と素晴らしい雪原。風が冷たくて雨具を羽織った。
眼前の黒津山の山頂が間近に感じる。
北側の展望も素晴らしいく、五蛇池山から蕎麦粒山への縦走路や、能郷白山の素晴らしい
白い姿が目に飛び込み、冠山や若丸山、烏帽子山、三周ヶ岳など、山日和さんととっちゃ
んの同定を横で聞いていると、洞吹さんもゆっくりと到着。
しばらく展望を楽しみつつ素晴らしい山々の写真を撮りまくる。
「あの山にたんぽぽさんが今日登っているはず。取り付き地点まで無事に到達できてるか
なぁ。取り付きまでが遠いし・・・」と黒壁山(高丸)を指さす山日和さん。
黒津山へと出発。心配していた雪庇はかなり落ちてしまっているが、ミルフィーユのよう
に何層にもなっている雪の厚みが4~5mありそうに見える。
「雪庇の落ちた跡というより、雪堤という言葉がぴったりだなぁ。今僕たちが歩いている
ところは無雪期には空中ですよ」と山日和さん。
山頂への急登も雪質が締まっていて快適に登っていける。
山頂手前から五蛇池山への尾根の分岐地点で、真新しいワカンの跡が黒津山の方から来て
五蛇池山方面にそのトレースは伸びていた。朝、天狗山へ行ったと思われる宮崎ナンバー
の単独行の登山者のものとしたらすごいスピードだ。
「五蛇池山から蕎麦粒山、そして湧谷山まで行って戻る予定かな。健脚だ」と山日和さん。
11:30
黒津山1193.5m。360度の大展望!
山頂から少し先で早めのランチとした。雪スコで4人用のテーブル作り。
.無線機を出して11:45a.mにAPRS発信。突然携帯電話が鳴った。
家にいる相棒から「無事の登頂をGoogle地図で確認したよ!」メールが入る。
快晴で風も無くて気持ち良いランチタイム。とっちゃんから生姜煮のイワシを頂いた。
「2週連続でハンドル名通りのこれぞ山日和~」と僕。「気持ちいいね」と、とっちゃん。
13:10
黒津山から、北側の展望を楽しみながら天狗山へと出発。
この山頂間の尾根は初めてという山日和さんの足取りは軽い。
ここから一旦標高差150mほど下る。左にダム湖を見ながらなかなかの急下降だ。
「せっかく登ったのに150mも下ってまた登るのか~・・もったいない・・」と僕。
「150mかぁ。ふ~ん。大したことないよ。しれてるしれてる」と、元気なとっちゃん。
奥美濃の東側の山々の展望が広がり素晴らしい。
急下降を終えて傾斜が緩むとブナ林に突入した。「ええ感じよね~」と、とっちゃん。
「想像をはるかに越えて素晴らしい!奥美濃の尾根上のブナ林としては屈指のものと思う」
と山日和さんも満面の笑み。
山日和さん以外の3人は、ここは初回尾根なのになんとラッキーなことか!。
Ca1042m付近は、ブナの雰囲気も素晴らしく、テントを張るには最適な感じの場所だ。
「な、なんじゃこりゃ!」と山日和さんの笑顔が突然曇った。
人間のものと思える廃棄物が、紙と共に丸出し状態。テント泊した跡らしい。
ここ数日で雪が溶けて丸見えになったのだろうが、ルートのど真ん中とは大胆な・・・。
天狗山への登りの手前には、池のように窪んだところがあった。
「天狗山への最後の登り。あと一息!」と山日和さん。
足はまだ疲れていないが体が熱くなってきたのでスピードをセーブしつつ登った。
今月はじめに、この斜面のブナの所でランチにしたという山日和さん。
14:20
天狗山の山頂。「やったぞ~!ふぅ~」
「おつかれさま。やりましたね。矢問さんもこれで完全復調ですね」と山日和さん。
「いや~、まだまだ筋肉は戻ってないと思うけど、体は軽いし先週に続いて天気と雪質が
