- 皆既から満月
皆既月食
好天予報の皆既月食、またとないチャンスだ。残念なのは時間が早いので皆既以降しか見ることができない。早引きすればいいのだが・・・
自宅近くの田んぼのあぜ道で夜空を眺めていると、なぜかアルプスの山稜を思い出した。
- 山と月食の記憶
湖西の浜から湖東の山頂へ
久しぶりに晴れ渡った土日、浜と山で絶景の夜を過ごした。比良山系と琵琶湖の景色が美しい湖西路を目的の浜へと一路北上する。
夏の間は賑わったであろう浜は、誰もいなくて真っ暗だった。湖面は凪いでいる。その向こうには、特徴的な形の竹生島が浮かんでいる。
瓢箪の様な形はあの「ひょっこりひょうたん島」のモデルになったらしい。その奥の高い山は滋賀県で唯一の百名山「伊吹山」である。
近くで見ると山肌を削り取られて無惨な姿だが、ここから見ると秀麗に聳えている。
- 竹生島と伊吹山
目的のオリオン座は薄い雲に覆われながらも大きく昇ってきた。
前景はたおやかな波の湖面、対岸のまばらな街の灯りに竹生島と伊吹山のシルエットがいい感じだ。それを従えるように大きなオリオンが煌めいている。
写真を撮ってひと眠りしたら東の空が焼けてきた。
琵琶湖の夜明けは美しい。日の出前から空が赤く染まり、オレンジ色の太陽が顔を出すと湖面が色を変えながら煌めく。
数羽の鴨が光の中で遊んでいた。
朝帰りして休憩した後は、湖東の山を目指した。林道の奥から重いザックを担いで登る。
山頂でテントを張ったら、ちょうど琵琶湖の向こう比良山系に陽が沈むところだった。
茜から藍、そして街の灯が輝く頃には、黒いベールが重なりほんの少し星が瞬く。
- 猪瀬山太郎坊三上山、右奥比叡山
深夜になり振り返ると、東の空からは冬の星座が昇ってきた。一等星で細長い六角形をなす、冬のダイヤモンドが鈴鹿の山稜に輝いた。
また振り返ると湖東と湖西の街の灯りに挟まれた琵琶湖に夏の星座、はくちょう座の十字が突き刺さる様に光っていた。
もうすぐ夜明けだ。
では また 人よりのコバで
SHIGEKI