【中ア】星降る小屋から錦秋の濃ヶ池へ
~ 権現づるねを登り新築の西駒山荘に泊まる ~
【月日】14/09/26~28
【山城】中央アルプス 将棋頭山周辺
【天候】晴れ~ガス~快晴
【アプローチ】 9/26自宅15:30=駒ヶ根SA=ski場トップ=林道P6:30
【コースタイム】9/27 P7:00 -権現山8:35-五合目広場10:25-西駒山荘15:40
9/28山荘7:10-濃ケ池8:40/9:10-山荘10:00/11:00-桂小場14:30
-林道P
まだ真っ暗な小広場に1台の車、ヘッデンを灯して登山準備している人がいた。
しばらく話したがまだ夜が開けやらぬのに
「この尾根長いですよ、木曽前岳でテン泊するので行きます。」
と暗闇に消えた。
- 伊那スキートップから
準備をしていると東の空が白んできた。
山稜は特徴的な甲斐駒、仙丈などの南アルプスだ。気持ちが高揚してくる。
しばらく写真を撮った後、エアリアを確認して、少しでも登りの労力と時間を稼ごうと林道最終地点の登山ロヘと移動する。
あまりの悪路に後悔しながらも古道の登山口、鳥居前の広場に辿り着いた。
地元の人たちが復活させたと言う古道はよく整備されていて歩きやすい。
しかも、静かなことこの上ない。
栂の樹林帯を緩やかに登っていく。
途中、説明標識のある草競馬場跡や学校林・・などがありその昔が偲ばれる。
権現山にはたくさんの新しい表札が建てられている。
学校行事で登ってきたらしい児童らの名前が書き連ねられている
振り向くと伊那の街の向こうに南アルプスや八ヶ岳が聳えていた。
ここから先が長かった。
栂の林床には倒木が苔むし、カニコウモリが群生している。
そのうち、ダケカンバやナナカマドが混じり、色彩豊かになってくる。
比較的なだらかな登りだが、きょうは足が重い。
P2196からしばらくで急登となり、しかも長かった。
息が切れる、しかもシャッターを押す時に息を止めるのでさらに酸素不足となる。
足は重くなる一方だ。
まるで酸素が平地の半分以下しかないヒマラヤの8000 m峰を登っているような歩みであ
る。
一旦傾斜は緩んでダケカンバの大木やナナカマドの色づきに元気をもらうが、いつのま
にかバックの青空はガスに覆われていた。
地形図ではもうひと登り急登があるようだが、ハイマツ帯となって展望が開けると、重い
足も少しは動きがよくなっていつのまにか大きな展望岩に飛び出した。
ガスの切れ間から稜線が見え隠れする。
ハイマツの緑のキャンバスに赤のナナカマド、黄色のダケカンバ色彩豊かで美しい。
足下には緑の苔と・・の葉が樹木の負けじと真っ赤に染まっている。
稜線の右手にやっと小屋が見えてきた。
結局、歩き始めて山荘に着くまで、誰にも出会わなかった。
この時期の好天の休日にアルプスでこんなに静かな山歩きができるのは至福だ。
ピカピカの小屋は余裕でひとりに布団ひとながれ、夕食後ぐっすり眠り、ちょうど目が覚めた0時前、着込んで小屋を出た。
夕刻のガスは消えて満天の星空、南アルプスのシルエットの上にオリオンが輝いていた。
担ぎ上げたと言うほどたいしたことないが、2台のカメラで星撮り三昧
もちろん、三脚も2台必要で重みに耐えた甲斐があると言うものだ。
点像、軌跡、小屋前景などいろいろ撮って、2時40分満足して夜明けまでの床につい
た。
疲れて眠く、日の出はパスしよう・・・と思ったが、周りの人たちが起き出すのに釣ら
れて外へ出た。
昨日通った東側の尾根に登って日の出を待つ。
正面は「八ヶ岳」右に「南アルプス」左に「北アルプス」の山稜がシルエットで浮かんでいる。
これだけでも「ウルウル感動もの」の大パノラマだ。
思わず、「うわあ~こら凄いわ~」とひとり叫ぶ。
鋸岳の北端から薄雲をオレンジに染めて陽が昇ってきた。
おいしい日本酒「信濃錦」の杜氏をしていると言う小屋番さんに呼び戻されて、朝食とする。
快晴の秋の日、濃ヶ池で錦に包まれよう。
馬の背から伸びる稜線に出ると噴煙あげる御嶽山がくっきりと見えた。
トラバースして濃ヶ池が近づくと文字通り、錦に包まれた。
俯瞰してみる池、佇む二人の登山者、紅葉は真っ盛り、池畔に降り立ち、そのために誂えたような岩でゆったりと絶景を堪能した。
ゆっくり小屋まで戻り、朝っぱらから紅葉と遠くの槍穂高に乾杯だ。
帰りは、通行できると判った桂小場へゆるゆると降った。
では また 錦おりなす 湧水のコバで
SHIGEKI