強く味方してくれましたよ。なんと言っても山日和さんの登りルート計画が良かった。」
と握手。次に登ってきた、とっちゃんや洞吹さんとも握手。みんな満足感で一杯の笑顔だ。
山頂には複数の足跡がある。途中で会わなかったので、ピストンか別の尾根からの登山者
と思われた。
「少し下ったところの山名標識のあるブナの前で記念撮影しよう」と山日和さん。
「う~ん、今月6日に天狗山に来た時よりも50センチほど雪面が下がってるなぁ」
振り返ると、青空にいま下ってきた雪面が映えて実に美しい。
「さ~て、ここからの下山は急斜面有り。前回も滑ってころんでのさんざんの下山だった」
と山日和さんから脅されつつも右手の展望を楽しむ。
「まぁ、いつもの事だしねぇ~」と僕ら3人は「ありうることだ」と覚悟している。
「ここがちょっとキツイかも」と地形図に印をいれておいたところを洞吹さんに示すと
「ホンマやねぇ。どうなることか~」と笑う洞吹さん。
左手に徳山ダム湖が見えており高度感も抜群。しかし時間的にも雪がゆるんできており
スキーのようにスノーシューが滑ってしまい尻餅をついたりしつつ、進む。
ツボ足の足跡は相当深く潜っている。これでは、歩きにくかっただろう。
右斜面に赤いテープ。植林帯に入り難儀する。「スノーシューを脱ごう」と山日和さん。
「ひょっとして・・」と地形図を見ると、印をいれた地点だった。枝をつかみつつ斜面を
やや下り左の尾根筋を目指して進む。「これが奥美濃流の登山道ですよ」と山日和さん。
難所を抜けて一休み。上を見上げると逆斜面に足跡がある。
「登りはこっちを登ったなぁ」と山日和さん。ここから再度スノーシュー装着。
Ca884mを過ぎて登りかかると「これがこのあたりで最も太いブナ」と山日和さん。
16:20
少し登って798.8mピーク。「最後の休憩。ここからはさらに急になるよ」と山日和さん。
1月に敗退した小津権現が見える。沢から行きたいと思っている花房山も見える。
振り返ると歩いてきた稜線も見える。「長い距離を歩いたものだなぁ」と感心する。
「ツボ足トレースは正規の登山道である左尾根へ向かっているな」と山日和さん。
スノーシューでは滑りまくるし、ツボ足では深く沈んで苦しみもがく。
「慎重にスノーシューで下りた方が楽」という洞吹案に僕ものった。
ころんで滑っても痛くもないし危ない斜面ではない。段々と下にいくほど重い雪質になり
一歩一歩慎重に足を進めれば斜面途中ほどは滑らなくなった。
17:20
「出た!」道の駅のすぐ横。ダチョウが忙しく歩いている影が映っている温室がある。
道の駅の自販機でコーラのボトルを買って一気飲み。「あ~、生き返ったぞ!」と僕。
宮崎ナンバーの登山者はまだ戻っていない。やはりロングルートのようだ。
車に着いてみんなで「周回達成!」と握手。まだ明るいうちに下山出来た。
「おや?」山日和さんの車のワイパーに紙がある。黒壁山(高丸)へ行った、たんぽぽさ
んからの「おめでとう!」の手紙だった。たんぽぽさんは、難所でなにかしら発生したよ
うで早いご帰宅のようであった。
ここで用事があるので帰宅するとっちゃんと「気をつけて~」とお別れした。
「実に薄暗いけど雰囲気がある湯ですよ」という、去年出来たという姉川温泉へと向かう。
会員にもなっている山日和さんの会員割引活用で食事をして、ぶっとばしの山日和号とも
ここでお別れし、睡魔と戦いながらマイペースで帰路へとついた。
往復365キロ。23時自宅到着。和歌山からナイトンが久しぶりに車で帰宅していた。