竜ヶ岳横断の山旅、遠足尾根を東から攻めてみたものの・・・・
【 日 付 】2011年6月9日(木)
【 山 域 】 鈴鹿北部
【メンバー】あろん
【 天 候 】曇り
【 ルート 】常滑6:02++6:51名古屋7:11++7:39富田7:42++8:09大安—大安福祉センター8:30=8:50山条北口—9:20ツボ谷林道終点—9:53三股—10:36P566北鞍部—11:08大日向—12:55竜ヶ岳13:15—13:30西尾根に乗る—13:43P962—14:26白谷ガレ14:38—14:48白谷越—15:15P770—15:34P730—16:21P533—16:31茨川林道に出る—17:20京の水—17:40杠葉尾バス停—17:55ひろせ酒店—18:11杠葉尾口バス停18:30=18:51永源寺車庫18:56=19:14名神八日市19:16=21:06名鉄バスセンター—名古屋21:15++21:57常滑
【交通費】
近鉄 名古屋~富田 540円
三岐鉄道 富田~大安 420円
いなべ市福祉バス 大安福祉センター~山条北口 無料
東近江市ちょこっとバス 杠葉尾口~永源寺車庫 200円
近江鉄道バス 永源寺車庫~名神八日市 510円
名神高速バス 名神八日市~名鉄バスセンター 1650円
合計 (名古屋発着) 3320円
【参考サイト、トピック】
http://tasogare-taka.cocolog-nifty.com/ ... -e5ea.html たそがれさんのブログ
viewtopic.php?f=4&t=293 わりばしさんのトピック
viewtopic.php?f=4&t=295 Trail_Walkerさんのトピック
2004年以来廃止になってしまった大安~宇賀渓のバス路線。なんとか竜ヶ岳へのアクセスをと調べているうちに、いなべ市の福祉バスを見つけた。最近は各市町村で廃止路線を補うように福祉バス、コミュニティーバスを代替運行するようになってきている。
ただ、観光地への乗り入れは無く、あくまでも各集落への福祉目的でのアクセスである。
さらに調べてみると、平日の運行のみで曜日ごとに発着コースが入れ替わる。運賃は無料。
幸い木曜日が休業の僕にとって石榑コースが旧大安町役場の大安福祉センターを木曜日の朝8:30発という。なんとラッキーなことだろう。
確認のためにいなべ市役所に電話で聞いてみた。
僕「福祉バスの利用についてですが、他市の人も使えて無料なんですか?」
担当の人「どうぞ使ってください。」
僕「石榑コースで宇賀渓に一番近いバス停はどこでしょうか?」
担当の人「・・・ちょっとお待ちください。(2分ほどゴソゴソ)山条公会場前ですね。」
実に優しく感じの良い対応で、ありがたく乗せていただくことにした。
それからというもの、地図、地形図、古いエアリアマップなど引っ張り出してごそごそ・・・。
んん?山条集落に石部神社があるぞ。「石部神社 遠足尾根」でグーグル検索してみた。
おお!なんとたそがれさんのブログがヒットしたではないか・・。
彼は遠足尾根を下りで使って石部神社に降りてきたようである。石部神社から遠足尾根のアプローチも頭の中に入れて、古いエアリアマップを見てみると上部点線ではあるが、遠足尾根を東からツボ谷を使って登るコースがある。新しいエアリアにはこの登山道は記載されていない。
そんなこんなで、ツボ谷にあった登山道を行ってみることにした。バス停は「山条北口」のほうがいいようだ。
余談だが、宇賀渓では今年あたりから入山料を取るらしい。別に今回の遠足尾根東面からのアプローチがその入山料をケチるつもりでは全く無い。あくまでも公共交通機関でのアプローチが主目的なのだ。しかし、山条あたりまでバスで行って、30分ほど歩いて宇賀渓まで行って入山料200円ですかぁ・・・・。orz 朝明をまねしたのかな。
三岐鉄道は通学の高校生でいっぱいである。わずかに僕以外にもおばちゃんがリュックをひざに抱えて一人いた。おそらく藤原岳だろう。
順番に高校生がいくつかの駅でドサッと降りていく。大安でも最後に残っていた高校生が降りた。沿線に高校が2~3校あるようだ。
大安駅から北へ12~3分歩いて旧大安町役場まで行かねばならない。時雨れてきたのでモチベーションはドン下がりだ。
福祉センターの入口で雨宿りをしながらバスを待つとやがてマイクロバスがバス停に止まった。乗客はいつもどおりの予想通りの僕一人である。運転手との語らいが始まる。これもいつものパターンである。でも今回は無料というのに気が引けている自分があった。
遠足尾根の登り口のことや、大安~阿下喜を結ぶシャトルバスという福祉バスがあって、これを使っても宇賀渓に近い「照光寺道入口」か「出口公会場前」で降りれば良いとのことなど、20分あまりの間にいろいろ情報が聞けた。降りるときには「気をつけてな」と声をかけてくれた。
山条から国道421号を渡って、ツボ谷へと深く入り込むアスファルトの林道を行く。アスファルトの道で標高差100mは稼いだだろう。林道はやがて砂防ダムで終点となる。気が付けば雨はもう上がっていた。
- ツボ谷林道
