木下山(庵の谷)のヤッチャンから、年明け1月7日の『山の神』に誘われていた。
ワリバシさんも参加できるとのこと。
せっかくなんで飯高町森の深野集落の『山の神』とハシゴ参加をすることに。
【日付】2016年1月7日(山ノ神)
【山域】台高(櫛田川水系)
【メンバー】雨子庵・ワリバシさん・山の人多数
【天候】晴天
深野の『山の神』は黒瀧神社の境内にある。朝7時頃来いと言われていたが、6時50分にワリバシさん発見、早いな~。っていうか7時は僕らだけ。
しばらくしてヤッチャン登場。早速火を起こしてくれる。続々と集まる初対面の人に僕達を紹介してくれる。総勢15名くらいか。
まずは自治会長(?)が一段高いところから挨拶。
『それでは今から始めますが、え~、今日は名古屋から水商売の人たちも来てくれています』
ワザワザ紹介されると恥ずかしいモンです。
- 深野の山ノ神
- 注連縄編みこみ
宮司さん(他の神社から来ているとのこと)の祝詞が終わると、やおら全員参加で『山の神』の前で注連縄を編み出す。社の前を横切るように7~8mくらい。
『雨子庵よお、この稲わらはこれ用に取ってあるんさなあ。最近はコンバインで切ってまうからな』
『このあとこれを切るんさ』
『ヤンワリ編み込めよ、ちゃあんと切れるようになぁ!』
見た感じかなりしっかり締めこんでいる(正にしめなわ)ように見えるけど、これでも加減しているんだろうな。
- ワザワザ全員の分を作ってくれていました。この気持ちが大切ですね
10分程度で完成。歌詞カード?が全員に配られる。
『さあ、これを全員で唱えながらいくぞ』
『ひぃ~とひろ、ふぅ~たひろ、みぃ~ひろ・・・』
ひとりの人が注連縄に手を広げ長さを測るように移動していく。
『さあここからはもっと元気よく!』
『いせのおむぎこめぇ、やまとのぉいとわぁた、だいほうさくのえんえんぼお』
(伊勢の麦米、大和の糸綿、大豊作の延々棒)
『それ切れッ!』
しめたばかりの注連縄を皆で引きちぎっていく。それをまとめて火を起こす。
- この火で各自モチを焼きます
『ほらっ、雨子庵、ワリバシ。それぞれのモチじゃ。この火で自分で焼いて食うんじゃ』ヤッチャンが銀紙でくるんで準備してくれてた。
『焦げたとこを食べると健康に過ごせるぞ』
美味しくいただきました。
引き続き『庵の谷』へ。木下山の『山の神』は計3回行う。12月7日、年末(注連縄つける)、そして1月7日。
木下山は現在3人で管理している。年の順にショウチャン、ヤッチャン、ユキチャン。今日はユキチャンは伐った木の出荷でバタバタしている。駐車場から山の神まで標高差は100m弱か。ショウチャンは前回車のところでお留守番でした。
『ショウチャンも上まで行こうよ。ゆっくりでいいから。起こした火は下りてくるまでもつよ』
4人でユックリユックリ上がる。やがて到着。今日は12月の山の神のような派手さが無い。社の扉を開けるも、幟も特に立てないし、魚とかもない。
『雨子庵さあ、12月は1年の無事を感謝する行事。今日は1年の無事をお祈りする日じゃ』ナルホド。
セッカクなんで持ってきたものをお供えさせてもらう。
『おおっ、「越の寒梅」じゃないか!』
ワリバシさんの持参した一升瓶にヤッチャンの声が1オクターブ上がる。
『あのぉ、僕の「魔王」はセッカクなんで不動明王に・・・』
- 下の人がショウチャンです
ショウチャンがここの『山の神』の由来を解説してくれる。
『わしらの祖先は大和から来た。わしのじいさんがこの庵の谷に入り、当時はいわゆる原生林やな、ここに腰を据えて山をやっていくことを決心したんじゃ。いい加減な気持ちではこんな山の神までは置かんからな』
・・・
『さあヨバレヨ』
焚き火を囲んで早速お備えした「越の寒梅」をありがたくいただく。気がついたら無かった。「魔王」(4合)に手が出る。ヤッチャン、金網やカマスの開きは分かるけど、なんで都合良くお湯を持ってるの?気がついたら「魔王」も空き瓶で、濁り酒を呑んでいた。と思ったらまた透明のアルコールを呑んでいた。
『朝から』『寒中で』『焚き火を囲んで』楽しく呑む条件が揃いすぎてたけど、そこでイロイロな話が聞けました。
・猿山(庵の谷の向かいにあった廃集落)は以前46軒あったこと。
・そこ(斜面)にあった狭い神社の境内で村中の人が集まって盆踊りをしたこと
・猿山と辻堂(ダムの赤い橋)までは山の中腹に連絡道があって、猿山の人たちで管理してたこと。
・夜這いのこと
他の話はほとんど忘れてしまったけど、ヤッチャンが庵の谷の源流を指差し、
『雨子庵よ、あそこにいいダイラがあるから小屋を建てろ!』と盛んに言われました。・・・秘密基地が増えるのかな・・・?
夕方、青田(雨子庵)に帰るとズッシリと鹿肉が。オジヤンからのお年玉。そして箕面から福の神(拭くの紙)が大量に差し入れ。
- 福の神(拭くの紙)1年分です
またまた皆さんの暖かさに触れた山の神の1日でした。
さあ今からはジロニィと呑まなきゃ。
雨子庵