10月8日、テニス仲間のM氏(67)、S氏(74)と3人で八経ヶ岳に行ってきました。
この日は釈迦ヶ岳の紅葉を見に行くつもりでした。旭林道を登山口に向かって順調に走っていくと
左へ有無の川への分岐を過ぎて200mくらいで道路の斜面が土砂崩れを起こして通行できず、
やむなくUターンしてトンネル西口へ着き出発したのが8:30で、いつもよりかなり遅い出発でした。
この日は予定をすべてキャンセルしていたのでゆっくり登山のつもりでしたが、最近S氏は足の痙攣を
おこすことが多く、弥山の手前から痙攣するようになり、八経ヶ岳へは二人で行ってくれと言いました。しかし、
せっかくここまで来たのだからと、彼のペースに合わせのろのろペースでなんとか八経ヶ岳まで行けました。
帰りは、彼に先頭を歩いてもらいましたが、痙攣をほとんど起こすことなく結構いいペースで下りて行きました。
西口出会いからの急坂も順調で登山口まで10~15分のところでS氏が滑って尻もちをつきました。
身体には大したことはありませんでしたが、左手の親指の腹を石の角で切ったらしく割と多く出血していました。
バンドエイド2枚で圧迫止血し、さあ行こうと彼も立ち上がってザックを背負ったのですが、ちょっともう少し休ませてと
座り込みました。3mほど後ろで私も座り、なんとなく彼の方を見やると頭が少し左へ傾いて、ザックを背もたれにして
寝ているような感じでした。まさか寝ているのではないだろうなと彼の前へ回り込んでみてみると、なんと
顔は血の気がなく土気色、目は左右であらぬ方向を見ており、名前を呼んでも返事はなく、いびきもかいています。
これは脳梗塞ではないかと頭の中が真っ白になりました。呼吸はしているのでとにかく身体を叩きながら大声で
名前を呼ぶとしばらくして「聞こえている。寝ていた。夢を見ていた。」と返事をして意識が戻り、顔がサッと潮紅して
きました。もはや救助隊を要請しなければならないかと覚悟しかけていましたので心からホッとしました。
時間的には私が気づいてから2~3分だったと思いますが、緊急時には時間はストップしますので正確には分かりません。
おそらく指からの出血が以外と多かったので、それを見た心因性のショックの可能性ではないかというと、そういえば
昔、釘を踏みぬいて同じようなことがあったと言いました。男は血に弱いのです。若い身体のがっちりした男でも
血を見ると同じような症状を起こすようです。その後は私とM氏で前後を挟み慎重に登山口まで下りました。
翌日、外科で指の怪我を、内科で身体を調べてもらい内科のDrも血を見た心因性のショックだろうと言ったから
もう大丈夫とメールをくれました。しかし、われわれの年代になるとどんな病気が隠れているか分かりませんから
脳神経外科でMRIを受けることを勧めると10日にMRIを受けて異常なしとのことでした。しかし、これでも全く安心
ではありません。小さな血栓が飛んできて脳幹で小範囲の梗塞を起こし、すぐに溶けて症状が消えただけかもしれません。
これなら現時点ではどんな検査をしても異常は見つかりません。
加齢は最大のリスクなのです。高齢の登山者が増えています(私も)が、今後どうするか悩ましいところです。