さあ、ここからがルートファインディングだ。山の斜面に向うはっきりとした道がない。砂防ダムの下には左岸に向う鉄板の幅60cmぐらいの橋渡しがある。渡ってはみるがやはり道型がない。結構な急斜面をあえぎながら左岸を登ることになった。150mぐらい上がってさらに斜面の角度が増してくる。植林の山作業に来てるみたいだ。
しかしたそがれさんの情報によるとP566の北側に良い道が出てくるようで、そこを目指すはずがこのまま行くと大日向に直登していってしまう。しかも等高線の混んだ斜面だ。ころあいを見計らって右岸へ行かねばと思うが、谷が結構深く容易に降りられない。もちろんいつものように20m×8mmとハーネスは持ってきているので何とかなることはなるのだが、降りやすい所を探しながら上へと向えばまあ簡単に降りることの出来る場所が見つけられた。そこは谷が三つ股になっている場所だった。ここで右岸に行かないと、別れた谷をさらに越えなければならない。林道終点からここまで迷っているようなバリエーションをやっているような実に複雑な気分である。
いつもの事といえばいつものことなのである。半ばほっとしながら中股を越え、左股へと向うとそこにはなんと古い石垣上の砂防ダムがあった。意外な構造物の出現にわずかに驚いた。
- 石垣状の砂防ダム
右岸尾根にとりつく術を探ってみるうちに、砂防ダムの上部は土石で埋め尽くされているのがわかった。歩きやすそうだったので上部へと谷を詰めることにした。伏流が終わり水の出てくる頃、前方に崩壊した3畳ほどのトタン小屋が見えてきた。まさしく「道」の予感がプンプンしてきた。
崩壊した小屋の前まで来ると獣道かそま道かわからないような薄い道型が、尾根を巻き込むように南へと続いている。この先で尾根を上がりだすなと思えばやはり思ったとおり道型もはっきりして来て遠足尾根芯へと向っている。杉の木には所有者の境界を示すものか「石榑南」というプレートがまるで尾根芯へ誘導するかのように何枚も同じものが付けられていた。
道ははっきりしたり消えたりして遠足尾根P566北の鞍部に出た。長い76分間であった。
考えるにツボ谷の林道終点から三つ股あたりまでは右岸に道があるのかもしれない。これはもう一回来なきゃイカンかな。
ガスの中、遠足尾根を黙々と歩く。大日向の三角点で休憩して杉の植林帯を見ているとガスで幻想的になってくる。なんか出そうで怖くなってきたので歩くことにした。
やがて頂上山塊にさしかかると笹が増えてくる。雨は降っていないがこんな日はズボンだけ雨具にしておけばよかったと反省。みればびしょびしょのズボンにダニがびっしり。笹で箒のように払えたり、付いてきてしまったりだ。それでも山頂に着くうちにはダニも落ちてしまっていた。
山頂で夫婦の登山者と会った。宇賀渓からきているとのこと。パンをかじって山頂を後にした。ガスで展望なし。
- 頂上山塊はガスの中
石榑峠に向う途中から太尾を目指す。わりばしさんやTWさんが言うように小尾根が出現してくるので下りのコース取りが難しい。コンパスを使っていたが、P962を真っ直ぐ北上してしまった。おかしいのに気づき、磁石を見れば示す方向がずれてきてしまったので、GPSで確認するともうすでに100mほど下ってしまっていた。登り返そうとしたがトラバースで修正。
白谷のガレへたどり着いた。まさしく百聞は一見にしかずの場所である。
しかしながらガレの尾根芯へのアプローチが見えない、わからない。あっちの小尾根、こっちの小尾根と15分ぐらいうろうろ。底部の浅いところから尾根芯に上がって事なきを得た。
突然現れる実に不思議で面白いところだ。下りはズルズル降りた。
- 白谷のガレ
このあたりはわりばしさんやTWさんのレポとかぶりますので、詳細は省略です。
白谷越を通ってガレの縁をひと登りすれば太尾のたおやかな稜線が続く。まさしく鈴鹿ならではの風景に長池なんぞも現れて、疲れも癒してくれる。
- 太尾の長池
やがて植林の尾根に変わり、ぐいっと降りれば今回は珍しく急降下の失敗もなくなだらかに焼尾あたりの茨川林道に降り立った。
茨川林道をぶらぶら歩き、新しくなった国道421号を行く。途中久しぶりに「京の水」によってみた。うまい水だ。ホッ。
杠葉尾の集落でバス停を確認するも、国道沿いのひろせ酒屋を目指す。asahi super dry 500mlでグビグビ。店の主人とお客とここでもおしゃべり。お客は杠葉尾の住人で猟師をやっていたそうで白谷越の話をするとえらい盛り上がってしまった。大安までトンネル通って送ってってやる、とか言ってくれたが、おじさんあんた飲んどるがな。気持ちだけいただいてバス停に戻ろうとするとバスは手を上げればここで止まると言う。どうもフリー区間らしい。
バスが見え手を上げ店の人たちに別れを告げる。また今日も良い旅が出来たようだ。
ただ願うとするなら、いなべ市のバスが休日も運行してくれないかなぁということのみである。休日は若い家族がいるからバスの足は不必要なのかな?
ルート図
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http://zoom.it/cOlt[/zoomit]
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/wat ... 21bb473b81
つう